レシピ 2020.06.25
頑張らなくてOK! 管理栄養士に聞く「買い物のコツ」と「使い回しレシピ」
最近では普段自炊をしていない人も、おうち時間を活用して料理に挑戦しているケースが増えていますよね。
そんな中、 「つい食材を買いすぎてしまう」、「1パターンな味に飽きてしまう」など、毎日の料理に悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか?
できれば、少ない買い物で効率よく献立を考えたいですよね!
そこで今回は自炊初心者でも簡単にマスターできる「賢い買い物術」と「食材使い回しレシピ」をご紹介します。
教えてくれるのは管理栄養士の若子みな美さん。買っておくと便利な常備食材や旬食材の選び方など、ぜひ参考にしてくださいね!
頑張らなくてOK!簡単ルールでバランスの良い献立を作るコツ
―栄養バランスにも配慮した、簡単な献立の考え方を教えてください。
献立には「こうしなきゃいけない」 という決まったルールはありません。主菜、副菜、汁物・・と1品1品考えるのは大変ですからね。
まずは、食べたいものをベースに考える方法を試してみてください。
たとえば、メインとなる1品を決めて、野菜が足りなければ副菜や主菜で補うなど全体のバランスを考えて調整します。
それぞれのメニューで考えておきたいポイントはこちらです。
―主菜・副菜・汁物の3つを用意するのが大変なときは、1品でもバランス良く作ることができますか?
もちろんです。1品の場合はその料理に足りないものだけ補ってあげましょう。
たとえば、「カルボナーラ」にはアスパラガス、ブロッコリーを足してみたり、「チャーハン」にはレタスを加えて炒めるなど。特に麺類や丼ものなどの一品料理は、ビタミンCや葉酸など野菜に多く含まれる栄養素が足りないこともあるので冷蔵庫にある野菜をプラスすると良いですよ。冷凍野菜も便利ですよ。
また、料理に入れるのが難しい場合は、ミニトマトやカット野菜を添えるだけでもOK。毎日作る料理は、ちょっとの工夫で栄養も意識することができるんですよ!
効率よく買い物したい! 「買い物のコツ」と便利な「常備野菜」
―つい買いすぎて食材を余らせるなど、買い物で悩む方も多いですよね。少ない回数で効率の良く買うコツを教えてください。
自宅にあるものを把握して、食べたいものをベースに買いましょう。その時も、「使い切れるか」を意識しながら買うことで無駄な出費が抑えられます。
1.冷蔵庫の中を確認
2.日持ちがする野菜を買う
3.安売り商品に注意!必要以上に買いすぎない
4.お肉や魚など使わない分は冷凍する
5.葉野菜など旬の野菜は使い切れる分を買う
■若子さんおすすめ! 買っておくと便利な食材
日持ちする常備食材と旬の生野菜をバランスよく購入することが大切です!
食材の選び方を工夫するだけで効率よく買い物できます。
1.常備野菜(じゃがいも、にんじん、玉ねぎなど)
…通年スーパーで売られている日持ちのする野菜がおすすめ。じゃがいも、にんじんに比べると日持ちしないですが、キャベツも便利です。炒め物や生でサラダとしても食べられますよ。
2.旬の野菜や葉野菜(レタス、ミニトマト、なす、きゅうりなど)
…常備野菜だけでなく、日持ちしにくい旬の野菜や葉野菜もバランスよく取り入れましょう。レタスやミニトマトは包丁や火を使わずに調理しやすく、なすやきゅうりの夏野菜は、浅漬けなど簡単な1品ものに活用できます。
・薬味
…特に夏は大葉が万能。湿らせたキッチンペーパーに包んで入れておけば長持ちします。トッピングだけでなく、卵焼きや春巻きに入れると爽やかな味のアクセントにも。
3.常備食材(缶詰、乾物、レトルト食品など)
比較的保存期間が長い、乾物や缶詰などを常備しておくと便利!
・ツナ缶
…どんな料理にも使えて、くせが少ないのでお子さんでも好き嫌いなく食べられます。卵焼きやサラダ、サンドイッチの具材など万能に使える食材です。
・桜エビ
…ピンク色の桜エビは風味も豊かで、ジャンル問わず使える食材。麺料理のトッピングやサラダ、みそ汁などに入れても。彩りも添えてくれるので、常備しておくと重宝します。
・切干大根
…煮物に使うことが多いですが、マヨネーズと和えてサラダにも。煮物にした後もオムレツに入れるなどアレンジしやすいのも嬉しいポイントです。
3.調味料
基本的な調味料を常備しておけば、あらゆる料理に活用できます。
<基本調味料>
砂糖、塩、しょう油、みそ、みりん、サラダ油(オリーブオイルやごま油でもOK)、マヨネーズ、ケチャップ、だし
<あると便利な調味料>
酒、めんつゆ、黒コショウ
プラスαでアレンジに使える調味料を買っておくと、ワンパターンな味付けから脱却できます。
・オイスターソース
…しょう油やみりんの味付けに飽きたら、中華風の味付けで活躍してくれるオイスターソースがおすすめ。 若子さんがよく使うのは、「オイスターソース×マヨネーズ」。ガツンとこってり味になるので、お子さんや男性にも喜ばれるはず!
・ポン酢
…さっぱりとしたポン酢はしょう油の代わりに使えます。炒め物に入れるとさっぱり風味に。ごま油と混ぜればドレッシングにも。1本が使いきれない人も多いのでまずは小瓶タイプで試してみて。
いざ実践!常備食材×夏の旬食材の使い回しレシピ
ここまでご紹介したポイントを踏まえて、実際に購入したこちらの食材でバリエーション豊かな3品を作ってみましょう!
<購入した食材>
1.常備野菜…じゃがいも、玉ねぎ
2.常備食材…ウインナー、卵、ツナ缶
3.旬の食材…ゴーヤ、大葉
■1品目「じゃがいもとゴーヤのカレー炒め」
ゴーヤの苦味が効いた炒め物。じゃがいもは千切りにすることでシャキっと食感を楽しめます。ゴーヤのグリーンも鮮やかで見た目もバッチリ。カレー味にすることで、お子さんでも食べやすい味付けになります。
【材料(2人分)】
・ゴーヤ…1/2本
・じゃがいも…1個
・ウインナー…3本
・油…大さじ1
<調味料>
・オイスターソース…大さじ1/2
・みりん…大さじ1/2
・カレー粉…小さじ1/2
【作り方】
1.ゴーヤは縦半分に切ってワタを取り除き、3〜4mm幅に切る。じゃがいもは皮をむいて太めの千切りにしサッと水にさらして水気を切る。ウインナーは斜め薄切りにする。
2.フライパンに油を入れて熱し、じゃがいもを入れて炒め、表面が透き通ってきたら、ゴーヤとウインナーを入れて炒める。
3.<調味料>を加えてサッと炒め合わせ器に盛れば完成。
■2品目「即席ツナたま丼」
お肉がなくてもOK! ツナ缶で親子丼風の1品に仕上げました。
ふわふわの卵とツナの食感が相性抜群。夏に安く買える大葉をトッピングして、爽やかな風味をプラスします。味付けはめんつゆだけでお手軽です。
【材料(2人分)】
・ごはん…茶碗2杯分
・玉ねぎ…1/3個
・大葉…2枚
・ツナ缶…1缶
・卵…2個
<調味料>
・めんつゆ…大さじ1
・水…大さじ2
【作り方】
1.玉ねぎは薄切りにし、大葉は千切りにする。卵はときほぐしておく。
2.フライパンに油を熱し、玉ねぎを加えて炒める。
3.玉ねぎを炒めた2にツナ缶をオイルごと入れ、<調味料>を加えて煮立たせ、溶き卵を加えて大きく混ぜ合わせながら10秒ほど加熱し、火を止める。
4.器にご飯を盛り、3をのせて大葉を飾れば完成。
■3品目「コーンの甘みたっぷり夏のポテトサラダ」
最後は、ポテトサラダをちょっとアレンジ。ゴーヤを使った夏のポテトサラダに仕上げました。今回はマヨネーズを使わず、アマノフーズの「THE うまみ コーンスープ」で味付け! 少量のお湯で溶かせば調味料としても使えます。
【材料(2人分)】
じゃがいも…1個
ゴーヤ…1/4本
玉ねぎ…1/6個
ツナ…1缶
アマノフーズ THEうまみコーンスープ…1個
お湯…大さじ2
【作り方】
1.じゃがいもは皮をむき一口大に切る。ゴーヤは種を取り除き薄切りにし、塩もみをしてから水気を絞る。玉ねぎは薄切りにしてさっと水にさらして水気を切り、キッチンペーパーを包み、水気を絞る。
2.耐熱ボウルにじゃがいもを入れてラップをし、電子レンジ(600W)で3分加熱する。加熱後は好みの大きさに潰す。
※じゃがいものレンジ加熱時間は適宜調整してください。
3.「THE うまみ コーンスープ」にお湯を加えて混ぜる。
4.じゃがいもに3とツナを入れて混ぜ、ゴーヤと玉ねぎを加えてざっくりと和えれば完成。
同じ食材でも調理法や調味料を変えるだけでバリエーションが豊かになります。
野菜は「乱切り」や「千切り」など切り方を変えるだけで食感に変化が!
お肉の場合、「ひと口大」に切るだけでなく、包丁でたたけば「ミンチ」として使用することでハンバーグにも使えます。
また、いつも使っている調味料を別のものに変えてみるのも◎。
味変に使える調味料なども活用して上手に食材を使いまわしましょう!
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献立の考え方と買い物のコツ、いかがでしたか?
ルールに縛られず、食べたいものをベースに献立を考え、上手に買い物しましょう。味変に使える調味料も取り入れて、「今日はこんな味付けにしてみようかな」と工夫して毎日の料理を楽しんでくださいね!
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教えてくれた人
管理栄養士・減塩料理家
若子みな美さん
病院や学校で管理栄養士として従事する中で減塩の重要性を感じ、幅広い人に向けて減塩を勧めるため独立。「食をより簡単に、そして世界を健康に」をモットーとし、減塩レシピ開発やコラム執筆・監修、セミナー運営等、幅広く活動中。また、大学院にて公衆衛生を専攻し、減塩社会の実現に向けて研究している。 https://orangekitchen.info/
病院や学校で管理栄養士として従事する中で減塩の重要性を感じ、幅広い人に向けて減塩を勧めるため独立。「食をより簡単に、そして世界を健康に」をモットーとし、減塩レシピ開発やコラム執筆・監修、セミナー運営等、幅広く活動中。また、大学院にて公衆衛生を専攻し、減塩社会の実現に向けて研究している。 https://orangekitchen.info/
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