アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けする「お客さん対談」。今回の対談テーマは、「将棋」について。ゲストは、今やお茶の間で大人気の人気棋士・加藤一二三九段（通称：ひふみん）と、実力と美しさを兼ね備えた女流棋士・香川愛生女流三段。

棋士を目指したきっかけと“将棋めし”事情を伺った前回に引き続き、後編はなんと！独自の「恋愛観」についてお話を聞きました！

気になる棋士の「恋愛事情」

—前回、加藤九段に貴重な愛妻弁当のお話を伺ったのですが、将棋と恋愛って両立できますか？

わぁ、それは私もぜひ伺いたいテーマです（笑）。

はい、私の考えですがお答えしましょう。かの有名なモーツァルトは、好きな女性と結婚できるように神様にお願いをしたそうなんです。

めでたく結婚できたので感謝の印として曲をつくり、それがのちの名曲となった。実は彼が自分の意思で作ったのは、生涯でも１曲だけといわれています。

加藤先生は音楽がお好きですもんね。

恋愛がすべての「エネルギー」になる

（加藤一二三九段）

彼はすごいんですよ。約250年前に「自分は好きな女性と結婚して、欧州一の作曲家になる」と生前に手紙を残しています。今となっては、世界中の人が知っている存在になりました。

それはつまり…？

つまり「恋愛は、勝負や創作のエネルギーになる」ということです。

恋愛による気持ちのアップダウンで支障が出るのではなく、前向きなエネルギーに変えていけるのは、とても理想的といえますね。ちなみに加藤先生は、ご結婚してどれくらいですか？

大学在学中に結婚しましたので、もう50年は過ぎていますね。私は小田和正さんの『ラブストーリーは突然に』という曲にかなり共感していて…。

「何から伝えればいいのか 分からないまま時は流れて〜♪」と歌いはじめた、ひふみん大先輩。

加藤先生の生のお歌が聴けるなんて…！ 嬉しいです。素敵な歌詞ですよね。

聴いていると、青春時代を思い出しますね。曲が進むにつれ、だんだんと時が過ぎていくんですよ。もう1回歌いますね！

2回目の『ラブストーリーは突然に』。なかでも「あの日あの時あの場所で〜♪」というサビの歌詞が一番のお気に入りだとか。（まさか、ひふみんさんに生歌を披露していただけるとは思わず、ちょっと感動…！）

リサイタルのようになってしまいましたね（笑）。突然ですが、香川先生はひと目惚れってあると思いますか？

ひと目惚れですか…？すれ違っただけでピンとくる恋に憧れはありますね。でも、決断力がないと恋愛に発展しなさそうです。私は将棋も恋愛も決断がにぶくて…（汗）。

きっとこれからひと目惚れをするような時が訪れますよ。焦らずに、じっくりと目を見開いて。“ひふみんアイ（※1）”を念頭に置いてください。

※1　対局中に相手棋士の側に回って、相手の目線で盤面を見ること。加藤一二三九段が考案したといわれている。相手に威圧感を与えると有名。

恋愛でも“ひふみんアイ”、参考にします！

（香川愛生女流三段）

何だか恋愛相談みたいになってしまいました。素敵な恋ができるように頑張ります。

さらなる興味！これから挑戦したい事と、将棋への想い

—最後にお2人が今後挑戦してみたいことを教えてください。

「声優」に挑戦してみたいですね。

声優さんですか！

青島広志さん（※2）に「加藤先生の声はテノール。音程も良い！」と、声を褒められたんです。大学で音楽学科を受験したら、一発で合格するって。

※2 「火の鳥」（原作：手塚治虫）、合唱曲「マザーグースの歌」、ミュージカル「11ぴきのネコ」など、200曲以上の作曲を手掛ける。ピアニスト・指揮者としても活躍するマルチアーティスト

昨日も将棋の解説で3時間くらい話し続けたのですが、それでも声は枯れません。喉が強いんですよ。だから声優も向いているのでは？と思いますね。

具体的にはどんな役をやってみたいなど、イメージをお持ちなんですか？

実はですね。すでに声優デビューをしているんです。『レイトン ミステリー探偵社』（フジテレビ）というアニメ番組で“巨大コンピューター役”に挑戦しました。

コンピューター役！

※3 今年の3月に福岡国際センターにて開催された『福岡アジアコレクション2018 SPRING／SUMMER（FACo）』に出演。

モデルさんが腰に手を置いてポーズをされていて。私も、いろんな所で真似しているんですよ。

プロ10年目、将棋界に恩返しを

（香川愛生女流三段）

それもチェックしないと…。加藤先生は、将棋界を超えてテレビやイベントに引っ張りだこですもんね。マルチな才能は本当にすごい！

いえいえ。香川先生は、これからどんな挑戦をしていきたいですか？

私は、将棋をもっと多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。今年はプロになって10年目を迎える節目の年でもあるので、将棋界に少しずつ恩返しできたらいいなって思っています。

先日テレビでフィギュアスケートの織田信成さんと共演して、お子様に将棋を教えたいとおっしゃっていたんです。

それは嬉しいですね。 何とお答えされたんですか？

「将棋をする子供はみんなしっかりと座っています。座っているだけでも大変なのにえらい。集中力も高まるのでおすすめですよ」とアドバイスしました。

そうですね。私はやんちゃで活発な子どもだったのですが、将棋のおかげで静かに座る習慣が身につきましたから。

その習慣が幼い頃から身についていると、必ずに将来役に立ちます。将棋は大切なことをたくさん教えてくれるんです。香川先生、今日は私ばかり喋りすぎちゃったかな…？

そんなことありません（笑）。貴重なお話を聞けて本当に嬉しかったです。楽しいお話をありがとうございました。

—対談後は、アマノフーズの「クリームシチュー（※秋冬の期間限定商品）」でほっと一息♪

『うん、実においしいです。1人前では足りないくらい。もっと食べたいですね！』（by加藤九段）
『お湯を注いで作れるのは手軽で便利ですね。対局中でもサッといただけるので嬉しいです♪』（香川女流三段）

お2人とも、おいしそうにペロリと召し上がってくれました。本日は素敵なお話と、素敵なお歌をありがとうございました～！

【Information】

加藤九段が歩んできた道のりが、伝説の棋士たちとの交戦録を交え描かれている著書『鬼才伝説』。最後にレジェンドと呼ばれるゆえんがわかる一冊。サインをお願いしたところ「勇気」と書いていただきました！「アマノ食堂」スタッフ一同、熟読させていただきます！