豆知識 2020.03.16
防災備蓄品リストと使い方|災害に日頃から備える「イツモ型防災」のススメ
突然の災害が起こってしまった時、何をどのくらい用意しておけば安全なのか?
いざという時に慌てないためにも、普段から備える「イツモ型防災」の大切さを防災のプロに訊ねました!
さらにアマノフーズからは新しくなった「ローリングストックBOX」をご紹介します。
災害時の備蓄どうしてる? みんなの質問にプロが答えます!
「備蓄品って具体的に何を揃えればいいの?」「量はどのくらい必要?」など、いつ起こるかわからない突然の事態を考えると、不安や疑問は尽きません。
今回はそんな災害時の備蓄に関する質問を、防災のプロにお聞きしました。
教えてくれるのは、アートやデザインといったクリエイティビティを導入した防災教材の開発や防災訓練を実施し、幅広い世代に防災の知恵や技を普及している「NPO法人プラス・アーツ」の石田有香さん。実際に台風や地震で被災された方々の意見も参考に、必要な備蓄品や使い方やポイントを教えてもらいました。
自宅に備えておくべき基本の備蓄品【12品】
―東日本大震災や熊本地震、昨年では台風による全国的な被害がありました。そんな災害に備えて、家に置いておくべき備蓄品を教えてください。
災害発生時は電気やガス、水道などのライフラインがストップするため、非日常の生活がはじまります。たとえ避難所へ行けたとしても収容人数の上限や、プライバシー、衛生上の問題もありますし、災害直後は流通に被害が出て、被災者数も多いため、食料をはじめとした物資がなかなか届かないということも想定されます。
そこで最近は「在宅避難」という言葉も出てきていて、自宅の安全が確認できている場合は、できるだけ自宅で生活するということが内閣府からも推奨されています。
自宅に置いておく備蓄品として、私たちプラス・アーツが推奨している次の【12品】です。
ポリ袋(45L程の大きなもの、キッチン用の小さいポリ袋それぞれあると便利!)、新聞紙、体拭きウェットタオル、ラップ、カセットコンロ・ボンベ、クーラーボックス、携帯ラジオ、非常食、水、携帯トイレ、LEDランタン(ヘッドライト)、口腔ケアウェットティッシュ
ご覧いただけるとわかるように、12品の備蓄品の中には日常的に使っている日用品もたくさんあります。「備蓄品」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、新たに買い足すものって、実はそこまで多くないんですよ!
覚えておきたい備蓄品の使い方
■LEDランタン
「備蓄品はまず何から揃えるべき?」という質問をよくいただきますが、まずは「灯り」の備えが第一です。特に停電時には灯りがないと何もできませんし、灯りがあるだけで精神的な安心につながります。
懐中電灯を備えている方が多いかと思いますが、「片手が塞がって不便だった」という声も多く、「LEDランタン」のような、床などに置いて部屋全体を照らせるタイプをおすすめします。
キッチン、リビング、トイレの3箇所に置いておくと安心です。移動用にはヘッドライトがあると便利ですよ。
■新聞紙
「新聞紙」も災害時に万能です。折り紙の要領で箱を作って、ポリ袋を被せればお皿代わりに。強度が気になる場合は、ダンボールなど硬い素材のものを下においてお盆のように使うのがコツです。
また、「新聞紙」は防寒にも役立ちます。寒いときにはくしゃくしゃにした新聞紙を体に巻くとダウンのような役割を果たしてくれます。
避難するときはどうする? 準備しておくべき持ち出し品【15品】
―自宅で生活できない状態のときは実際に避難所に避難することになると思います。どんなものを持っていく必要がありますか?
災害時の外出は粉塵が舞っていたり、瓦礫(がれき)があったりと、危険がたくさん潜んでいます。家に備えておく備蓄品に加えて、自分の身を守るためのものを持っていくのが大切です。
・ポリ袋、新聞紙、体拭きウェットタオル、ラップ、クーラーボックス、携帯ラジオ、非常食、水、携帯トイレ、LEDランタン(ヘッドライト)、口腔ケアウェットティッシュ、救急セット、大判ハンカチ、軍手、レインコート(※)
※家での備蓄の他に必要なもの
レインコートやポリ袋は粉塵が舞っている時に身を守ってくれます。厚手の手袋は、瓦礫の撤去や重いものを運ぶ時に役立ちます。
プラス・アーツ監修の大判ハンカチ。ハンカチの様々な使い方がイラストで記載されています。
煙を防ぐマスク代わりに、地面に座る際のシート、助けを呼ぶフラッグ、止血帯としてなど「大判のハンカチ」の用途は多岐に渡ります。
【ポイント!】
防災リュック、倉庫で管理は間違い! 「分散備蓄」を心がけよう
持ち出し用の備蓄品を詰めた「防災リュック」を倉庫で管理するイメージがありますが実はNGなんです。倉庫の奥へしまってしまうと「いざ使おう!」という時に賞味期限が切れていたり、地震の影響で倉庫へ入れないということも…。
1箇所にまとめておくのではなく、部屋のあちこちに置く「分散備蓄」が大事! 例えば、水は1箇所においておくと、その部屋が崩れて入れなかった時に取れなくなってしまいます。ランタンは枕元へ置いておいて、いざというときに集めて持ち出せるようにしておくのが大切です。
賢く使おう! 非常食の使い方&食べ方
―生きていく上で欠かせないのが食事だと思いますが、具体的に非常食はどんなものを備蓄しておくべきですか?
最近ではフリーズドライや缶詰、レトルトなど様々なラインナップがあります。
個人的におすすめなのは「乾物」。ワカメや切り干し大根は、ミネラルなどの栄養素を摂取できるので栄養の偏りが気になる災害時に役立ちます。熊本地震の時は「塩昆布」を持っていきました。キャベツと和えてもおいしいですし、適度に塩分が取れますよ。いろんな商品を試してみて、自分好みの味を探しておきましょう!
―災害時の備蓄、好きなものから食べてもOKですか?
いいえ! 非常食も実は「食べる順番」があるんです。傷みの早い冷蔵庫内の生鮮品から消費し、食べ物を腐らせないのがポイント! 食材が購入できない時は、家にあるものを賢く使うことが大切です。
1、生鮮品から
2、普段備えている乾物
3、最後にフリーズドライ食品やレトルト食品など非常食
ローリングストック法で賞味期限を切らさない!
―非常食の賞味期限が切らしてしまいがちです…。無駄なく食べるにはどうしたらいいです。
日常的に食べておくことが大切ですね。まず12食分を準備し、1ヶ月に1回食べて、それを1年続ければ、賞味期限を切らすことなく安心して備蓄できます。これが、「ローリングストック法」です。1年で12食分がそっくり入れ替わるため、賞味期限が1年程度の一般的なレトルトやフリーズドライ食品もラインナップに入ってくるので選べる幅も広がりますね。
非常食は、1ヶ月に1回を目安に食べる機会を作るのがおすすめです。疲れたなというときに、レトルト食品やフリーズドライを食べるなど、気軽に始めてみましょう!
また、ローリングストック法は非常食以外にも使えます。カセットボンベやゴミ袋など普段から使うものも、日常的に使いながらローリングストックしていきましょう!
・1ヶ月に1回を目安に食べる
・商品のラインナップを知って、買って食べてみる
・水やカセットボンベ、ゴミ袋も普段から使ってローリング!
私たちが推奨しているのが、「イツモ型防災」。地震や台風などの災害はいつ起こるかわかりません。例えば地震が起きた時、窓を開ける、ガスを止めるなどの対応が必要ですが、実際に地震が起こると何もできなかったという被災者の声をよく聞きます。今回ご紹介したローリングストック法のように、日常生活の中に取り入れられることから実践し、少しずつ備えていきましょう。
<教えてくれた人>
石田有香さん(NPO法人プラス・アーツ)
東日本大震災をきっかけに大学卒業後はSave the children JAPANに入局し、岩手県にて子ども参加のまちづくり事業に従事。2016年にプラス・アーツに入社し、現在は、地域の防災訓練を楽しく学べる防災体験プログラムなど、主に防災教育や地域支援を中心に担当している。
「ローリングストックBOX」で災害時の備えを万全に!
【セット内容】フリーズドライ18食(朝食セット6食、昼食セット6食、夕食セット6食)・「サトウのごはん」3パック・災害マニュアル・商品の説明書
非常食として、アマノ食堂が提案するのが「食べながら備える ローリングストックBOX」。スープやカレー、丼ものやリゾットなど、種類豊富で飽きずに食べ続けられるのが魅力。遠くに住むお子さんやご両親など、大切な人へのプレゼントにもおすすめです。
「ローリングストックBOX」は1箱で1人が3日間生活できる食品がセット。朝食セット、昼食セット、夕食セットに分かれており、生活のシーンに合わせて、その日の気分に合わせて食べたいものをチョイスできる仕組みです。
さらに、プラス・アーツ監修のミニガイドブックもついています! 自宅避難の際の心得や災害時の連絡ガイドなど、災害時に知っておきたい情報が掲載されています。
フリーズドライ食品のラインナップはこちら! おみそ汁やシチュー、雑炊やにゅうめんなど、食べ応えがありホッと一息つけるフリーズドライ食品が計18食(3日分)入っています。
他にも、朝食や夕食などシーンごとに合わせたフリーズドライがたくさん。こちらは「とろっと卵の親子煮」。
付属の「サトウのごはん」を湯煎(または電子レンジ)で加熱し、お湯で戻した親子煮をのせれば完成! 具だくさんで満足度もたっぷりのこの商品。「五目中華あんかけ」や「やわらか牛肉の卵とじ」」も入って、飽きのこないラインアップが嬉しいポイントです。
ローリングストックボックスは普段から目につく場所へ保管して、1ヶ月に1回食べる→買い足すというサイクルを習慣づけましょう
ローリングストックで日常から防災を意識しておけば、万が一の時でも焦らずに行動できます。日頃の備えをきちんとしておくことで、災害時のストレスも軽減できます。「モノ」だけでなく近隣とのコミュニケーションも日頃から意識しておくことが大事。これを機会に、皆さんも災害対策を見直してみてはいかがでしょうか?
【商品紹介】
「食べながら備える ローリングストックBOX」 5,492円(税込)
食べながら備える「ローリングストック」ができるフリーズドライセット。朝食、昼食、夕食のシーンごとのフリーズドライ18食と「サトウのごはん」3つが入った商品。雑炊やにゅうめん、リゾットなどお湯を注ぐだけで簡単・便利なローリングストックセットです。
※商品内容が変更になる場合がございます。
【取材協力】
楽しく学べる防災グッズや防災プロジェクトを開発、実施するNPO法人。「イツモ型防災」をモットーに、「もしも」の時ではなく「いつ地震が来ても大丈夫なように備えておく」という考え方を大切にしている。
プラス・アーツ監修のマニュアルブック。家の安全チェックポイント、連絡手段、すぐにできる家具の転倒防止、本当に役立つ防災グッズなどイラストとともに紹介したマニュアルブック。
【information】
普段の備蓄に!全国のスーパーで購入できるフリーズドライ食品もあります
アマノフーズのおみそ汁は、全国のスーパーでも購入できます! 具材に合わせてみそとだしを選んだこだわりの「いつものおみそ汁」シリーズは、なすやとうふ、ほうれん草など、人気の具材が揃います。
お湯を注げばすぐに飲めるフリーズドライのおみそ汁は、日常使いだけでなく、備蓄にもおすすめです。緊急時・災害時などにぴったりな温かい飲み物。1杯飲むだけで、ホッと一息つけますよ。
「いつものおみそ汁 10食バラエティセット」 希望小売価格: 1,188円(税込)
「いつものおみそ汁 5食バラエティセット」希望小売価格: 594円(税込)
<写真/佐々木謙一>