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今年で発売40周年! アマノフーズの「フリーズドライおみそ汁」誕生秘話に迫る

アマノフーズの「フリーズドライおみそ汁」は、 1983年に初めて発売してから2023年で発売40周年を迎えました。

 

その記念コンテンツとして4回にわたり、アマノフーズの歴史、おみそ汁や驚き商品(匠シリーズ)の開発秘話などを特集します。

 

第1回目となる今回のテーマは、フリーズドライおみそ汁の誕生秘話! 開発までの歴史や開発担当者である島村へのインタビューなどをご紹介します♪

 

アマノフーズのフリーズドライおみそ汁、開発までの道のり

アマノフーズの始まりは、遡ること1940年。天野辰雄が広島県福山市で創業した天野商店にあります。その後、1947年天野実業株式会社に。それが現在のアマノフーズブランドにつながります。

 

カラメルの製造開始!しかし思わぬ落とし穴が…。

初代社長 天野辰雄

 

1947年、ビールや菓子の着色料として需要が高まっていた「カラメル」に目をつけ、私財を投じてカラメル製造工場を作った天野辰雄。一時は軌道に乗ったものの、当時のカラメルは全て液体。ある時、液体カラメルがゼリー状に固まってしまう事件が勃発し、会社が存続の危機に!

 

日本初のカラメルの粉末化に成功! その後さまざまな調味料の粉末化を実現。

イギリスの会社が生乳を粉末にする技術を導入したことを知り、この事例を参考にカラメルの粉末化に挑戦し、見事実現。その後、みそやしょうゆなどの調味料の粉末化にも成功し、即席めんなどのスープに採用される。

 

即席めんへの需要をきっかけに、社長がフリーズドライの「ねぎ」に目をつける。

フリーズドライのねぎを作るために必要なのが「真空凍結乾燥機」。これが当時2億円という高価な機材で、銀行からの融資に苦戦。しかし、当時の中小企業金融公庫の担当者が偶然にもフリーズドライの将来性を理解しており、融資即決! 無事カップラーメン具材として、フリーズドライのねぎの製造を開始。

 

カップラーメンのねぎのみならず、えび、卵、肉などをフリーズドライ化!

とあるメーカーからの依頼を受け、カップラーメン用の具材を次々にフリーズドライ化。このカップラーメンが大ヒットを収める。

 

社長夫人の手作りおみそ汁を参考に、フリーズドライのおみそ汁開発へ

カップラーメンの具材製造により、フリーズドライの技術力を高めていった天野実業。二代目社長の天野肇(あまの はじめ)が次なる商品として選んだのが、フリーズドライのおみそ汁。
連日おみそ汁のフリーズドライ化に挑戦するも、納得いくものができず悩んでいた時に、社長夫人の手作りおみそ汁を飲んだことでひらめく。「フリーズドライの利点を活かして具だくさんみそ汁を作ろう!」と。

 

ついに日本初のブロックタイプのフリーズドライおみそ汁が完成!

試行錯誤を重ねながらようやくおみそ汁と具材が一体となったブロックタイプのフリーズドライおみそ汁の開発に成功!最初の具材はほうれん草でした。その後、他の具材にも挑戦し、あんじょう※(ほうれん草)、しじみ、むぎみそ、えのきの4種類のラインアップで販売開始! これが40年前の出来事です。
※あんじょう:京都の言葉で丁寧、上手くの意味。

 

そして発売当初4種類だったおみそ汁は、現在60種類以上に!

その後、さまざまな具材やみそのおみそ汁を発売。おみそ汁以外にも、雑炊・お惣菜・カレー・リゾットなどのフリーズドライにも挑戦し、発売してきました。
2015年にはアマノフーズ初となる「揚げ物」のフリーズドライ食品である「チキンカツの玉子とじ」を販売しました。

 

このような変遷を辿ってきたアマノフーズのおみそ汁。開発担当者である島村をはじめ、現在のアマノフーズブランドの商品開発に携わる、アマノブランド企画室メンバーにインタビューしてきました!

 

フリーズドライといえばこの人! 開発担当島村と、アマノブランド企画室のメンバーにインタビュー

 

フリーズドライおみそ汁の開発秘話

 

Q. 開発までの道のりからわかるように、数えきれないほどのトライアンドエラーを繰り返してこられたと思います。まずは開発当時に苦労したことを教えてください。

 


島村
開発当時は本当に失敗の繰り返しだったから、数えきれないほど苦労はあるけれど、まずはみその選定です。全国のみそ30品目くらいを集めて味付けをしました。気づけば口の中が荒れてしまうほど毎日試食を繰り返していましたね。美味しいだけでなく、飽きのこない味づくりにこだわったからなかなか上手くいかず苦戦続きでした。

 

Q. 今のアマノフーズの味わい深いおみそ汁は、数々の苦戦とたくさんの口内炎があってこそだったんですね(泣)。みそだけでなく、具材においても苦労はありましたか?

 


島村

もちろん! 具材は、お湯で戻した後、いかに作りたてに近い食感を再現するかにこだわり続けているから、かなり長い期間をかけて改良を進めていますよ。たとえば油揚げは、実際に油揚げの専門店に行って一緒にフリーズドライ専用の物を開発してもらいました。

 

Q. 専門店に協力してもらうとは、さすがのこだわりようですね。そんな中で、特に思い出深い商品はありますか?

 


島村
特に思い出深いものだと、アマノフーズの定番具材でもある「なす」ですね。鮮やかな色を保つのがすごく大変で、何度も試作を繰り返しましたが、どうしてもくすんだ色味になってしまいかなり悩みました。色の鮮やかさと口当たりの良さを兼ね備えたなすを探し続け、約1年半かけてやっと理想のなすに出会うことができました。あとは「しじみ」を殻ごとフリーズドライにするのにも苦戦しましたね。

 

Q.素材にも妥協なくこだわっているのがとても伝わってきました…!
最後に、島村さんの「どんなものでもフリーズドライにするぞ!」という挑戦する姿勢が印象的なのですが、どんなことがきっかけになっているのかお聞きしたいです!

 


島村
たしかに、挑戦する気持ちはずっと変わらずに持っていますね。振り返ってみると、周りからの言葉がきっかけで火がつくことも多くて。営業や上司に「●●はできないの?」とか言われちゃうとつい燃えてしまって、やってやろう!と火がついたりね。いろんな人の言葉に耳を傾けながら諦めずに挑戦していく姿勢はこれからも大事にしていたいですね。

 

ー周囲の期待を背負いながら、たくさんの苦労を経て今のアマノフーズのおみそ汁シリーズ、そしてその他さまざまなフリーズドライ食品に向き合ってこられたのですね…!

 

初代フリーズドライおみそ汁から現在に至るまでの変遷

 

続いて、初代のフリーズドライおみそ汁発売から現在に至るまでのアマノフーズ商品の変遷をアマノブランド企画室の三村に聞いてきました!

 

三村
私からは、フリーズドライおみそ汁の誕生から今までの商品についてお話ししていきますね。

 

長らく苦戦が続いたフリーズドライおみそ汁。転機は●●!

 

めでたく開発に成功したフリーズドライおみそ汁でしたが、発売当初フリーズドライ食品の認知度はかなり低く、なかなか売れずに苦戦していました。そんな中、営業担当者の地道な努力はもちろんのこと、あることがきっかけで長い苦戦を乗り越えたんです。

 

その“あること”というのがパッケージ変更! 2度のパッケージ変更が転機となっているんです。
1度目の転機は1988年。発売当初は、スーパーで売っている豆腐のように、トレーにフリーズドライブロックを入れて蓋をした形態(ポーショントレー)で販売していたのですが、賞味期限を半年しか保てませんでした。

 

試行錯誤した結果、現在のようなアルミの袋状の包装形体(ピロー包装)にすることで、賞味期限を1年まで延長することができました。これにより保存性が高まり、需要も大きく増えることとなりました。

 

2度目の転機は発売から30年後。当時の社員の意見を参考にパッケージデザインを刷新することで、さらに人気に火がつきました。商品名などの文字だけであったパッケージから、商品の完成イメージ画像も入ったパッケージに変更し、一目で商品の美味しさが伝わるよう工夫しました。

 

今ではたくさんの方が日々の生活にフリーズドライ食品を取り入れてくださり、ご家庭でストックしてくださる方も多くなっています。

 

 

※過去販売の商品パッケージです。

 

おみそ汁から発展したフリーズドライ食品。おかゆ、トムヤムクン、揚げ物まで!

 

アマノフーズは、おみそ汁以外にもさまざまなフリーズドライ食品の開発に取り組んできました。これまで発売してきた商品の一部をピックアップして、簡単な年表形式でご紹介します!

 

 

※過去に販売していた商品のパッケージとなります。

 

などなど。

 

今でも人気の商品もあれば「こんな商品があったの?!」というような商品もたくさんありますよね。例えば雑炊は現在も販売しており、ご好評いただいている商品の1つですが、最初にお米をフリーズドライにしたのは1993年に発売したおかゆの時です。

 

ちょうどいい食感でお米を復元するのが難しかったですね…。おかゆ特有のとろみを出そうとすると、今度は粘り気が強くなりすぎてしまい、お米が糊のようにドロドロになって機械を詰まらせてしまったこともありました。

 

これを解決するため、機械の改良や作る分量を調整した他、お米の品種によって復元性が変わることが分かり、各地のお米を集めて、ちょうどいいとろみ感が出せるよう研究を重ねました。結果、発売までに1年ほどかかりましたが、自信を持っておすすめできる商品ができたと思っています。

 

またこの時の知見を活かして雑炊の開発をスタートし、ロングセラー商品を誕生させることができました。

 

ーフリーズドライ食品にこだわり続けるアマノフーズならではのラインアップですね…!

 

アマノブランド企画室メンバーが選ぶ! おすすめのフリーズドライ商品は?

 

それでは最後に、商品開発に携わるアマノブランド企画室メンバーに特におすすめのフリーズドライ食品を聞いてみました!

メンバー3名から人気だったのは、以下の2商品!おすすめポイントについてもコメントしてもらったので、ぜひみなさんもお買い物の際の参考にしてみてくださいね。

 

いつものおみそ汁 なめこ


島村
なめこのつるっとした食感とともに、コク深い赤みそと、すっきりかつおだしの味わいが楽しめます。

 

三村

なめこのつるつるとした食感が楽しめるところがおすすめポイントです。
実は私が開発に携わった商品で、発売当時の営業部長に”販売先で大好評だ”と聞き、すごくうれしかったのを覚えています。
具材のなめこは、なめこ特有のぬめりの影響で泡立ってしまい、製造するのに苦労しました。工場の具材処理のスペシャリストの協力があってこそできた商品です!

 

いつものおみそ汁贅沢 しじみ


島村
殻付きのしじみが入っており、インスタントとは思えない再現度の商品だと思います!

 


田房
私はいつものおみそ汁シリーズの中でも、贅沢シリーズは特別感があって好きです。中でも一押しが「しじみ」。
アマノフーズ以外には見たことのない、殻付きの国産しじみを使用しており、また鮮度にもとてもこだわっているので、美味しくいただけます。

 

ーアマノブランド企画室のみなさん、ありがとうございました!

 

創業から今まで、アマノフーズブランドを支えてきた「挑戦」する姿勢。

その数々の挑戦と失敗から生まれたおみそ汁や、スープシリーズ、お食事シリーズ、フリーズドライの匠シリーズなどを通し、皆さんの食卓に驚きや笑顔をお届けできたら、これ以上にうれしいことはありません。

アマノフーズはこれからもフリーズドライ食品に真摯に向き合い続けてまいります!

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