対談 2020.04.17
森島土紀子さん×仁田ときこさん|【第1回】季節の変わり目も元気に過ごす!おすすめの生姜レシピも!
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- 仁田ときこ
- 編集ライター。衣食住をテーマにさまざまな雑誌・Webメディア・広告等で幅広く執筆。自身の体験や知識を元に書くコラムも人気。共著に『食事で願いを叶える湯島食堂のご飯とおかず 心と体と魂を癒すレシピ』(ブルーロータスパブリッシング)、『冷え冷えさんのためのぽかぽかお洒落スタイル』(宝島社)がある。
アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしい話”をお届けする「今週のお客さん」。今回の対談テーマは『心身ともに元気になる温活のススメ』です。
春は心身ともに変化が生じやすい季節。朝晩の寒暖差が激しかったり、新年度で環境が変わったりすることで、体調や心のバランスを崩す人も多いのではないでしょうか。揺らぎやすい季節を元気に過ごすには、生活習慣を整えるのが一番! というわけで今回は、体を温める「温活」を中心に、季節の変わり目を元気に過ごすコツについて対談いただきました。
ゲストは人気生姜料理店のオーナーの森島土紀子さんと、ライフスタイルに関わるメディア、雑誌で活躍されている編集ライターの仁田ときこさんです。偶然にもダブルときこさんによる対談です!前後編の2回に渡ってお届けします。
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—— まずは、お2人が現在のお仕事を始めたきっかけについて教えてください。
大好きな「生姜」でお店を開きたかった
(森島土紀子さん)
最初はフラワーアレンジメントをしていた友人と2人で「仕事着屋しょうが」という雑貨屋さんをやっていました。私が作ったエプロンとか陶芸、小物を置いて、友人がお花のアレンジメントを教えるというお店です。生活のためというよりは「自分たちが楽しいからやる」みたいな感じでした。
最初から飲食店に関わっていたわけではなかったんですね! それまでは何をされていたんですか?
それまでは専業主婦です。家の中で子どもたちに絵を教えたり、子ども造形教室を開いたりしていました。
わぁ、素敵ですね! 雑貨屋さんから生姜専門店を開こうと思ったのはどうしてですか?
雑貨屋時代、お店の周りにスーパーや商業施設がどんどん建って、お客さんが来なくなっちゃったんです。経営が難しくなってきたのですが、「2人で始めたから潰したくないね」って。それでどうしようか考えていた時に、2人とも料理が得意だったので「飲食店を開こうか!」ということになったんですよ。
そんな経緯があったんですね。生姜料理専門店にしたのは、健康に良いからですか?
せっかくだから、「どこもやっていないお店を作ろうよ」と、友人に相談しました。当時は、「にんにく」の専門店をよく見かけました。そこで注目したのが「生姜」だったんです。我が家で、日頃から生姜を使った料理をたくさん作っていることを思い出して、生姜料理屋を始めることにしました。
そんなに生姜がお好きだったのですか?
子どもの頃から生姜が大好きで、お寿司屋さんに行くとガリばかり食べるような子どもでした(笑)
そんなに! 雑貨屋さんの名前も「しょうが」でしたもんね。
そうそう。大好きなのもあるけど、「生活の大事な隠し味」という意味を込めて「仕事着屋しょうが」という名前にしていたんです。
森島さんの過去はずっと今に繋がっているんですね! 内装もご自身で設計されたんですか?
そうなんです。この照明は、私が作ったんですけど、生姜をイメージしています。お皿もほとんど手作りです。
雑貨屋さんをされていたこともあって、さすがですね! オープンして何年になるんですか?
29年やってきました。仁田さんは、今のお仕事をずっとされているんですか?
私は今、暮らしや健康の企画で編集ライターとして関わることが多いんですけど、元々はファッションライターだったんです。
今は、雑誌を作る側としてだけでなく、ご自身の暮らしや健康にまつわるお話も紹介されていますよね?
そうなんです。ありがたいことに、最近は取材される側になることも増えましたね。
健康や暮らしに興味を持つきっかけになったことがあるんですか?
出産で冷え性に悩み、「温活」に興味を持つように
(仁田ときこさん)
きっかけは出産だと思います。学生時代から冷えとりっぽいことはしていたものの冷えには悩んでいて、生理時は体調がすぐれないことも多くて。出産時に出血が多くて、冷え性が加速したように思います。
あら、そうだったんですね。それは何年前くらいのことですか?
13年前くらいですね。それからいろいろ勉強して、特に「体を温める」ことの大事さを知ったんです。体を温めると頭痛もないし、肩こりも改善するということで実践しました。すると、それを取材してもらったりするようになって、暮らしの記事を執筆したり、自分でも雑誌で特集を組むようになりました。私も生姜は毎日食べていますよ!
わぁすごい。自身の興味がお仕事に繋がっているんですね! 今は神奈川県の葉山に住まれているんですよね? 私、葉山が大好きなんです。お店を出そうかと思っていたほどで。自然豊かな環境だと、より体と心に良い暮らしができそうですよね。
そうなんですね! 葉山、いいところですよ〜!
仁田さんの今のお仕事は、健康な習慣が暮らしに根付いているんですね。
そうですね! 子育ても男の子2人で執筆に終われる中、大変な時期もあって。でも葉山に引っ越してきて、自然に囲まれて暮らすようになったら、心の余裕ができて体調もよくなりました。
素敵な環境ですね! 「温活」は葉山に住む前から意識されていたんですよね?
はい。でも葉山に来ると、周りのみんながナチュラルな暮らしをしている人ばかりで、みんな体に良いものを生活に自然に取り入れているので、周りの方に教えてもらいながら自分の生活でもマネしています。
影響を受けた方とかいらっしゃるんですか?
特に影響を受けたのは、中医薬膳栄養師の藤井愛さんです。ご近所に住んでいて、薬膳や漢方を教えてくれる友人なのですが、色々な漢方を教えてもらいました。食材についても、「これが体を温めるよ、冷やすよ」というのを教えてもらったりして。
そうだったのですね。特におすすめの食材はありますか?
今日持ってきたんですけど、「白キクラゲ」がおすすめです。白キクラゲは健康や美容に役立つということで、カレーに入れたり炒め物にしたりと意識的に使っています。
白キクラゲは体に良いんですね。知らずに使っていました(笑)
森島さんは「白キクラゲ」でどんなお料理を作られますか?
色々あるんですけど、今日はお客さんからもらった「文旦」があるから、よかったらこれで1品作りますよ!
えー嬉しい! 楽しみです!
―白キクラゲを使って早速森島さんが1品作ってくれました!
「ホタルイカと白キクラゲの酢の物」
わ〜! 見た目も彩りよくて素敵ですね! これは何で味付けされているんですか?
バルサミコ酢としょう油、はちみつ、生姜を混ぜたドレッシングで和えています。
さっぱりしていて、すごくおいしいです。白キクラゲ、炒め物に使うことが多かったのでこのアイデアはマネしたいです!
—— 生姜料理屋を営み、自身も大の生姜好きの森島さんと、体を温めるために毎日生姜を食べている仁田さん。まさに生姜が繋いでくれたご縁!?ということで、ここで森島さんにおすすめの生姜料理を振舞っていただきました。
「生姜料理しょうが」の人気メニュー「生姜シウマイ」
おいしそう〜! 生姜の“ツノ”が可愛いですね。
これは「生姜料理 しょうが」で出しているメニューの1つですが、とっても人気なんですよ。実は器も私の手作りです。
器も! 素敵な器だなと思っていました。このシュウマイは、中にも生姜が入っているんですか?
生姜のすりおろしや、みじん切りを入れています。あとは玉ねぎと豚ひき肉のみ。コクと旨味を出すために生姜を入れているので、生姜の辛みは強く感じないはず。子どもたちもおいしく食べられますよ!
いただきます! 生姜の風味が優しく香って、とってもおいしいです!“ツノ”に使っている生姜、よく見る生姜より長いですよね?
あれれ、そうですか? 私にとってはこのサイズが普通でした(笑)
(かごに入った生姜を見て)いや、大きいと思います(笑)! 普段スーパーでみる生姜と全然違う…!
これは高知の生姜なんですけど、年間2トン送ってもらっています。
2トン!? すごい量ですね。高知の生姜は他と違うんですか?
高知の生姜は色が濃くて、辛みが強めかな。赤土で作っているから色もちょっと濃いというか。
産地によって味は変わりますか?
基本的に産地でそんなに味は変わらないと私は思っているんですけど、代表的なところで言うと、長崎の生姜は色が白くて辛みが少ない、千葉の生姜は小粒で辛いといった特徴がありますね。
黒板にびっしり書かれた「生姜料理 しょうが」のランチメニュー。
お店のメニュー、すごく種類豊富ですね! 毎日大変ではないですか?
むしろ楽しいですよ。それに、前の日に余った食材を使って色んな組み合わせができるから、無駄なく使っています。
森島さん、本当に料理がお好きなんですね。30年間メニューを考えて来られたと思うんですけど、メニューと決める際に気を付けていることはありますか?
ネーミングはやっぱり大事ですよね。うちのランチは毎日10種類くらいあるんですけど、お客様においしそう! と思ってもらえるように意識して付けるようにしています。どの料理にも必ず生姜が入っているので、生姜かジンジャーという名前はメニューにほぼ入っていますよ。
—— 次々と繰り出される、森島さんの生姜料理。健康のためにも、生姜を毎日取り入れる生活は理想的ですよね。お2人は毎日生姜を食べるということですが、おすすめの取り入れ方はありますか?
おかずだけでなくスイーツにも生姜を使う!
(森島登紀子さん)
生姜は「入れるとおいしくなる」と思っているので、何に入
れても大丈夫です! 私も毎日朝晩必ず食べていますよ!
何でもOKとは、さすが“生姜の女神”です……!
本当に合わないものはないんですよ。スイーツでも。
スイーツにも! どうやって使うんですか?
簡単なところだと、「生姜シロップ」を作っておくんです。ザラメとお水と生姜だけでできます。それをお菓子に作ったり、プリンのソースとしてかけたりと、何にでも使います。ほのかに生姜の香りとコクも出ますよ!
新しい発見です!
あとは、生姜をいっぱい買ったときは、ぜひオイルに漬けてほしいですね。にんにくと生姜をみじん切りにしてオイルにつけておくだけです。
なるほど! 色々な料理に使えそうですね。森島さんのおすすめの食べ方ありますか?
オイルはごま油、オリーブオイル、ココナッツオイルと何でも大丈夫。このオリーブオイルの瓶には生姜とにんにくが入っています。これを使ってペペロンチーノができるし、お酢やしょう油などの調味料を入れて、ドレッシングにもなります。焼いたバゲットに付けるのもおいしいです!
おみそ汁に入れたり、お風呂に入れることも
(仁田ときこさん)
おいしそう〜! 絶対マネしたいです! 私はみそ汁に毎朝入れています。生姜を刻んで入れるだけですごくおいしくなるし、朝下がっている体温を上げてくれるしで一石二鳥です。あとは、生姜をスライスして、一度蒸してから乾燥させるといいんですよ! 紅茶に入れたりするとぽかぽかします。
乾燥させて使うとより体を温めてくれるって言いますよね!
そうなんです。お風呂に入れたりすることもあります。
本当に万能ですよね♪
喉がイガイガする時は、はちみつとすりおろした生姜を混ぜたものを飲み物に混ぜたりしています。そういえば、お店には常温で生姜置いてありますが、生姜って冷蔵庫で保存しても良いですか?
生姜はね、冷蔵庫に入れない方がいいんですよ!
そうだったんですか!? 野菜だからと思ってつい入れていました……。
おすすめは、濡れたキッチンペーパーや新聞紙で包んで常温保存。ビニールに入れて、風通しの良いところに置いておくと長期間持ちますよ。
なるほど。今日家に帰ったらその方法で保存します!
(後編へ続く)
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同じお名前というだけでなく「生姜を毎日食べる」という共通点が発覚したお2人。生姜を簡単に食事に取り入れる方法や保存方法など、とても参考になりましたね。後編もお楽しみに!
撮影/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)
取材・執筆/大西マリコ
【撮影協力】
生姜料理しょうが
■住所
神奈川県川崎市麻生区上麻生1-6-3 新百合ヶ丘マプレ 2F
■電話番号
050-5597-7851
■営業時間
ランチタイム11:30~14:00L.O
ディナータイム18:00~23:00(フードL.O 22:00、ドリンクL.O22:30)
※新型コロナウイルスの影響で、現在はランチタイムのみ営業中。
※お弁当のテイクアウト販売も実施中(予約は17時まで)。
■定休日
火・水曜日
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