まごころ出前 2016.06.17
アマノフーズの名物社員、島村雅人。“フリーズドライの伝道師”としてこれまで全国の依頼主のもとへ「思い出の味」をフリーズドライしてお届けしてきましたが、今回は特別編!島村さんが憧れる人気グルメ漫画家・久住昌之さんと共にマンガ「花のズボラ飯」(原作・久住昌之/漫画・水沢悦子)のメニューをフリーズドライし、「究極のズボラ飯」を作ることに!
さて、島村さんの思いつきからはじまった「究極のズボラ飯」プロジェクト。おいしいものを食べたり、工場見学をご案内したり、「本当に作ってるの?」とお思いのあなた!安心してください、フリーズドライしていますから!ということで、「究極のズボラ飯」の試作品ができあがったので、今回は久住さんに実際に試食してもらうことに。
じゃーん!これが「究極のズボラ飯」だ!
「と、いうのには実はまだまだ改良が必要で…。これはまず我々で実際にズボラ飯を作ってみて、それをそのままフリーズドライしたものです。今日久住さんに感想を伺い、改良点を精査しようと思いまして!なので、まずは試食していただけますか?」と、さっそく「ユーズリ・バージル・ペペロンチーノ」(3巻:35皿目)にお湯を注ぐ島村さん。
久住さん:もちろんもちろん!楽しみです!
お、これもやっぱりお湯を入れて混ぜあわせるだけでいいんですね?もうバジルの香りしてきましたよ〜
島村さん:フリーズドライ商品はズボラ飯ですから!お湯を注ぐだけでできるんですよ〜
久住さん:では、いただきます!…わ!おいしい!イケる!これはイケますね!ん?これは…ベーコンも入っているんですね。
島村さん:お!イケた!一発目でこの好感触はうれしい!花ちゃんが「次はベーコン入れよう!」と言っていたので入れてみたんですよ。
個人的には柚の香りがもう少し強くてもいいかもな〜と思ったんですけど、いかがでしょうか?次は、柚を別にしてもう少し香りを残そうかな〜(悩)。
久住さん:十分おいしいです!完成度高いですね。すごい!これはすごい!ちなみにパスタの商品はすでにアマノさんで販売されていますよね?
島村さん:あるんですけど、こういったシンプルなメニューはないんです。
今回、もともと味が付いちゃってる市販のバジルソースを使うのもどうかと思って、作った方がいいか迷ったんですよね。
久住さん:でも、花ちゃんが使っているのも瓶詰めの味付きのバジルなんで、いいんじゃないですか(笑)。いや〜正直、こんなにおいしいものができると思っていなかったのでびっくりしました!
島村さん:続いてはこちらです!
久住さん:なんですか?(笑)。想像がつかないですよ〜
島村さん:では、見ていてくださいね〜
久住さん:おおお!分かった!「豆腐めんたいこ丼」(2巻:18皿目)でしょ!本当に作っちゃったんですか!これは…明太子のつぶつぶが出てくる瞬間がすごい!まさか、できるとは思ってなかったので感動です。
見た目はほとんど一緒ですよ(笑)。うわ〜明太子とバターの香りがすごい香ってくる!感激です!
島村さん:本当にズボラ飯を作ってフリーズドライしていますから!豆腐を手でぐちゃぐちゃにつぶして作っています。
久住さん:あの固形がお湯を注ぐだけでこの状態になるのがまず何よりも驚き!そして、このおいしいさ!これ欲しいです(笑)。本当に完成度高いですし、見た目も素晴らしい!僕がマンガを描く時に作ったのと同じですよ。
島村さん:今回は市販の絹豆腐を使って、実際の料理を作ってからフリーズドライしたら、豆腐のふわっとした食感が再現できたんですよね。
久住さん:へえ。やっぱり作ってみないとわからないものなんですね。
島村さん:さて、次のメニューに行ってみましょうか!
久住さん:これはなんだろう…?ん?これってローリエですか?ブロッコリーも入ってるっていうことは…「ポトケチャミルクミソ鍋」(1巻:8皿目)!?
島村さん:正解です!ただこれは味が不安で…。ズボラ飯のレシピ通りブイヨンを入れずに作ったんですが、なんせ味噌やケチャップ、牛乳などそれぞれの分量がなかったものですから味のゴールがわからなくって…。
久住さん:そうですよね。これは正解がない料理ですから(笑)。以前、料理家さんに作ってもらった際も難しいと言っていました。
島村さん:じゃ、お湯入れますね。
久住さん:おおおおおおお〜香りがきた!人参が出てきた!もう、香りだけでもおいしそうですね。
島村さん:書いてあったレシピ通り、牛乳とケチャップと味噌を入れたんですけど…。
久住さん:デタラメもいいところだよね(笑)。この料理は偶然できた設定なのでいいんですよ。いただきます!…あ、そういう味がする(笑)。牛乳とケチャップと味噌の…
島村さん:それなんですよ〜牛乳とケチャップと味噌の味がバラバラにくるような気がして…。
久住さん:いや、イケますよ(笑)。おいしいですよ。ケチャップの扱いが難しいんでしょうね。味噌の種類によっても味が変わるだろうし。でも、このままでも十分おいしいです。
何度も言いますけど、適当に作っているんで答えがないんですよ(笑)。だから、料理する人によって違って当然なんですよこれ。花ちゃん自身も「もう二度と作れない」って言ってるくらいですし、これでいいんですよ!
それにしてもなんだかヘルシーな味わいですね。優しい味です。わ!こんな大きなブロッコリーと鶏肉も!鶏肉もそのままフリーズドライできちゃうの?本当にお湯入れるだけなんだな〜。
島村さん:フリーズドライはお湯を入れるだけで一品できちゃうんですよ。どんなズボラさんでも安心して作れますよ!
ただ材料を大きくすると復元が難しくはなります。
久住さん:なるほど〜! しかもローリエがちゃんと効いていますね。
島村さん:そうですね。ローリエは結構ポイントになっています。入れると全然風味が違うってこと、花ちゃん分かっていますね!
久住さん:最後のこれって…もしかして「シャケトー」(1巻:1皿目)ですよね!?よくこんなものまで…
あれ?もしかしてパンも水で戻すことができるんですか?
島村さん:いや〜パンはベチャベチャになっちゃうと思うのでそのままどうぞ。これはレシピどおりに作ってフリーズドライした状態です。
久住さん:そうなんですね。では、このまま食べちゃおうと!でもトーストの状態でフリーズドライできちゃうというのが、もう想像を超えていて…なんと言っていいか(笑)。
このままラスクということにしてもよさそうですね。お酒のつまみにしてもいい。
島村さん:なるほど。そのまま食べるというのもありかもしれないですね。
久住さん:うん、おいしい。これはこのままでいい気がしますよ。このまま食べるなら、もう少し薄くして、具材をもう少し少なくした方がいいかもしれないですね。ラスクみたいにそのままポリポリ食べられる方が、花っぽい気がしますし。
島村さん:トーストを焼くこともないし、お湯をかけることもない!究極のズボラ飯ですね(笑)。
久住さん:ズボラ飯をフリーズドライした結果、ラスクになっちゃったみたいな!おもしろいかも。
あと…なんか、このパンおいしくないですか?パンのフリーズドライだから、通常のラスクの作り方とは違うんですよね?
島村さん:ラスクは揚げて作るので、作り方は全然違いますね。これは具材を塗って焼いたものをフリーズドライしているので、本当に本当に(笑)シャケトーをフリーズドライしただけのものなんですよ。
久住さん:もともとはどんなパンなんですか?
島村さん:サンドイッチ用のパンですね。普通の食パンだとミミがボロボロになっちゃうので。
久住さん:あ、ミミが…。なるほど。パン自体が多少凝縮されているからおいしいのかな。だったらパンの厚さはこのままでいいのかも。
島村さん:そうですね。具材は少し少なくしてもいいかな。でもそうすると油分が減るから、これよりは若干パサパサするのかもしれないですけど。
久住さん:マンガではたっぷり塗っているんですよね。このメニューはテレビ番組などでもよく再現されるんですけど、失敗が少ないメニューなんですよ。そういえば、前回、油分は難しいって言っていたけど、マヨネーズはできるんですか?上に乗っている具材はマヨネーズとシャケフレークを混ぜたものですけど…。
島村さん:基本的にはできないけど、マヨネーズ風にする技術はあるので、それで再現しています。
久住さん:いや〜おいしかった!そして何よりおもしろかった!もうこれで完成でもいいくらいですよ!
島村さん:いやいや〜今日出たポイントを踏まえて、もう少し改良します!なので、もう少々お待ち下さいませ!
久住さん:それは楽しみです!期待していますね〜
島村さん:楽しみにしていてください!何がうれしいかって、久住さんに全部食べてもらえるのがうれしいですね。張り切って作ってまいります!
「究極のズボラ飯」プロジェクトもいよいよ大詰め!次回は改良を重ね、より究極へ近づいたズボラ飯を久住さんに実食していただきます。それではまた、アマノ食堂でお会いしましょう。
■参考書籍
花のズボラ飯(1〜3巻)
著者: 久住昌之 (原作)/水沢悦子(漫画)
出版社:秋田書店