読み物 2018.09.11
【第7回】家族の食事制限。
アマノ食堂をご覧の皆さま、こんにちは。
劔樹人と申します。
日頃はバンド活動とマンガの執筆をしながら、主夫活動に勤しんでいます。
前回、わが家のこの夏はとにかくオクラだ、という話を書いたのですが、あの直後に犬山からあっさり「もう飽きた」と言われまして、今はもうすっかり私しかオクラを食べていません。なにが「おいしいしあんまり飽きない」だよ!
逆に私はオクラ健康法に心酔してオクラ水(ヘタを落としたオクラを数時間浸けておいた水を飲むというもの)もやっていたんですが、オクラが浸かっている水が冷蔵庫に入っているのを見た犬山に「気持ち悪い」と一笑されまして、冷静に考えるとヌルヌルした青臭い水を飲むのは確かに気持ち悪いよなと納得してしまいました。
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さて、最近わが家では犬山がジムに通い始めたのですが、行ってみたら急に筋トレとダイエットに目覚めてしまったようで、「筋肉は裏切らない」系の啓発本まで読み出す有様で流石に驚いています。
出産のとき「無痛出産でなかったら嫌だ」と言っていた彼女は、出産どころか足がつるのも我慢出来ないくらい極端に苦しいことやストレスを感じることが苦手な人で、絶対運動なんてできないだろうと思っていたんですよ。
何年か前、一緒にジムに行こうとなったときは、体験に1度行っただけで辞めてしまったのも記憶に新しいので(ちなみに私はその後しばらく通い続けて、子どもが産まれて行かなくなった)。
それが今回は、ジムにお金を先払いしているせいかすごく頑張っていまして、そうなったら今度は「筋トレは楽しいよ」なんて私にも積極的に進めてくるわけです。
その変化にびっくりしましたが、私自身も痩せたいし体も鍛えたいのはやまやまだったので、一緒に食事制限をするようになりました。ジムには行っていませんが自宅での筋トレも始めました。
とにかくタンパク質と野菜中心の食生活になっているので、鶏肉を使ってサラダチキンを自作することにしました。最近コンビニやスーパーでもよく売っていますが、サラダチキンは炊飯器とジップロックがあればものすごく簡単に出来るのです。
鶏むね肉をジップロックに入れて、酒や塩コショウ、ニンニクなどを混ぜ、熱湯を張った炊飯器で1時間ほど保温にしておくだけ。
たったこれだけで驚くほどしっとりしたおいしいサラダチキンになります。
味の濃いキムチなんかをちょっと添えるといい感じです。
サラダチキン自体は非常にシンプルではありますが、ジップロックに足すものをカレー粉や辣油、塩麹など変えることで自由に味付けできます。分量は適当に入れてもそれなりになるので本当に簡単です。
犬山は今は喜んで食べてくれていますが…この人の場合こればっかりになるとすぐ飽きる予感だけはどうしても拭い去れません!
まあでも今回の食事制限、朝は一応好きなものを食べてもいいルールなのです。その代わり夕方からは主に野菜とタンパク質しか食べないという。あれだけ炭水化物の好きだった我々夫婦が、すっかりパンもご飯も口にしない生活になりました。
こういう食事のコントロールは、家族で一緒に取り組むと非常にやりやすいんですね。多分犬山も、私が夜もりもりチャーハンとかを食べていたら、じきに我慢できなくなるのではないかと思います。だからしつこく一緒にやろうと誘われたのかもしれませんが。
なんだかんだ言っても、まだやりはじめて1週間。体重などに変化は未だ現れてはいません。腹筋ローラーによってズタズタになった筋繊維に鶏肉のたんぱく質が染み渡ります。
娘には鶏肉を細かく刻んでご飯に混ぜてあげました。
感想は、「パッパ!」とのことです。
(相変わらず父親も母親もその他のものも「パパ!」、もしくは「ワンワン!」です)
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まさかあんなに愛した炭水化物とこんな形で別れる日がくるとは……。
って危ない危ない。今口を開けば筋トレの話ばかりしてしまいます。男だったらタンクトップでウロウロするタイプだったのでしょう。今となってはタンクトップの男性も「ほう……美しい筋肉、存分に自慢したまえ」と変なモードになってしまいます。
しかしつるちゃん、ちょっと盛ってます。「すっかりパンもご飯も口にしない生活になりました」って、食べてる食べてる。朝食でしっかり食べてますよ! 何かの栄養素全部抜いたりするのはよくないので。でも市販のサラダチキンに飽きてきた私は、つるちゃんの作るサラダチキンに救われています。
ってもう筋トレ成功したかのような書きぶりですが、私もまだ始めたばかりだったりします。いやあ、しかし筋肉痛が愛おしくなるとは……。
劔樹人(漫画家・ミュージシャン)
[PROFILE]
男の墓場プロ所属。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト。著書に「あの頃。〜男子かしまし物語〜」(イースト・プレス)、「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻の方が稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)。「小説推理」、「みんなのごはん」、「MEETIA」などで連載中。
犬山紙子(イラストエッセイスト)
[PROFILE]
大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。2017年1月に女児を出産。近著にさまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)
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