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カニのさばき方&食べ方|ズワイガニ・タラバガニ・毛ガニ種類別で紹介

ズワイガニ・毛ガニ・タラバガニの食べ方

かには高級食材。年に1〜2回など、たまにしか食べない人が多いはず。だからこそ、贈りものでいただいたり、いざお店に食べに行く時に戸惑うのが…「さばき方&食べ方がわからない」問題ではないでしょうか。

 

せっかくのおいしい「カニ」。実は、もったいない食べ方をしているかも…?

そこで今回は、カニを食べる時に絶対知っておきたい、基礎知識をご紹介します! 目指せ、カニマスター!

 

***

 

カニ専門店でおなじみ、『かに道楽』さんへ!

かに道楽

今回取材にご協力頂いたのは、全国展開している有名なかに料理専門店『かに道楽』

かにのことは、カニを扱うプロに聞くのが一番! ということで、早速行ってまいりました。

 

カニをおいしく食べるには「スピードが命!」

『かに道楽 銀座八丁目店』調理主任・柴田憲樹さん(左)、店長・塩見公理さん(右)

『かに道楽 銀座八丁目店』調理主任・柴田憲樹さん(左)、店長・塩見公理さん(右)。

 

まずは、カニをおいしく食べる秘訣を聞きました。

 

柴田さん:「カニはとにかく鮮度が命! 茹でてからはもちろん、殻をむいてから時間を置いてしまうと、風味が落ちてしまいます。なので、おいしく食べたいなら、できるだけ調理し終えてから時間を置かずに召し上がってください」

 

なるほど。おいしく食べる秘訣は、鮮度が落ちないうちに早く食べ切る。これは納得! では、人目を気にせず“スマートにカニをいただくコツ”を教えてください!

 

塩見さん:「気にされる方は多いのですが、別にキレイに食べようと思わなくていいんです!」

 

えっ!? でも、箸でほじくるのって何だかマナー違反のような気がして…。

 

塩見さん:「箸でほじくりながら食べても、決してマナー違反ではありませんよ。むしろ、余すことなくかにを楽しんでいただけるのは嬉しいです」

 

看板料理かにすき
(看板料理の「かにすき」をはじめ、さばき方はそれぞれのお料理に合わせているとのこと。茹でたかには「化粧切り(削ぎ切り)」と呼ばれる殻を削いだものを提供しており、どなたでも簡単&キレイに身を取り出せられるように工夫されているそう。不慣れな人でも安心ですね!)

 

今回は『かに道楽 銀座八丁目店』の柴田さんに、かにの上手なさばき方&身の取り方をわかりやすくレクチャーしてもらいました。ズワイガニ・毛ガニ・タラバガニをそれぞれ順番に、解説していきますよ!

 

 

***

 

【種類別】お家でできる!カニの上手なさばき方&身の取り方

 

まずは道具の準備。どれも家にあったり、用意しやすいものなのでご安心あれ。

 

【用意するもの】

・包丁
・まな板
・大きめのお皿
・キッチンバサミ
・(先の細い)割りばし
・濡れたお手拭き(数枚)
・軍手

 

ここで突然ですがカニの豆知識! カニを保管する時、甲羅が上のままだと、かに味噌が流れて足の肉身に混ざってしまうのだそう。お腹を上に保管して、おいしい状態を保ちましょう!

 

目次
① ズワイガニの正しいさばき方・食べ方
② 毛ガニの正しいさばき方・食べ方
③ タラバガニの正しいさばき方・食べ方

 

①「ズワイガニ」の正しいさばき方・食べ方

ズワイガニ

まずは、11月〜2月頃に旬を迎えるズワイガニから!

「越前ガニ」や「松葉ガニ」として有名なズワイガニですが、実はこれ、オス限定の呼称。メスは「香箱ガニ」「セイコガニ」などと呼ばれます。地域によって呼び方も異なるんですよ。

 

【POINT!】
とげとげの甲羅や足をさばく際に怪我をすることも…! 軍手を着用すると安全です。

 

【さばき方】

「ふんどし」と呼ばれるお腹の三角の部分

まず、かにのお腹側にある三角の部分「ふんどし」を包丁で切り取る。

 

【POINT!】
お腹と三角の部分の間に包丁が入る隙間があるので、そこに刃を入れて切りましょう。

 

ズワイガニのさばき方

1. お腹の中央に包丁を当て、お腹の殻を割るように刃を入れる。

 

2. 中まで刃が通ったら、ふんどし側からお腹をめくるようにして甲羅から外していく。

 

3. 反対側も同じく、お腹と甲羅をはがす。

 

4.カニ味噌をすべて、取れた甲羅にまとめる。

 

【POINT!】
はがしたお腹に詰まっているカニ味噌も、全部おいしくいただきましょう!

 

【身の取り方】

ズワイガニの身の取り方

1. 腹部についた脚の付け根を、キッチンバサミで切っていく。

 

2. 腹部のガニ(=灰色のエラ)を取り除く。

 

【POINT!】
腹部についているガニは食べられません。取り除いたら破棄しましょう。

 

3. 腹部は手で割く。お腹が5つの部屋に分かれているので、その部屋に沿って割っていく。

 

4. 割りばしで身を取る。

 

【POINT!】
脚が付いていたほうの穴を箸でツンツンと押すと、ポロポロと身が出てきます!

 

ズワイガニさばき方

脚の一番太い部分は、関節の手前と足の付け根のそれぞれ端から1cm程度の場所を切り落とす。

 

足の身を取り出す

細い足の部分は、足先をポキッと割って引っ張り、スル~と身を取り出す。

 

ズワイガニ・身を取り出す

太い方を下にし、鉛筆を持つようにして上下に振ると…(…ワオ!すぽっとキレイに身が飛び出てきました!)

 

ズワイガニのハサミ

最後にハサミの部分! ここは硬いので、縦に何カ所かキッチンバサミで切り込みを入れ、殻を割りながらむく。

割れない部分はハサミで切りつつむいていくと、キレイに仕上がります♪

 

ハサミ部分の身を取り出す

ハサミの下はキッチンバサミを縦に入れ、パカっ!と開けば身を取り出せます。

 

\できあがり!/

ズワイガニ

キレイにさばけた!

 

***

 

②「毛ガニ」の正しいさばき方・食べ方

毛ガニ

「毛ガニ」のさばき方・むき方は、基本的にズワイガニと一緒です。ただし、違うのはサイズ。毛ガニは小ぶりなので、箸先も使いながら身を取っていきましょう!

 

ちなみに毛ガニは脚が短く身が少ないものの、かに味噌がとにかく絶品!余すことなく、おいしくいただきましょう♪

 

【POINT!】
とげとげの甲羅や足をさばく際に怪我をすることも…!軍手を着用すると安全です。

 

【さばき方】

毛ガニ

ふんどしに包丁を当てて、はがし取る。

 

毛ガニ・さばき方

1. 中央に包丁を当てお腹を割り、ふんどし側から甲羅をはがす。

 

【POINT!】
小さな毛ガニの場合、カニ味噌がお腹についている場合は包丁の刃先で甲羅に落としておくと味噌をより無駄なく楽しめますよ◎。

 

2. もう半分も同じように、甲羅とお腹を剥がしてかに味噌を甲羅へ分けていきます。

 

3. 食べられないエラ部分のガニを外し、キッチンバサミでお腹と足を切り分ける。

 

4. お腹にある薄い殻に沿って割く。毛ガニはズワイガニよりも簡単に5つに分けられます。

 

 

【身の取り方】

毛ガニの身を取り出す

1.割いたお腹から身を取り出す。

 

【POINT!】

もともと足が付いていたほうから箸でツンツン押すと、身がポロッと出てきます。ポロッとならなかった部分も箸でしっかり身を取っていきましょう!

 

毛ガニをカットしている

2.脚とハサミの殻はすべてキッチンバサミで切る。

 

【POINT!】
足の内側の柔らかい部分はハサミで比較的簡単に切ることができます。

 

毛ガニ・身を取り出す

 

\できあがり!/

毛ガニ

毛ガニは他のかにと比べて小さいので、小さな身まで箸も使って取り出しましょう。 絶品のかに味噌を絡めて食べる毛ガニは最高においしいですよ~!

 

③「タラバガニ」の正しいさばき方・食べ方

タラバガニ

ついに来ました、威圧感ありありのタラバガニ!なかなかに手を付けがたいこの巨体ですが、ズワイガニ・毛ガニと手順に大差はありません。心を落ちつけて、気合を入れていきましょう。

 

タラバガニの特徴は「水分量が多い」こと。殻をむく時にも水分が飛び出してくるので、大きなまな板やお皿の上でカットするように心がけて。

 

【POINT!】
とげとげの甲羅や足をさばく際に怪我をすることも…!軍手を着用すると安全です。

 

【さばき方】

タラバガニ・ふんどし

包丁を使ってふんどしを取り外す。なんとタラバガニは、このふんどしもおいしく食べられます!

 

ふんどしをカットしている

ふんどしの周りの膜をキッチンバサミで切ると、食べられる部分を取り出すことができます。

 

タラバガニ・ふんどし

ふんどしの中にある黒い筋(食べられない部分)を取り除く。

 

タラバガニをさばいている

タラバガニ

1. 腹部を甲羅から取り外す。方法はズワイガニや毛ガニと同じです。

 

2. 包丁で腹部を抑え、ふんどしがあった側から外していきます。反対側も同様に。

 

3. 甲羅へかに味噌を寄せる。

 

【POINT!】
タラバガニのかに味噌は、風味の関係で食べないことが多いそう。ズワイガニ・毛ガニと違うポイントですので忘れないように!

 

タラバガニ・足をカットキッチンバサミを使って足の付け根を切って行きます。太いですが、切れます。

 

腹部のガニを削ぎ落とす

1. 腹部のガニを切り落とす。(ガニは食べられません)

 

2. 腹部を4つに割く。脚の付け根にある薄い殻に沿って割いていきましょう!

 

【身の取り方】

腹部の身を取り出す

割いた腹部は、キッチンバサミで切れ目を入れて殻を割れば、取り出せます。

 

タラバガニさばき方

脚の一番太い部分は、関節の手前と足の付け根のそれぞれ端から1cm程度の場所を切り落とす。

 

ズワイガニ・身を取り出す

太い方を下にして持ち、トントンと何度かお皿に叩いてから、さらに同じ方向に振ると身がスポッと出てきます!

 

タラバガニ・身を取り出す

1. 脚の細い部分は、キッチンバサミで半分にカットして割り、身はお箸で取り出す。

 

2. ハサミ部分もキッチンバサミで切れ目を入れて剥いていく。

 

【POINT!】
大きなハサミ部分は、キッチンバサミで縦半分に切れ目を入れ、その切れ目から今度は横に一周するように切っていきます。途中で割れてしまっても気にせず進めてOK。

 

\できあがり!/

タラバガニ

ジャーン!大迫力!!

 

ちなみにここで豆知識。タラバガニはズワイガニや毛ガニと違って、実はヤドカリに近い種。海老(えび)から蟹(かに)へと進化する途中の種なのだそう。また、かの有名な小説『蟹工船』のかには、ずばりこのタラバガニ!

 

「かにを食べる時、人は無口になる」なんて、よく言いますよね。殻を取って身を取り出すことに集中しすぎるあまり、しゃべることを忘れてしまう人が多いよう! でも、せっかくおいしいカニを囲むなら、楽しく会話しながら食べたいもの。

 

そんな時、今回紹介した3種のかにの解体をスマートにささっとこなしつつ、カニの豆知識まで教えてくれる人がいれば、盛り上がること間違いなしですよ~!

 

【協力店舗】

かに道楽

かに道楽 銀座八丁目店

[住所]〒104-0061 東京都中央区 銀座8-7 ギンザナイン2号館2F
[電話番号]03-3572-7272
[営業時間]11:30~23:00
[定休日]1月1日(元日)

※記事公開時の情報となります。最新情報は店舗公式サイト/SNSでご確認ください。

 

【参考資料】
からだにおいしい 魚の便利帳(高橋書店)

 

(文:ツチヤトモイ)

 

***

 

 

年末年始に余りがちなカニを使って。「カニクリームコロッケ」のレシピ

洋食屋さんの定番料理「カニクリームコロッケ」が、なんと自宅でも作れるんです! カニの細い足の部分など、お子さんが食べづらい部分は先回りで料理に使うという山森さん。茹でガニ、カニ鍋、カニ雑炊に飽きたら、ぜひ試してみてくださいね。

 

レシピはこちら▼

絵日記コラム65日目|カニクリームコロッケ(山森めぐみ)

 

手軽にカニのおいしさを味わいたい方へ! 「いつものおみそ汁贅沢 かに汁」もおすすめ

アマノフーズのフリーズドライおみそ汁「いつものおみそ汁贅沢 かに汁」は、下処理いらずで手軽にカニのおいしさを楽しめます。

北海道みそを100%使用し、きざみ昆布の旨味とカニの旨みを楽しめる一杯。ちょっと贅沢したい時の献立に添えてみてはいかがでしょうか?

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