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【半径5mから考えるフードロス】第3回 浅野美奈弥さん|地球にやさしい「アース弁」おかずレシピも! 野菜の「使い切り」調理術

地球にやさしい「アース弁」おかずレシピも! 野菜の「使い切り」調理術

「フードロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品や食材のこと。最近ではニュースなどでもよく聞くようになりましたが、普段の私たちの暮らしの中でどのようにフードロスを減らしていけばいいのか、実際にはわからないことも多いですよね。

 

アマノ食堂では『半径5mから考えるフードロス』として、“食卓”という身近な場所から無理なく取り組める方法をクリエイターと一緒に考える企画を全3回にわたってお届けしています。

 

第3回となる今回のテーマは「調理術」。モデルであり、ケータリングやロケ弁、レシピ提供などを行なう「美菜屋」の浅野美奈弥さんに、食材を残さず使い切るためのコツを伺いました。

 

 

第1回記事はこちら>>

「島本美由紀さん×浅野美奈弥さん|フードロスを減らすために、私たちの食卓でできること。」

https://www.amanofoods.jp/info/25477/

 

第2回記事はこちら>>

「島本美由紀さん|今日からできる! フードロスを減らすための「買い物・収納・保存」術」

https://www.amanofoods.jp/info/25791/

 

 

捨ててしまいがち・微妙にあまりがちな野菜、どうする?

アース弁の材料

料理をする際、いつも何気なく捨ててしまう野菜の皮や芯。「どこまで食べられるのかわからないから…」と厚めに皮を剥いたり、長めにヘタを切り落としたりしてしまいがちですよね。実はこうした“過剰除去”もフードロスにつながっています。

 

浅野美奈弥

ケータリング事業を進める中で、“食材廃棄”や“フードロス”について今まで以上に考えるようになったという浅野さん。

 

浅野さん:「ある時、いつも捨てている食材の芯やヘタを活用してお弁当を作ってみたところ、予想以上のおいしさに私自身も驚きました。地球にも優しい『アース弁』と名付けてInstagramで発信をすると、「食べられるって初めて知った」「私も野菜の皮を捨てるのをやめてみます」などの声があり、多くの反響がありました。

 

例えば、今回ご紹介するおかずに使用した大根の葉はビタミン類やカルシウムなどがたっぷりしいたけは軸の部分にカリウムや食物繊維が豊富で、香りや歯応えもいいにんじんの皮や小松菜の茎の苦味は油で揚げるとおいしさがアップしますよ。こうした部分を捨ててしまうのはもったいないですよね」

 

捨ててしまう部分を極力減らすべく、日頃から野菜の皮や芯、ヘタなどのさまざまな調理法を発信する浅野さんに、今回はアマノ食堂読者の方に向けた「アース弁 アマノ食堂Ver.」を考案いただきました!

 

 

野菜の旨みを極限まで楽しめる、「アース弁 アマノ食堂Ver.」はこちら!

アース弁

お弁当の全10種のメニューのうち、3種は本来捨ててしまう部分を活用した「アース弁」。今回は「きのこの軸で作る炊き込みご飯」「野菜の茎や皮のかき揚げ」「大根の葉と茎の煮物」の3つのレシピを教えていただきました!

 

お弁当の全てを廃棄食材で作るのは、少しハードルが高くなってしまうので、一部を野菜の芯やヘタを活用したおかずに。いつもの定番おかずと組み合わせて、無理なく始めるのがおすすめです。

 

「アース弁 アマノ食堂Ver.」の3つのレシピと合わせて、野菜の廃棄部分を上手に調理するためのテクニックも教えていただきました♪

 

 

【レシピ1】なんと主役は“きのこの軸”! 風味豊かな「きのこの炊き込みご飯」

きのこの炊き込みご飯

調理時間 60分

きのこの炊き込みご飯の材料

【材料(2人分)】

米…2合

しいたけの軸…6本

えのきの軸…1株分

まいたけの軸…1株分

 

[たれ]

しょう油…大さじ2

酒…大さじ2

みりん…大さじ2

塩…ひとつまみ

 

【作り方】

きのこを縦に切る

1

しいたけとまいたけの軸を薄くスライスします。

 

POINT

薄くスライスすることで、コリコリとした食感が楽しめます。しいたけの軸の下にある「石づき」は硬くて食べにくいため取り除きましょう。

炊飯器に醤油と水を入れる炊飯器にえのきを入れる

2

お米は洗って炊飯釜に移し、[たれ]と[1]の食材を入れ、最後にえのきの軸を食べやすい大きさにほぐしながら全体に散らします。釜の2合の目盛りに合わせて水を入れ、炊き込みご飯コースで炊飯をします。

※炊き込みご飯コースがなければ、普通炊きでもOKです。

 

POINT

・お米2合に対し、きのこ類や調味料も入るため、炊飯時の水の量が味付けを左右する重要なポイント。炊飯釜にはお米→[たれ]→具材の順番で入れ、最後に目盛りに合わせて水を足し、調節をしましょう。

・お米を研いだ後の吸水は不要です。

炊き上がった炊き込みご飯を混ぜる

3

炊き上がったら底からかき混ぜ、ご飯と具材を混ぜ合わせたら完成!

 

POINT

お弁当に入れる時は一度器などに移して、粗熱を取っておきましょう。

 

 

【レシピ2】皮やヘタを有効活用! サクサク食感が楽しい「かき揚げ」

かき揚げ

調理時間 20分

かき揚げの材料

【材料(2人分)】

にんじんの皮…適量

大根の皮 …適量

小松菜の茎…適量

なすのヘタ…適量

 

[衣]

小麦粉…30g

冷水…大さじ2

サラダ油…適量

 

【作り方】

なすのへたをとる

小松菜の芯を切る

1

なすのヘタは硬い皮の部分を取り除いてから薄切りに、小松菜はひげ根を取り除き、茎は残った土などを丁寧に水で洗ってから4等分にカットします。にんじんと大根の皮はピーラーなどで薄くスライスします。

切り終わったらペーパータオルなどで水気をよく切っておきます。

 

材料に小麦粉をまぶす材料をかき混ぜる

2

ボウルに[1]を入れ、ザルなどを使って小麦粉をふるいます。サッと混ぜてから冷水を加え、さらに全体をなじませるように軽く混ぜます。

 

POINT

・先に小麦粉をまぶしてから水を加えることで、揚げている間にバラバラになりにくくなります。混ぜすぎると粘りが出てしまうため“サックリと軽く”混ぜましょう。さらに小麦粉はダマになりやすいため、ザルなどを使ってふるいにかけるのがおすすめです。

・水は常温ではなく冷水を使うと、カラッとサクサクに仕上がります。

 

かき揚げの材料を揚げる

かき揚げ

3

鍋で180℃に温めた適量のサラダ油に、おたま1/2ほどの量の[2]を入れます。きつね色になったら油から取り出し、お好みで塩を振りかけて完成!

 

 POINT

・具材はおたまに一度のせて形を整えてから、菜箸で滑らせるように入れると油がはねにくくなります。

・野菜の皮は薄く火が通りやすいため、2~3分で揚がります。焦がさないように注意しましょう。油から取り出す時はかき揚げの先端(具材が飛び出た部分)を下に向け、5秒ほど待ってから上げると油切れがよく仕上がります。

・野菜の皮やヘタは苦味が多少ありますが、油で揚げることで和らぎます。苦味が苦手なお子さんには、かき揚げを天ぷらつゆなどにくぐらせてから盛り付けるのもおすすめです。

 

 

【レシピ3】葉も茎も丸ごと活用! 味しみ良い「大根の葉と茎の煮物」

大根の葉と茎の煮物

調理時間 20分

大根の葉と茎の煮物の材料

【材料(2人分)】

大根の茎(実と葉の部分) …1本分

米のとぎ汁…適量

昆布…2つ

塩…小さじ1

砂糖(今回は三温糖を使用しましたが、上白糖でもOKです)…大さじ1

薄口しょう油…大さじ2

水…1L

 

 

【作り方】

大根の茎

大根の茎の部分を切る

1

大根の茎は水に浸しながら、茎の間に残っている汚れを落とします。気になる部分は包丁で削り取ります。

 

POINT

竹ぐしや爪楊枝などを使って、汚れをかき出すように洗いましょう。

 

大根に米の研ぎ汁を入れる

2

鍋に[1]と大根の茎が隠れる程度まで米のとぎ汁を加え、大根を下茹でします。とぎ汁が足りなければ水を加え、中火で加熱します。

 

POINT

米のとぎ汁には、茹でている間に出た野菜のアクを吸着したり、甘みや旨みを引き出す作用があります。

煮物の調理に取り掛かる前に、あらかじめご飯を研いでとぎ汁を取り分けておくとスムーズです。

 

火を弱火にする

茹でた大根の芯

3

[2]が沸騰したら弱火にし、さらに10分ほど茹でます。

茹で終わったら大根についたとぎ汁を落とすため、一度ザルにあけて軽く洗います。

 

POINT

加熱した大根は熱くなっているため、ザルにあける際はやけどに気を付けましょう。

 

昆布を茹でる

鍋に砂糖を入れる

4

鍋に水1Lと昆布を入れて中火で加熱し、沸騰したら昆布を取り出します。昆布の茹で汁に[3]と砂糖を加え、弱火で10分ほど煮込みます。

 

POINT

昆布は沸騰を続けたまま煮ると、苦味やえぐみが出てしまうので沸騰したらすぐに取り出しましょう。取り出した昆布は刻んで佃煮などにするのがおすすめです。

 

 

鍋に醤油を入れる

5

最後にしょう油を回し入れ、火を止めたら完成です。

 

POINT

風味が飛ばないよう、しょう油は最後に加えてください。

 

***

 

アース弁 アマノ食堂Ver.のおかず浅野美奈弥

「アース弁 アマノ食堂Ver.」のメインおかず3品が完成!

 

お弁当には、今回教えていただいた3品以外に「なすの山椒煮」や「きゅうりのナンプラー漬け」「紫キャベツのラぺ」など、「美菜屋」の人気おかずを用意していただきました。

 

浅野さん:「お弁当を詰める時は、最初にお弁当箱の高さ半分程度までご飯を詰め、上に乗せるおかずは彩りや形状、汁気の有無など、全体のバランスを見ながら盛り付けます」

 

いつものおかずと合わせて、ぜひご家庭で「アース弁」にチャレンジしてみてくださいね。

 

 

浅野さんおすすめ!  「アース弁 アマノ食堂Ver.」に合うフリーズドライはこちら

 

アース弁 アマノ食堂Ver.

 

<アース弁と一緒におすすめなおみそ汁>

いつものおみそ汁なす

いつものおみそ汁 なす

食べごたえ満点の『アース弁』に合わせるのは、なすのとろっとした食感が味わい深い「いつものおみそ汁 なす」。かつおと昆布のだしに、まろやかなみその風味。ほっと落ち着くおいしさです。

 

 

***

 

 

身近な“食卓”から、無理なく取り組める方法を考える『半径5mから考えるフードロス』。日頃からフードロス削減に取り組むクリエイターの方々と一緒に、「フードロスとは?」「収納・保存術」「調理術」の全3回にわたりお届けしてきました。

 

フードロスと聞くと難しそう、何から始めればいいのかわからない…と、戸惑う気持ちもありますが、買い過ぎを防いだり、無駄なく使ったりなど、あまり頑張りすぎずに取り組めることも意外と多いんです。

 

食材を無駄なく使い切れると、スッキリ晴れ晴れとした気持ちになりますよね。まずは明日から、できることを始めてみるのはいかがでしょうか。

 

■プロフィール

浅野美奈弥

浅野美奈弥さん

モデル・料理家。大学時代からモデル活動を始め、雑誌や広告など幅広く出演。26歳の時、過度な食事制限やストレスから体調を崩したことをきっかけに、ケータリングやロケ弁、レシピ提供などを行なう「株式会社美菜屋」を開業。見た目や味、栄養バランスを考えた料理を提案する。いつもは捨ててしまう野菜の皮や種を活用した「アース弁」を発表するとSNSで話題に。これまでにフルマラソンを8回完走した経験を持ち、女性限定のランニングコミュニティ「GO GIRL」の主宰も務めている。

・浅野さんInstagram

https://www.instagram.com/minami_asano/

・美菜屋

https://www.minayainc.com/

  

 

【店舗情報】

美菜屋 minaya

・住所:東京都世田谷区池尻3丁目3−7

・営業時間:08:00-18:00(20:00閉店の場合もあり)

・電話番号:03-4288-8014

・定休日:土曜日・日曜日(不定休あり)

Instagram:https://www.instagram.com/minayainc/

※記事公開時の情報となります。最新情報は店舗公式サイト/SNSでご確認ください。

 

撮影/大童鉄平、ヘアメイク/草場妙子、文/田窪綾

 

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