レシピ 2021.01.25
食材をシンプルに味わう。 爽やかな香り広がる「柚子と長ねぎのパスタ」
「柚子」の香りを楽しむ料理といえば、鍋や雑煮などがありますが、ちょっと違ったレシピにアレンジしてみるのはいかがですか?
「柚子」は皮だけ使うことも多く、実は余りがち。そこで、今回は料理家のスズキエミさんに柚子をたっぷり使った風味豊かな和風パスタのレシピを教えてもらいました。
旬の食材同士の組み合わせは間違いなし!
スズキ家の定番ランチはパスタ!
「食卓で季節をいただく」をテーマに、旬の食材をおいしく楽しむ料理教室『暦ごはんの会』を主宰している料理家・スズキエミさん。あまり手を加えず食材のおいしさを引き出す料理は、見た目も美しく心もほっと癒されます。
スズキさん:「料理はレシピ通りに作ることも大切ですが、空気感も重要。ガチガチにルールを守るのではなく、手を加えるところは丁寧に、でも手を抜くところは上手に抜いて楽しんで欲しいです」
スズキさんは教室の生徒さんにも“料理を取り巻く雰囲気”の大切さを伝えているのだそう。そんなスズキさん、普段のランチは簡単に作れるパスタを作ることが多いんだとか。
スズキさん:「余った食材を組み合わせて、簡単に作るものばかりですけどね(笑)。私はシンプルなパスタが好きなのですが、子どもたちにも調味料を最小限にして素材の風味を感じられる料理も楽しんで欲しいです」
旬の食材の味わいを活かした、和パスタをたっぷり紹介したレシピ本『四季を味わう にっぽんのパスタ』(立東舎)まで出されているスズキさん。
今回は、旬の食材「柚子」と「長ねぎ」を使った、和風パスタのレシピをご紹介いただきました。
冬のおいしさを味わう。柚子と長ねぎのパスタ
「柚子と長ねぎのパスタ」のレシピ
(料理監修 / スズキエミ)
- 材料(2人分)
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・パスタ…2束 (200g)
・長ねぎ…1本
・柚子…1個 ※レモン1/4個またはかぼす1個でも代用可能
・アンチョビ…2切
・しょうが…1/2片
・にんにく…1片
・オリーブオイル…大さじ2
・しょう油…大さじ1/2
・パルメザンチーズ…適量
20分
作り方
鍋にたっぷりのお湯をわかし、1Lに対し10gの塩(分量外)を加えパスタを茹でます。歯ごたえが残るアルデンテに茹でるとおいしく仕上がります。
POINT
塩はパスタに塩味をプラスするためにも、1%の量を目安にしっかり計量して入れましょう。パスタの茹で汁は、最後に具材とパスタを合わせる際に使用するので捨てずに取っておきます。
長ねぎの白い部分は1cmの斜め切り、緑の部分は細めの薄切りにします。柚子は1/2個分だけ皮をむいて千切りに。にんにくは芽を取り除いて包丁の背で潰し、しょうがはよく洗って皮付きのまま輪切りにします。
鍋にオリーブオイル、2のにんにく、しょうが、アンチョビを入れ弱火にかけます。香りが出たら、長ねぎの白い部分を入れ、ふたをして3分蒸し煮にします。
POINT
にんにく、しょうが、アンチョビは焦げないよう、弱火でゆっくり火を通していきましょう。
3に茹で汁お玉2杯と茹で上がったパスタ、長ねぎの青い部分、柚子の果汁(1個分)を加えひと煮立ちさせます。最後にしょう油を加えて全体を絡めたら皿に盛り、柚子の皮を散らしてパルメザンチーズをすりおろしたら完成。
調味料は、茹でる時に加えた塩と、香り付けのしょう油のみ。アンチョビとパルメザンチーズのコクと塩気が、柚子と長ねぎの香りを引き立てます。
柚子と長ねぎのパスタに添えたのは、同じく冬の旬の食材「大根」が入った「まごころ一杯 定番こまつ菜と大根」。和風の味わいなのでみそ汁との相性も抜群。おうちランチや辛口の白ワインと合わせてちょっとおしゃれなディナーにもおすすめです。
スズキさん:「旬の食材同士は相性が良く、どれを組み合わせても喧嘩することなくマッチします。そして、なんといっても今回のポイントはパスタの茹で汁。茹で汁には、溶け出した小麦粉の成分と塩が含まれているので、これだけで出汁代わりになるんです。パスタと食材のつなぎ役として重要な役割を果たしてくれ、他の調味料を入れなくてもおいしく仕上がりますよ」
柚子の爽やかな香りとじっくり炒めたねぎの甘さで優しい味わいに。和食の薬味としてのイメージが強い柚子ですが、イタリアのパスタとこれだけ相性がよいとは驚きでした。
パスタをおいしく仕上げる「茹で汁」も上手く使いながら、おうちパスタのクオリティをアップさせてみてはいかがでしょうか?
写真/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)
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教えてくれた人
料理家
スズキエミさん
宮城県出身。レストランやカフェでの勤務を経て、料理家として独立。旬の素材と季節感を大切にした「暦ごはん」がインスタグラムで話題。料理教室「暦ごはんの会」も主宰している。書籍は『季節の保存食とレシピ』(家の光協会)、『スズキエミさんのいただく野菜』(主婦の友社)など。
Instagram宮城県出身。レストランやカフェでの勤務を経て、料理家として独立。旬の素材と季節感を大切にした「暦ごはん」がインスタグラムで話題。料理教室「暦ごはんの会」も主宰している。書籍は『季節の保存食とレシピ』(家の光協会)、『スズキエミさんのいただく野菜』(主婦の友社)など。
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