レシピ 2021.11.24
メインにもおつまみにも。しゃきしゃき食感と豚バラのコクがおいしい「レタスと豚の小鍋仕立て」
冬の味覚でもある「レタス」。サラダに使われることが多いですが、寒い日は温かいメニューでいただくのもおすすめなんですよ。今回、料理家の濱守球維さんが教えてくれるのは、レタスがたっぷり食べられる鍋仕立てのレシピ。豚肉をよりジューシーに味わうためのアイデアも光ります!
料理教室では「なぜこうするのか」をロジカルに伝える
「もっと楽しく、もっと美味しいごはん」をテーマに、ケータリングや出張料理「たまごはん©︎」を主宰する濱守球維さん。旬の野菜を中心に滋味深いおかずがたっぷり楽しめる濱守さんの料理は、雑誌やドラマの撮影現場でのお弁当としても大人気。
2019年からは本格的に料理教室もスタート。月1~2回をペースに開催し、20代から60代以上まで幅広い世代が参加しているそう。
さまざまな人に料理を教えるうえで、濱守さんが大切にしているのはどんなことでしょうか。
濱守さん:「私が大切にしていることは『なぜこうするのか』をロジカルに伝えること。すべての工程にはどれもきちんと意味があります。だから『教室では一番面倒なやり方を教えるから、自分の家族構成と、料理にかけられる時間とを考えて、自分がやりやすいようにアレンジしてね』と生徒さんには伝えています」
季節ごとのテーマで行う料理教室。初心者からベテランまで幅広く学べる教室です。
実際に濱守さんに質問すると、打てば響くような速さで答えが返ってきて、そのどれもが明確でわかりやすい!
例えば、調味料を入れる順番。濱守さんは「調味料は一度に入れてもいい時と順番に入れた方がいい時がある」と言います。
濱守さん:「唐揚げを作る時、下ごしらえの段階で調味料を一度に全部入れて揉みこむ方が楽ですよね。だけどそうすると、仕上がりの味がぼんやりしちゃう。調味料の性質や、最初に感じたい味の調味料からひとつずつ入れて揉みこむことで、たくさん調味料を使わなくても味がきちんと重なるんです」
調味料を加える順番で、仕上がりが変わってくるんですね。でも、それを覚えるのってちょっと難しそう…。
濱守さん:「全部覚えようとしなくてもいいんです。聞いて『なるほど』と思えたところは記憶に残っていくだろうし、ご自身のやり方とマッチすればいいんじゃないかと思います。最終的には昨日より今日、おうちのごはんがおいしくなればOKですもんね。『おいしかったな』『また作りたいな』『食べたいな』って思う料理が作れれば、それでいいじゃないですか(笑)」
今回教えていただく「レタスと豚の小鍋仕立て」も、おいしく食べるための工夫が詰まった料理ですよ。
レタスがもりもり食べられる! ジューシーな豚バラとレタスがベストバランスな「レタスと豚の小鍋仕立て」
「レタスと豚の小鍋仕立て」のレシピ
(料理監修 / 濱守球維)
- 材料(2人分)
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・豚肩ロース(ブロック)…250g
・豚バラ薄切り肉(しゃぶしゃぶ用)…150g
・れんこん…100g
・レタス…お好みの量(今回は1/2個使用)
・にんにく…1かけ
・しょうが(すりおろして搾り汁を使用)…1かけ
・塩…小さじ1/2
・昆布…4㎝×2㎝ 1枚
・水…750ml
<調味料A>
・紹興酒…大さじ1
・しょう油…大さじ1
・オイスターソース…小さじ1
・塩…小さじ1/2
・砂糖…小さじ1/2
・コショウ…小さじ1/4
<調味料B>
・魚醤…大さじ1 ※「しょっつる」など日本のものがおすすめ
・塩…小さじ1.5
40分
作り方
豚肩ロースを細かく切り、粘りが出るまでたたきます。
POINT
塊肉を叩くことで肉本来のジューシーさと食べ応えがアップ。時間がなかったり、さらに手軽に作りたい場合は豚ひき肉でもOKです。
肉の塊が大きいと食べた時に崩れてしまうので、粘りが出るまで細かくたたきましょう。
ボウルに1を入れ、塩小さじ1/2を加えたらよく練ります。その後<調味料A>、すりおろしたしょうがの搾り汁を加えてさらに練ります。
POINT
・調味料を最初にすべて加えてしまうと、粘りが出にくくなってしまいます。先に塩を加えて練ることで肉の粘りが引き出されるため、食感がグッと良くなります。
・しょうがはすりおろしではなく搾り汁を使うことで、肉だねにしょうがの繊維が残ることなく口当たりが良くなります。
れんこんをすりおろして2に加え、さらに練ります。
POINT
すりおろしたれんこんは“つなぎ”の役割。小麦粉や片栗粉に比べ固くならず、ふっくらと仕上がります。れんこんの皮はよく洗えば、剥いても剝かなくてもOK!
レタスは千切り、または食べやすい大きさにちぎっておきます。
鍋に水と昆布、軽く潰したにんにくを入れ、弱火でじっくり加熱して出汁をとっておきます。
その間に、3をひと口程度の大きさにし、豚バラ薄切り肉を1枚ずつ巻き付けていきます。出汁の香りがたったら、肉を鍋に入れます。
POINT
肉は大きくし過ぎると火が通るまで時間がかかります。ひと口サイズを目安に、大きさを揃えましょう。
アクが出てきたらていねいに取ります。ふたをして中火で10分程度、お肉の中心に火が通るまで加熱します。最後に<調味料B>を加え、4のレタスをサッと煮たら完成です。
POINT
・最初に浮いてくるアクは雑味や濁りの原因になるので、しっかりと取り除きましょう!
・レタスは、シャキッと食感を楽しむため、豚肉を皿に盛り付けてから、残った出汁でしゃぶしゃぶするくらいでOKです。
叩いた塊肉を薄切り豚肉で巻くという斬新な発想!小ぶりですがジューシーで食べ応えがあります。ふわふわの玉子の食感がおいしい『金のだし 玉子』との相性もぴったり。
今回は濱守さんお手製のゆず胡椒を添えていただいました!ゆずの華やかな風味とスッキリした辛味が加わり、さらに食が進みます。
濱守さん:「肉だねを作る時、つなぎに小麦粉や片栗粉を使うとミチッとした食感になってしまうのを変えたいなと考えたレシピです。れんこんのすりおろしを使うことでジューシーさを失わず、口に入れた時のほぐれ具合も絶妙になります。ロールキャベツの肉だねに入れるのもおすすめですよ」
普段感じる料理の疑問から、あっと驚くアイデアやテクニックに変える濱守さん。ぜひ、毎日の料理づくりにぜひ取り入れてみてくださいね。
撮影/佐藤 侑治
文/田窪 綾
本日の一品
旨みのあるだしに、さらにかつお節でプラスした「重ねだし製法」のおみそ汁。ふわふわ食感の玉子で心和む味わいです。
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教えてくれた人
料理家。1972年生まれ、北海道出身。レコード会社で制作や宣伝を務めたのち料理業界へ。雑誌や広告撮影現場などへのケータリング「たまごはん©︎」を主宰するほか、雑誌やメディアなどへのレシピ提供、料理教室も実施。定番料理でも具材や調味料を変えるなど、自由な発想や解釈で生み出される料理が大人気で芸能界にもファンが多い。著書に「おつまみ便利帖」(幻冬舎)。
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