対談 2016.12.27
小谷実由さん×松尾レミさん|【第3回】純喫茶マニアが推薦!何度でも行きたくなる「喫茶の名店」
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- 小谷実由
- 1991年、東京都生まれ。モデル。『リンネル(宝島社)』、『&premium(マガジンハウス)』、『天然生活(地球丸)』を始めとする雑誌でファッションモデルとして活躍するほか、ファッションコーデアプリ『WEAR』で見せる私服センスにも注目が集まっている。趣味は純喫茶巡りと公言しており、「#喫茶部」ではオリジナルTシャツを作るなど、ひとりでも多くの人に喫茶店の魅力を知ってもらうべく普及活動にも力を入れている。
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- 松尾レミ
- 1991年、長野県生まれ。ロックユニット『GLIM SPANKY』ギターボーカル。2014年にメジャーデビュー後すぐに抜擢された、スズキのCM『ワゴンRスティングレー』や『AEON SUIT MEN』のパワフルな歌唱で注目を集め、その後もドラマや映画『リアル鬼ごっこ』、『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌に採用されるなど、存在感の強さを見せ続ける注目アーティスト。「日曜の朝は家族で喫茶店」だったことから、幼少期から喫茶店に親しんできた“ネイティヴ喫茶人”。
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- GLIM SPANKY
アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けする「お客さん対談」。全3回でお届けする喫茶店対談は今回が最終回。平成生まれでありながら、どこか昭和の懐かしさ香る喫茶店を愛してやまないお2人に、一度は行くべきお名店&魅力を教えていただきました!
ーお2人の話を聞いて、「喫茶店に行ってみたい!」と思った方も多いはず。そんなみなさんのために、喫茶店デビューにおすすめのお店を教えていただきました。
広々としていて居心地が良い
有楽町・「ROYAL」
(小谷実由さん)
やっぱりここ(純喫茶「ROYAL」)ですね。小さいお店だと、初めて足を踏み入れるときは緊張すると思うんだけど、「ROYAL」は広くて入りやすいし、純喫茶ならではの雰囲気も十分味わえると思う。それに有楽町というオフィス街にあるからか、お客さんにもいろんな人がいて、周りを気にしなくていい感じも居心地が良いんです。
(今回の取材先でもある、有楽町・「ROYAL(ローヤル)」。広々とした空間も小谷さんのお気に入りポイントだそう。)
あと、京都の河原町にある「ソワレ」はみなさんに絶対行ってほしい。
うん、「ソワレ」は絶対!そして河原町に行ったら、近くにある「フランソワ喫茶室」とのハシゴがおすすめ。ちなみに「ソワレ」では、カラフルなゼリーポンチを食べてください。1階と2階があるから絶対に2回は行ってほしいな。飲食店らしからぬ照明の色とか雰囲気とか、ぜひ体験してほしい。イメージで言うと…“白雪姫”みたいな感じだよね?
わかる!しかもアトラクションのほうの白雪姫だよね。
そうそう。ちょっと怖いっていうか…おどろおどろしいっていうか。どこにもないよね、あの空間は。ディズニーランドに行くくらいの気持ちで行ってほしい(笑)。
「フランソワ喫茶室」はクラシックで、ちょっとゴシックっぽい感じだよね。
メイドさんがみんな可愛くて、きっと普段はアーティストで、創作や作家活動とかしてるんだろうな〜って想像できるような。京都らしい喫茶店で素敵だよね。そこで働くのが夢だったな〜。
似合いそう!私も学生の頃喫茶店でバイトしなかったことが、一生の後悔なんだよね。
洋菓子屋に併設されている
神保町・「近江屋洋菓子店」
(松尾レミさん)
私もほんとそれ!あと、洋菓子屋さんと合体してる「喫茶コーナー」が好き。もうね、ずっと居られるの。行く度に何時間も居ちゃうのが、神保町の「近江屋洋菓子店」。ケーキが並んでるショーウィンドウの奥に喫茶コーナーがあるんだけど、なぜかスープとかがたくさんあるの。ビュッフェ的な感じで楽しめる。
ドリンクバーみたいな感じ?
そうそう。カップだけ買えば、みたいな。喫茶なのにすごく珍しいよね?
なにそこ、気になる~!!
大学のときに「喫茶部」と名乗って活動してたんだけど、そのメンバーで行くと1人2〜3個ケーキを買って、そこにスープとコーヒーを取ってきて2〜3時間喋り続けるんだけど、全然オッケーなんだよね。しかも、天井が高くてすっごい広い。とにかく独特な空間でおすすめ。
お店が広いのはいいよね!でもそこ、喫茶店デビューとして行くには、レベル2だね(笑)。
ー喫茶店を愛してやまないお2人には現在、“喫茶店への愛情が深すぎるがゆえ”の心配事があるそう。それは一体…?
1人でも多くの人に喫茶店の魅力を広めたい
(小谷実由さん)
「ナポリタンを食べるのはここ!」って昔から決めてる喫茶店があって、この間そこに行ったのね。そしたら、そこがビルの改装で突然閉店していて…。予告なく閉まることほど悲しいことはないよね。もう言葉にならない。
そのときの悔しさったらもう、ね。で、結局いつも行く純喫茶に行くんだよね。
そう。行くチャンスがあったものに、あと一歩のところで手が届かなかったときの苦しさって本当につらい。
これ以上ないってほど後悔するよね…行きたいと思ったときに行けばよかったって。やっぱり喫茶店って「生き物」だなって思う。いつなくなってしまうかわからないから、行けるときに行くべきだってすごく思う。
私も、喫茶店が長くあり続けるために、1人でも多くの人に喫茶店に行ってもらいたいって思う。だからSNSに投稿して、私のSNSを見てくれた人たちが行ってみたいって思って実際足を運んでくれたら、少しは力になれるかなって。もうね、愛護団体みたいな気持ちですよ。
小谷さんお手製の「喫茶ツアースウェット」を松尾さんにプレゼント!
それでね、わたし「喫茶ツアーTシャツ」とか「喫茶ツアースウェット」っていうのを作ってるんだけど。レミちゃんにあげようと思って今日持ってきたの。
めっちゃ嬉しい!ありがとう!もうね、有名ですよ。喫茶好きの間では。
うっそ(笑)。書いてあるのは全部好きなお店の名前。東京、名古屋、大阪と、あと福岡にある喫茶店なんだけど、全部回ったらここの四角にチェックをつけるの。全部回ったらツアーになるんだよ。バンドのツアーTみたいな感覚で作ったんだ。全部手作りで友達と一緒にやってる。
すごい!しかもこの「BONBON」っていうお店は、私が中学生のときからしょっちゅう通ってて。でも周りにそれを言いまくっているうちに、ファンの方が通ってくれるようになって、最近は逆に自分が行けなくなっちゃった(笑)。
行ってくれるのが嬉しいからこそ、そういうジレンマあるよね(笑)。
「BONBON」はお店にあるシールも可愛いよね。くまのシールで、カタカナで「ボンボン」って書いてあって。めっちゃレトロでお洒落。
私、そのシールをiPodの裏に貼ってるよ〜♪
私は、パソコンに貼ってる〜♪でも、売ってないんだよね。ケーキとか焼き菓子の袋についてて、それをめっちゃいっぱい買って、きれいに剥がして使うんだよね。
そうそう。喫茶Tシャツを見て、喫茶店に興味を持ってくれる人がいたらいいなって思ってる。ほんとは配りたいくらい(笑)。それぐらい興味を持ってくれるきっかけを作りたくて。喫茶店って本当に素敵な存在だし、ここにしかないものだから。その希少価値みたいなものをもっとたくさんの人に知ってもらえたらいいな。
ー生粋のマニアであるお2人にとって、喫茶店とはどんな存在なのでしょうか。
たくさんの付加価値がある場所
(松尾レミさん)
時間と空間を買う場所。その有意義な時間を求めて行くところですね。喫茶店以外にはそういう感覚になったことはないかな。だから、例えコーヒーが1杯千円であろうと全然良い。その1杯のコーヒーに付加価値がたくさんついてくるから、そこでお金をケチらない。
気付いたら好きになっていた。
「運命」を感じる存在
(小谷実由さん)
私は、やっと会えた、“運命”みたいなもの。60年代の映画も女優さんも音楽も好きだったし、そうやっていろんなものを拾っていくうちに辿り着いたものだから、やっと会えたなぁ…みたいな。自分自身の集大成みたいな存在。でも、ぶっちゃけ理由なんてないのかもしれない(笑)。気付いたら好きになっていて…みたいな感覚ですね。
恋愛的な感覚あるよね?ドキッ…!みたいな。憧れの人に会いに行くみたいな。
そうそう、それ!喫茶店となら結婚してもいい。むしろ結婚したいです(笑)!
—素敵なトークとたくさんの喫茶店紹介、ありがとうございました。この対談をガイドに純喫茶へ足を運ぶ人がまた増えることでしょう!またのご来店をお待ちしておりま~す。
[第1回]平成生まれの喫茶部2人が語る!「純喫茶」との出会い
[第2回]純喫茶の醍醐味とは?マニアが教えるメニュー選びのコツ
[第3回]純喫茶マニアが推薦!何度も行きたくなる「喫茶の名店」
撮影協力/ROYAL
【住所】東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
【電話番号】03-3214-9043
【営業時間】平日/8:00~19:30(L.O19:00) 土日/11:00~18:30(L.O18:00)
【定休日】12月29日〜1月1日
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