レシピ 2020.12.24
【ポリ袋でつくる防災食レシピvol.1】ひとつの鍋でケチャップライスとオムレツを同時調理!「お湯ポチャレシピ® オムライス」
災害が多い日本。もしもの時のために、日頃から備えておくことが大切です。
防災グッズはもちろんのこと、温かい食事は心身ともに災害を乗り切るために欠かせないもの。そこで今回は、防災食アドバイザーとして活躍する今泉マユ子さんに災害時でもおいしく食べられる「防災食レシピ」を教えてもらいました。
3.11がきっかけで“防災食アドバイザー”の道へ
防災食アドバイザーとして、各地で講演や講座を行うだけでなく、テレビやラジオといったメディアでもその大切さを伝えている今泉さん。もともとは管理栄養士として保育園や企業の社食で勤務していましたが、あることがきっかけで“防災食”の大切さに気づいたのだそう。
様々な媒体で防災食の大切さを伝えている今泉さん
今泉さん:
「2011年3月。当時、幼稚園年長だった息子が『お留守番をしたい!』と言い、生まれて初めて留守番にチャレンジした日、東日本大震災が起きました。外出していた私は、幸いすぐに帰宅できたのですが、もし帰宅できなかったらと考えると恐ろしいです」
災害時、必ずしも家族と一緒とは限らない。今泉さんは普段から非常食の備蓄をしていたそうですが、家族全員がその内容を把握していなければ機能しないことを知りました。
そこで覚えておきたいのが、家族全員が把握できる“3つの見える化”です。
■防災食の原則「3つの見える化」
1.「どこに保管しているのか」見える
2.「食べ方」が見える
3.「賞味期限」が見える
今泉さん:
「私はどこに何を保管してあるのか把握していますが、夫も子どもも知りませんでした。実際に非常食を見つけられたとしても、子どもたちは食べ慣れていないので非常食の食べ方がわからなかったと思います」
非常食の保管場所を家族と情報共有し、普段から食べながら備える「ローリングストック」の習慣をつけておくことが大切なのです。
普段から作ってみよう! 災害時に役立つポリ袋を使った「お湯ポチャレシピ®」
ご自身の経験から、防災食の重要性を多くの人たちに伝えている今泉さんが提唱しているのがポリ袋を使用した「お湯ポチャレシピ®」(※)です。
災害時、限られた資源である水を有効活用し、洗い物を最小限に抑えた調理法です。少ない材料&簡単な工程で完成するから驚きです。
今回はその中から、「オムライス」を作ってもらいました!緊急時、焦らず落ち着いて作るためにも、普段から作る練習をして備えましょう。
※お湯ポチャレシピ®は株式会社オフィスRMの登録商標です
お湯ポチャレシピ®の注意点①
「お湯ポチャレシピ®」には、必ず耐熱性が高い「高密度ポリエチレン製のポリ袋」のみを使用してください。透明のポリ袋は熱に弱いため絶対に使用しないように!
熱に強い「高密度ポリエチレン製のポリ袋」はスーパーやドラッグストアなどでも市販されています。原料表示を確認の上、備蓄品の1つとして購入しておくと便利ですよ!
お湯ポチャレシピ®の注意点②
「お湯ポチャレシピ®」を実践する際は、鍋底の熱でポリ袋が溶けないよう、必ず鍋底に耐熱性の皿を敷いてから調理してください。
ちょうど良いサイズの皿がなければ、アルミホイルを巻いた紙皿やザルでも代用できます。
ポリ袋でご飯も炊けちゃう!「お湯ポチャレシピ® オムライス」
「お湯ポチャレシピ® オムライス」のレシピ
(料理監修 / 今泉マユ子)
- 材料(1人分)
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<ケチャップライス>
・米…75g ※災害時は水を節約するため無洗米がオススメ
・水…1/2カップ(100㎖)
・ケチャップ…大さじ2
・一口ドライサラミ…1個(4.5g)
<オムレツ>
・卵…2個
・とろけるチーズ…20g
・塩…ひとつまみ
40分
作り方
高密度ポリエチエン製のポリ袋に米と水を入れます。そこにキッチンバサミで5ミリ幅に切ったドライサラミとケチャップを入れ、ポリ袋の上から軽く揉みます。空気を抜きながらねじり上げ、袋の開口部の近くで結びます。ムラができないよう、全体を広げ平らにします。
POINT
「お湯ポチャレシピ®」には、必ず耐熱性が高い高密度ポリエチレン製のポリ袋を使用してください。気になる方は二重に使用してもOK。ご飯やオムレツを作る際はマチなしタイプを使うとムラができにくいのでオススメです。
高密度ポリエチエン製のポリ袋にオムレツの材料を全て入れ、ポリ袋の上から軽く揉みます。空気を抜きながらねじり上げ、袋の開口部の近くで結びます。ムラができないよう、全体を広げ平らにします。
底に耐熱性の皿を敷き、1/3〜1/2の水を入れた鍋に2つのポリ袋を入れ、蓋をして火をつけます。沸騰したら弱火にし、コトコト20分間加熱します。20分経ったら、火を止めて蓋をしたまま10分間蒸らします。
POINT
鍋底の熱でポリ袋が溶けないよう必ず耐熱性の皿を敷いてください。ちょうど良いサイズの皿がなければ、アルミホイルを巻いた紙皿やザルでも代用できます。また、蓋をする際はポリ袋が焦げないよう端まで全て鍋の中に入れましょう。
ケチャップライスにオムレツを乗せ、ケチャップをかけたら「お湯ポチャレシピ® オムライス」の完成です!ケチャップライスは袋の上から楕円状に形を整えると本格的な仕上がりに。
ポリ袋で作ったケチャップライスですが、驚くほどにふっくらと炊き上がっていてびっくり!
今回はケチャップとドライサラミで味付けしていますが、もちろんお米をそのまま炊けばご飯になりますし、材料を変えればピラフにもアレンジできます。チーズ入りオムレツもふんわりとした食感に仕上がっています。
お湯ポチャレシピで作ったオムライスに添えたのは「Theうまみ ねばねば具材の和風スープ」。しっかりとした味わいのオムライスに、爽やかな柚子の香りが利いたスープがマッチします。
防災レシピは常温保存できる材料で作ることが前提ですが、今回はコクと香りをプラスするため、オムレツにとろけるチーズを入れました。実はこれ、日常的に作るためのポイントなのです。
今泉さん:
「防災食は、災害時に落ち着いて作れるように日頃から作ることが大切です。日常的な食事として作る場合は、ちょっと味にこだわって、自分好みの味付けを楽しんでみてください。そしてお湯ポチャレシピ®用に高密度ポリエチレン製のポリ袋を常備しておいてくださいね」
最後に、調理におけるポイントとその理由をまとめました。このポイントを意識しながらお湯ポチャレシピ®を作ってみてください。
1.ポリ袋内の空気をなるべく抜く
→鍋内に浮かないようにし、効率よく加熱する
2.ポリ袋の開口部近くで結ぶ
→ポリ袋を器にかぶせた時汚れにくく、水を無駄にしない
3.鍋にふたをする
→鍋内の熱を逃さず、効率よく加熱できる
災害時は水と火がとても貴重になります。無駄にしないような調理法を日頃から試して、もしもの時に備えましょう。
写真/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)
本日の一品
具材に注目した、あふれる「うまみ」のねばねば具材のスープです。おくら、山芋、めかぶの3種類のねばねば具材を使用し、かつおベースの和風スープにふわりとやさしく柚子が香る一杯に仕上げました。
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教えてくれた人
管理栄養士・防災士
今泉マユ子さん
1969年徳島市生まれ。管理栄養士として大手企業社員食堂、病院、保育園に長年勤務。食育、災害食に力を注ぎ、2014年に管理栄養士の会社「株式会社オフィスRM」を起業。レシピ開発、商品開発に携わるほか、防災食アドバイザーとして資格をいかし、全国各地で講演、講座を行うだけでなく、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などでも活躍中。
1969年徳島市生まれ。管理栄養士として大手企業社員食堂、病院、保育園に長年勤務。食育、災害食に力を注ぎ、2014年に管理栄養士の会社「株式会社オフィスRM」を起業。レシピ開発、商品開発に携わるほか、防災食アドバイザーとして資格をいかし、全国各地で講演、講座を行うだけでなく、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などでも活躍中。
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