対談 2016.09.29
橘田いずみさん×スパイシー丸山さん|【第3回】餃子&カレーマニアに聞く!「究極の味」に出会うコツ
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- 橘田いずみ
- 1984年、東京都生まれ。声優、餃子評論家。人気TVアニメ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 (黒木智子役)、「ミルキィホームズ」(コーデリア・グラウカ役)などの声優として注目を集め、声優アイドルユニット「ミルキィホームズ」としても活躍中。一方、餃子研究家としてはテレビやイベント出演をこなし、自身が開発したレシピを楽しめる「餃子教室」も精力的に行っている。ネギのネバネバ成分を活かした調味料「ネギ汁」の流布にも注力中。近著に『本日も餃子日和。』(主婦と生活社)。
- 橘田いずみオフィシャルブログ「いずの餃子」
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- スパイシー丸山
- 1974年、北海道生まれ。カレー研究家。本名の丸山周としては、ディスクジョッキー、ナレーターとして活躍中。日本野菜ソムリエ協会カレーマイスター養成講座の講師をはじめ、テレビやラジオなどのメディア出演、カレーイベントの開催など、カレーに関する様々な活動を行っている。美味しかったカレー屋情報など、カレー情報満載のブログや、外国料理レストランの店主にロングインタビューを敢行するサイト「Diggin’」も人気。著書に『初めての東京スパイスカレーガイド』(さくら舎)。
- スパイシー丸山オフィシャルブログ「カレーなる365日」
餃子研究家・橘田いずみさんと、カレー研究家・スパイシー丸山さんのお2人をゲストにお招きしてお届けしてきた「餃子とカレー」対談も、今回がラスト!第1回は、マニアとして一目置かれる存在であるお2人の食生活。第2回は人を虜にする“餃子とカレー”の魅力についてお話をお聞きしました。最終回の今回は、「究極の味と出会うコツ」について。想像を超える餃子好き、カレー好きなお2人だからこそ見える、新たなグルメの世界をお楽しみください。
—お店を食べ歩くだけでは飽き足らず、自らレシピを考案する領域に達しているお2人。独自の研究法と美味しいお店の見極め方を教えてもらいました。
海外の秘伝のレシピや食材の違いを
知りたいなら、日本語で調べない
(スパイシー丸山さん)
僕はカレーについて、もはや日本語では一切何も調べないですからね。
確かに英語で調べるっていうのは、めっちゃ共感します。私も国内の餃子について調べるのはもう事足りてしまって、中国の餃子にまつわる書籍を読んで日本語に訳して、それで研究してレシピにしたりもしています。
僕もそうです。お互いのパソコンのブックマークとか、すごく面白そうじゃないですか?僕がブックマークしているサイトとか、多分普通の人からしたらチンプンカンプンですよ。英語のよくわかんない情報しかないです。
私は本を買い漁るタイプなんで、ブックマークしているサイトは案外普通かも。中国はネット環境が制限されていることもあって、ネットより本のほうが情報を取得しやすいんです。
たしかに。あと何が面白いかっていうと、料理の真髄や秘密ってレストランに眠っていたりするじゃないですか。例えば…ヨーロッパの高級料理店なんかはシェフがすごい技を持っていたり。インド料理は突き詰めると、真髄は主婦が持ってるんですよ、シェフじゃなくて「主婦」。
お〜!「シェフじゃなくて主婦」!それ、いろんな場所で使ってるネタですか(笑)?
いや、今いきなり出てきました(笑)。でも本当にそうで、お母さんの情報がコックさんより上なんですよ。インドの人って、どうしてなのかわからないけど英語で秘伝のレシピをどんどん公開してるんです。だからそういうのを集めていくと、レストランよりおいしいものができるんですよ。
へぇ〜!どうやって調べればそういうレシピに辿り着けるんですか?
初めの頃はまずインド料理屋に行って、メニューが英語で書いてあったりするので、そのキーワードを検索で打ち込んでって感じでしたね。すると海外のいろんなレシピが出てくるんです。
なるほど。そのレシピをもとに研究するんですか?
ただ、日本と外国だと食材の大きさが違うんですね。例えばトマトはなんとなく日本のサイズってあると思うんですけど、インドは場所によってはすごく小さかったりする。玉ねぎもニンニクもサイズ感が違うから、それを今度YouTubeで検索するわけですよ。YouTubeでお母さんがアップしてるんですよね、なぜか。
インド人ってやっぱりすごいですね(笑)。
すごいんですよ。動画で観ると、向こうの素材感がわかる。たとえばレモン1個って書いてあっても、インドのはほんとに小さくてスダチくらいのサイズだったりとかするんです。てことは、日本だとこれぐらいの量かな?って感じで、見つけたレシピとサイズ感とを日本で再現するにはどうしたらいいかっていうのを日々調整して研究していますね。
店名に「龍」がつくお店は
絶対おいしい
(橘田いずみさん)
今まで行ったお店で共通しているのは、「龍」が店名につくお店は美味しいってことですかね。田舎町の中華屋さんでも店名に「龍」がついているお店に入ったら絶対美味しいです。なんでだろうって不思議だったんですけど、もしかしたら自信の表れかもしれないなと。だって、自信がないと「龍」っていう漢字、店名につけられなくないですか?
「龍」の文字を背負えるかどうか、みたいな(笑)?
本当なんですよ、これ!店選びに迷ったら「龍」のつくお店に行け!ってくらい胸を張って断言できます。
面白い!たくさん食べ歩いてないと辿り着かない説だよね。カレーはなんだろうな〜。またこれインド料理の話になっちゃうけど、ひとつ言えるのは、インド人がやってるインド料理店はおいしい!東京にはものすごい数のインド料理屋さんがありますけど、実はほとんどインド人じゃないですからね。ネパール人やバングラディッシュ人が料理を作っていることが多いんですよ。
へぇ〜、知らなかった!でも、インド人とネパール人が作る料理はどのあたりが違うんですか?
ネパールの人が作るカレーは大きな特徴は無く、食べやすい均一な味が多いんです。香りの複雑さが控えめだったり。インド人のほうが、こだわりの食材を使って作ってたり特徴が出てるんですよね。外国に行って、日本のレストランに入ると感じたことがあると思うんですけど、その感覚に近いかも。
なんか言いたいことわかります。
でもネパール人も得意な料理があって。最近コリアンタウンの新大久保にネパール料理店が増え始めてるの、知ってます?ネパールの同胞や仲間に向けたネパール料理店ってのがどんどんできてて。ネパール人も、自分の国の料理を作るとやっぱウマいから、それはもう突き抜けるおいしさなわけですよ。
新大久保、昔よく行ってました。その時は韓国料理屋さん一色だったけど、今はネパール料理店も増えてるんですか。知らなかったな〜。
あと意外と侮れないのは日本人のシェフ。日本人がやってるのはどっちかっていうとマニアから入ってお店をやってる人が多いんですね。だからインド料理に対する愛情がハンパないわけ!だからおいしいですよね。
やっぱり、マニアはどこの世界でも最強ですね(笑)!
—さて、お話はまだまだ尽きませんが、そろそろ〆のお時間。本日の〆の一品は、かぼちゃとココナッツミルクのまろやかな甘味と、アーモンドのコクと食感が調和した「畑のカレー かぼちゃのアーモンドカレー(現在は販売終了)(販売終了)」です。
これ、お湯の量も大事ですよね。お湯多めで、カレーの味が薄くなったらテンション下がりますからね。ここは慎重にお湯少なめ、ちょい残しで食べてみます。
すごい!あっという間にカレーになった!甘くておいしい〜。
(せっかくなので、「ひきわり豆のトマトカレー」と「野菜と鶏肉のカレー」も食べて頂きました!)
うん、美味しいです。ココナッツミルクがほどよく効いていて。これはライスで食べても美味しいけど、こうやってパンで食べるのも良いですね。“インドの薄焼きパン・チャパティ”とかと一緒に食べるとおいしそう。
ごちそうさまでした!
—本日は楽しいトークをありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
撮影協力 / 池尻セレクトハウス(和光建物株式会社)
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