レシピ 2017.08.08
お弁当の達人・野上優佳子さんに聞く!毎日のお弁当作りで知っておきたい「8つのコツ」
毎日お弁当を作るのって結構大変だったりしますよね。忙しい朝にパパッとできて、おいしく食べられるお弁当が理想ですが、これを毎日続けるとなると考えることが多すぎる! さらに夏の暑い季節は食べ物が痛みやすかったり、食欲がない場合もあったり…。さらに悩みのたねが増えてしまいます。
これはもう、お弁当のプロに助けてもらおうということで…
お弁当を作り続けて30年、料理家&弁当コンサルタントの野上優佳子さんにお話を伺いました!
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お弁当歴30年!お弁当の案内人、野上優佳子さん
中学生の頃からお弁当を作り続けて30年以上という野上さん。現在も、自分のお弁当や社会人から小学生まで3人のお子さんのために日々お弁当を作り続けています。
お弁当の案内人として、人気テレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS)に出演したことも!また、お弁当箱にも詳しく、これまで使ったお弁当箱の数は300個を超えるというから驚き。まさにお弁当のプロなのです。
そんな野上さんに、「毎日のお弁当作りをもっと楽においしくしたいんです!」とさっそく悩みをぶつけてみました。
毎日のお弁当作りで知っておきたい【8つ】のコツ
さっそく、お弁当作りを楽しく続ける秘訣を聞きました。
「お弁当に毎日全力投球する必要ないと思うんです。作り置きしておいたおかずをアレンジしたり、乾物やフリーズドライ食品を活用したりしながら、とにかく面倒だと思うことを排除していくことが秘訣ですかね!」とのこと。
ちなみに野上さんは毎日のお弁当+夕飯の副菜メニューを一緒にすることが多く、だいたい20分くらいで仕上がるのだそう!
具体的にすぐ使えるお弁当作りのコツも教えてもらいました。
【1】 お弁当の中の色は5色!
「お弁当のおかずで迷ったら赤、黄色、緑、白、黒の5色を揃えることを意識してみて。5色入っていれば、5種類は違う食材は入っているということだから、5つは違う栄養でしょう? 5色あれば、色合いもきれいでおいしそうになります。
あまり難しく考えず、ごはんに黒ゴマをかけて白黒というのでも全然問題ないです。それくらいのざっくりした感覚でいいと思いますよ」
【2】 甘い・辛い・しょっぱい
「甘い・辛い・しょっぱいの3つの味が入っていれば、飽きずに食べることができます。甘酸っぱい、甘辛い、甘じょっぱいなどの組み合わせたものを入れていてもいいですね」
【3】 油は拭き取ることでおいしさキープ
「油っぽいおかずは冷めたときに味が落ちるので、お肉は油の少ない鶏むね肉やささみ、赤身肉がおすすめ。お弁当箱に詰める前にキッチンペーパーで油と水分を吸わせるのもポイントですね。味が劣化しにくいし、痛みにくくもなります」
ごはんとおかずの仕切りも大葉で代用
【4】 詰めるときは、大きいものから&立てかけるように
「お弁当は大きいものから詰めていくのがポイント。面積が小さいものから詰めていくと、どこにどう詰めていいかわからなくなっちゃうから、大きいものや、形がしっかりしているものから詰めて、そこに立てかけるようにすると無駄な隙間があかなくなります。だから、ごはんから詰めていくといいでしょう。そのときごはんの境界線を斜めにするとおかずの断面が見えやすくなるから、入れやすいうえ、おいしそうに見えます」
また、お弁当箱は「細長で四角い2段タイプ」が詰めやすいのだそう。
幅が狭いと、おかずを1つずつ端から順番に詰めていきやすく、また、ごはんとおかずが別々なので味が混ざることも気にしなくていいので、詰めるのが苦手という方にはおすすめです。
【5】 洗うストレスをなくす
「お弁当箱が臭うのは、食べた後(持って帰ってくるとき)なので、おかずカップやトマトのヘタなど残るものはなるべく入れません。子どもに全部残さず食べてもらうために、お弁当には嫌いなものは入れないようにしています」
野上さんいわく、「お弁当の臭いで困るのは“洗う人”」。洗うときの小さなストレスがお弁当作りを億劫にしてしまうのだそう。それならば最初からストレスのもとをなくしてしまえ!というスタンスは見習いたいですね。
食べごたえのあるゴロっとしたおかずを入れると満腹感がアップ。今回はオクラのベーコン巻き
【6】 好きなおかずだけでもいい
「毎日違うメニューにするのは結構大変。お子さんに作る場合は特に、毎日違うものを…と考える人が多いと思います。
でも私は、お弁当には子どもが好きなものを入れればいいと思っています。作る方も、せっかく作ったものが残されていたらがっかりしちゃいますよね。要するに、頑張りすぎないってことですね」。
【7】お弁当と一緒に夕食の副菜も作る
「仕事をして疲れて帰ってきてから、夕食のメインに副菜に…と、全部をゼロから作ると大変です。私は朝元気なので、お弁当を作るときに夕食の副菜も一緒に作ってしまうんです。そうすると帰ってきてメインを作るだけでいいので、すごく気が楽になるんですよ。
あと、夕食の副菜が翌日のお弁当に入っていたら、『残り物が入っている』と感じるけど、お弁当に入っていたおかずが夕食に出ても『残り物』とは感じにくいんじゃないかなと思って。だから朝、簡単に作れるお弁当のおかずを少し多めに作って、夕食の副菜にアレンジするようにしています」。
【8】 乾物やフリーズドライ食品をうまく使う
「値段の変動が少なく、腐らない、そしてかさばらない乾物はお弁当にとっても便利。5色のおかずを揃わないときも、手軽にプラスすることができます」
写真左から『まるごと素材』の枝豆・なす・グリーンピース
※現在は販売終了
乾物が便利ということで、「野上さん、枝豆、なす、グリーンピースをそのままフリーズドライした『まるごと素材』というものがあるんですが、これもお弁当に便利だったりします?」と聞いてみました。
すると、「これは便利だと思います! 実際に『まるごと素材』を戻してみたんですけど、色の美しさが素晴らしい。食材を乾燥させると色がくすみがちだけど、これだけ色がきれいなのはフリーズドライ製法だからなんでしょうね。それに、普通お豆って下茹でが必要だけど、朝それをやるとなると結構な大変なんですよ。
でも、『まるごと素材』のグリーンピースや枝豆なら下茹でが済んでいるからそのまますぐに使えるのがうれしい! 下処理だけ済んでいる“素材”っていう安心感があるうえ、楽できるのもいいです」
お弁当は汁気があると痛みやすくなるうえに、味も落ちてしまいがち。フリーズドライ野菜は汁気を吸うことで戻るため、「お弁当にはもってこいの食材」と野上さんは言います。
「これは!」と思い、『まるごと素材』の枝豆・なす・グリーンピースを使ってお弁当を作っていただきました。
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『まるごと素材』3種を使ったレシピ
フリーズドライは使いたい時にサッと使える手軽さが魅力。その特徴を活かした時短メニューがこちらです。
【1品目】『まるごと素材』なすのポン酢漬け+梅おかか簡単アレンジ
『まるごと素材』なすを、ポン酢と水で浸すだけの簡単レシピ。ひとり分の少量作るのも簡単、アレンジも可能なので、毎日のお弁当にぴったり。フリーズドライされたなすが水分を吸ってしっかり味が染み込むうえ、べちゃっとしないのでお弁当にもってこいのおかずに。実はこのなす、素揚げされているので、ほどよくコクが出て満足感も◎。
【材料】(1人分・豆皿に1皿分)
<なすのポン酢漬け>
・『まるごと素材』なす…1/4袋(7g)
・ポン酢…大さじ1/2
・水(またはぬるま湯)…20ml
【作り方】(調理時間:約15分)
1.保存容器に『まるごと素材』なすを入れ、ポン酢と水を合わせたものを注ぐ。
2.冷蔵庫で15分ほど置いたらポン酢漬けの完成!
3.なすのポン酢漬けを、削り節と梅肉少々で和える。
※市販のポン酢は商品によって塩分量が違います。希釈量はお好みで調整してください。
[ワザありポイント!]
「なすのポン酢漬け」の簡単アレンジは、「なすの梅おかか和え」だけじゃありません。すりごまと和えれば「なすの胡麻酢和え」にもアレンジすることができます。「なすのポン酢漬け」は2〜3日日持ちするので、週のはじめに作り置きしておき、合わせるメニューや気分に合わせて味を変えてみるのもおすすめです。
【2品目】『まるごと素材』枝豆を使った浸し豆・卵焼き
大人も子どもも大好きな卵焼き。切ると断面から枝豆のきれいな緑色がちらり。そのままでもおいしい卵焼きですが、具材入りならさらに満足度アップ間違いなし!具材として使ったのは、そのまま食べてもおいしい「浸し豆」。味付けもつけ汁でOKなので簡単です。それぞれの作り方をご紹介しましょう。
【材料】
<浸し豆>(1人分・豆皿に1皿分)
・『まるごと素材』枝豆…適量
・水(またはぬるま湯)…20ml
・白だし…5ml
※水+白だしで枝豆が浸るくらいの量になるように。
※白だしは市販のものなので、商品によって塩分量が違います。希釈量はお好みで調整してください。
<枝豆の卵焼き>(お弁当で2人分)
・浸し豆…大さじ2
・卵…2個
・浸し豆のつけ汁…小さじ1/4
・サラダ油…小さじ2
【作り方】(調理時間:約15分)
1.保存容器に『まるごと素材』枝豆を入れ、白だしと水を混ぜてから注ぐ。
2.冷蔵庫で15分ほど置く。「浸し豆」はこれで完成!
3.作っておいた浸し豆とつけ汁を溶き卵と混ぜ、卵焼きを焼く。
[ワザありポイント!]
とろろ昆布や納豆昆布と和えておつまみ風にしてもGOOD。こちらも作り置き可能です。
【3品目】『まるごと素材』グリーンピースのドライカレー
スタミナをつけたい夏にぴったりのドライカレー。香りが食欲をそそります。玉ねぎなど他の食材と一緒にグリーンピースをたっぷり入れれば食べ応えも満点。グリーンピースで彩りもばっちりです。
【材料】(2人分・お弁当なら3〜4人分程度)
・牛ひき肉…100g
・玉ねぎ…1/2個
・しょうが…少々
・オリーブ油(サラダ油でも可)…小さじ1
・赤パプリカ…1/4個
・『まるごと素材』グリーンピース(現在は販売終了)…1/2袋
・水…150ml(2/3カップ)
・塩…1つまみ
・こしょう…少々
・白ワイン…大さじ1
※白ワインは料理酒で代用可。
・カレールー…2かけ
※カレールーがない場合は、カレー粉・トマトケチャップ・ウスターソース各小さじ1で味付け
【作り方】(調理時間:約15分)
1.玉ねぎと赤パプリカはさいの目切り、しょうがはみじん切りにカットする。
2.フライパンで玉ねぎ・しょうが・ひき肉を炒め、肉の色が変わったら赤パプリカを加えて軽く炒める。
3.白ワインと水、グリーンピース沸騰したら弱火にして細かく包丁で刻んだカレールーを加える。
4.全体をよく混ぜ、ルーが溶けたら蓋をして5分煮る。味を見て、薄いようなら塩胡椒で整える。
[ワザありポイント!]
カレールーの代わりに、トマトの水煮(100ml)を入れればミートソースに大変身。冷蔵庫で3〜4日持つので作り置きしておくこともできます。1日目はご飯の上に乗せて、別の日はごはんに混ぜてスクランブルエッグを乗せてオムライス風に…とアレンジは自由自在。
ドライカレーやミートソースのように茶色っぽいメニューのときに、グリーンピースを入れるだけで彩りがプラスされ、グッと華やかになります。フリーズドライなら彩り鮮やか、下ごしらえいらずの簡単調理、さらに保存も効くので、ストックしておくととっても便利。
ちなみに『まるごと素材』のグリーンピースは、下味が付いているのでそのまま食べてもサクサクしておいしいです。少量から使えるので、キャラ弁のパーツなど、いろんな使い方ができそう!
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「お弁当は今日もおいしかった!って喜んで完食してくれて、その日を楽しく過ごしてくれるのが、作る側にとって一番嬉しいこと」と話す野上さん。喜んで食べてもらうこと。シンプルだけど、これって料理の本質ですよね。
洗い物の手間を省いたり、メニューを考える時間を短縮したり、フリーズドライ食品や乾物を活用したり。野上さんの工夫の数々は、誰でもすぐに実践できそうなものばかり!今日伺ったことを参考にすれば、なんだかお弁当作りを構えずにできそうな気がします。ぜひ、参考にしてみてください。
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教えてくれた人
弁当家・弁当コンサルタント
野上優佳子さん
(株)ホオバル代表。35年以上作り続けてきたお弁当のノウハウを活かし、雑誌やテレビなど多数のメディアで活躍中。3人の子を持つ母でもあり、毎日実際にお弁当を作る目線から生み出されるレシピが評判。お弁当レシピ本の執筆や全国各地での講演・ワークショップほか、実用性や環境に配慮した弁当箱のプロダクト開発や商品監修など、その活動は多岐にわたる。著書に「GOGO BENTO 5つの食材でつくる定番弁当」(笠倉出版社)など。
HP(株)ホオバル代表。35年以上作り続けてきたお弁当のノウハウを活かし、雑誌やテレビなど多数のメディアで活躍中。3人の子を持つ母でもあり、毎日実際にお弁当を作る目線から生み出されるレシピが評判。お弁当レシピ本の執筆や全国各地での講演・ワークショップほか、実用性や環境に配慮した弁当箱のプロダクト開発や商品監修など、その活動は多岐にわたる。著書に「GOGO BENTO 5つの食材でつくる定番弁当」(笠倉出版社)など。
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