読み物 2018.06.04
【第13回】『大人はな、肉よりも枝豆がいいんだよ』【四コマ漫画】
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「ビールといえば?」の問いかけに、ほとんどの日本人は「枝豆!」と答えるでしょう。私もビールと枝豆の組み合わせは大好きですし、お酒を飲み始めてから10年余り、今でもこの組み合わせはよき友として私の中で君臨しています。
そんな枝豆とビールですが、私にとっては子どもの頃から「大人の象徴」でした。近所のみんなで真夏にバーベキューをやっている時、大人たちは子どもたちに肉を食べさせながら、肉はそっちのけでビールと枝豆をほおばって、とても楽しそうにしていました。
私が「肉はいいの?」と聞いたら、「大人になったら、肉よりも枝豆がよくなるんだよ。いずれお前もわかるさ」ということを言われました。
それから数十年、私は成人してビールを飲めるようになると、「枝豆とビール」という組み合わせを試してみることにしました。スーパーで買った枝豆をサッと茹でて、軽く塩を振りかけてキンキンに冷えたビールと一緒にいただきます。
……なるほど、これはウマい。
絶妙な塩加減と、枝豆の風味でビールが止まりません。確かにこれは大人の愉しみ方です。成人式よりも、二十歳の誕生日よりも、「ひとりで枝豆とビールで晩酌」というイベントで、大人になったという実感がわきました。
しかし、あの時聞いた「大人になったら、肉よりも枝豆がよくなるんだよ。いずれお前もわかるさ」という言葉は、この時にはまだわかっていませんでした。
なにせ20歳になったばかりの若者です。枝豆をそこそこに、気付けば、同じくスーパーで買っておいた唐揚げと焼き鳥をむさぼるように食べていました。若い男性の草食化が叫ばれる中、私はものすごい肉食男子だったのです。
そして時は経ち、私は今年33歳になります。飲酒歴も10年以上になり、だいぶ大人の愉しみ方もわかってきました。もちろん、「枝豆にビール」という組み合わせは昔以上に好きになっています。茹でて塩を振るだけではなく、黒コショウをまぶしてフライパンで炒ったり、めんつゆで一晩漬けるなど、愉しみ方にバリエーションも増えてきました。
アマノフーズから出ている「フリーズドライ枝豆」なるものも、ビールのおつまみになることがあります。
そのままポリポリと食べられますが、かつお節と醤油を少々、ごま油をたらしてアレンジするとビールによく合いました。
ですが、あの時聞いた「大人になったら、肉よりも枝豆がよくなるんだよ。いずれお前もわかるさ」という言葉については、実は今でもよくわかっていません。枝豆はもちろん好きですが、やっぱり肉が好きです。枝豆の後には、唐揚げや焼き鳥や、油淋鶏や酢豚を食べたくなってしまうのです。肉食レベルはむしろ上がっています。
今年もまた夏が来ます。この夏こそは「肉はいいから枝豆だけあればいい」と言えたらいいなと思います。(当原稿は、焼き鳥を食べながら書いております)
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