レシピ 2020.03.30
酒盗の旨味がアクセント! 春の味覚「あさりと菜の花の酒盗入り酒蒸し」
ぽかぽかと春らしい季節になりました。春になると恋しくなるのが、ほんのりとした苦味を感じる春野菜。大人になるにつれ、そのおいしさに虜になっている方も多いのでは?
鮮やかな緑と、黄色い花弁がかわいらしい菜の花は春の味覚の代表格。そんな菜の花をおいしく食べるレシピを発酵料理家の真野遥さんにお聞きしました。
今回ご紹介するのは、日本酒にあう菜の花の副菜レシピ。日本酒に合う「発酵料理」をテーマに料理教室を開催している真野さん。日本酒とのペアリングについても教えてくれましたよ!
|レシピ手帖|
酒盗とおいしい日本酒が味の決め手!「あさりと菜の花の酒盗入り酒蒸し」
春の食材「菜の花」を使った副菜。今回はあさりと一緒に酒蒸しにし、味付けに「酒盗」と「塩麹」を使います。
「酒盗」とはカツオやマグロなどの魚介類の内臓を塩蔵熟成し、発酵させた塩辛のこと。その昔、お殿様が「お酒を盗みたくなるほど箸が進む!」と言ったことから“酒盗”と呼ばれるようになったのだとか。
ちなみに、一般的に「塩辛」と呼ばれるものは内臓と身の両方を使用したもので、「酒盗」は内臓のみ使用したもの。そのため、酒盗はそのまま調味料として使いやすいのも特徴です。
【時間】…10分(砂抜き時間別途60分)
【材料】…2人分
・あさり…200g
・菜の花…6〜7本
・新玉ねぎ…1/2個
※通年売られている「玉ねぎ」でも代用可能。その場合、新玉ねぎと火の通り具合が違うため、薄切りにして使うのがおすすめです。
・にんにく…1かけ
・オリーブ油…大さじ1
<調味料 A>
・酒…70cc
・塩麹…小さじ1/2
・酒盗…小さじ1/2
※塩辛の場合は身がゴロゴロしているので刻んで使うのがおすすめです。
【下準備】
・<調味料A>を合わせておきます。
・ボウルに500mlの水と15gの塩(分量外)を溶かし、あさりを入れます。アルミホイルをかぶせ、常温で1時間ほど置き砂抜きします。
<POINT!>
時間がない方は、「5分で砂抜きする裏ワザ」をチェック!
【作り方】
1.よく水洗いした菜の花を2等分に切り、穂先と茎を分けておきます。新玉ねぎは8等分のくし切りに、ニンニクは薄切りにしましょう。
2.砂抜きしたあさりをこすり洗いし、フライパンに並べます。にんにく、新玉ねぎ、菜の花の茎も加えて並べ、<調味料A>をまわしかけます。
菜の花の穂先を最後にのせ、オリーブ油をまわしかけます。
<POINT!>
あさりのこすり洗いは、新しく作った塩水で行いましょう。新玉ねぎはフライパンの底につくように置くと、しっかりと火が通り甘みが増しますよ。
3.フライパンに蓋をし、強火にかけます。ぐつぐつしてきたら中火にし、あさりの殻が開くまで3分ほど加熱。あさりの殻が全て開いたら完成です!
ポイントは「酒盗と塩麹で味つけること」! 酒盗の塩辛さと独特の香り、塩麹の旨味が菜の花のほろ苦さを引き立ててくれます。あさりの旨味、新玉ねぎの甘みも絶妙にマッチ。
真野さん:「酒盗はお酒のアテにぴったりですが、アンチョビのように調味料としても使えます。スーパーでも購入できるのでぜひチェックしてみてください!」
菜の花の苦味と酒盗の旨味に、オリーブ油のコクが加わり大人な味わいの一皿です。柚子の香りがアクセントの『減塩にゅうめん すまし柚子』を添えたら、上品な和の食卓になりました。
■「あさりと菜の花の酒盗入り酒蒸し」に合う日本酒は?
このレシピにどんな日本酒をペアリングしたらいいか真野さんにお聞きしました。
真野さん:「ほのかな苦味が特徴の春の味覚には甘口の日本酒が◎。うすにごりの“春酒”もぴったりですよ♪ ちなみに酒蒸しの調理に使うのは旨口の純米酒”がオススメ。飲んでおいしい日本酒を選ぶと味わい深くなりますよ。素材を活かすためにあまり個性的じゃないものがいいですね」
フライパンに並べたらあとは加熱するだけ。驚くほど簡単なのに料亭のような味わいに。お好きな日本酒とともに、春の食卓の1品にいかがでしょうか?
写真/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)
本日の一品
定番のにゅうめんの塩分を抑えたやさしい味わい。すまし汁のようにいただけるふんわりかき玉子としいたけ、柚子の香りが上品な一杯です。軽い食事や、お夜食にもオススメ。
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教えてくれた人
1990年生まれ。法政大学人間環境学部卒業。ものづくりに興味を持ち、新卒で素材系商社に就職するものの「一番身近なものづくりは料理である」と食の道へ。 現在は、日本酒に合う発酵料理の提案を中心に、レシピ開発や料理教室講師など幅広く活動している。
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