レシピ 2022.01.26
電子レンジで簡単! しっとり&ふわふわ、厚焼きタイプの「基本の卵サンド」
サンドイッチの大定番といえば「卵サンド」! ゆで卵をマヨネーズで和えたものもあれば、厚焼き卵を挟んだものもあり、地域ごとに愛される作り方がありますよね。
今回ご紹介するのは、厚焼き卵の「卵サンド」。お菓子だけでなくパンにも造詣が深い料理研究家・山本ゆりこさんが、電子レンジで作る手軽なレシピを教えてくれました。
著書『パンのトリセツ』に学ぶ、パンの切り方・焼き方・味わい方!
『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)
フランス・パリにある2つの有名製菓学校で学び、そのままパリのホテルやレストラン、パティスリーで修業を積んだ山本さん。12年にもわたるパリ暮らしの知見を活かし、現在は菓子・料理研究家として活躍しています。フランスを中心にヨーロッパの伝統菓子や食文化を紹介する書籍を、これまでになんと30冊以上も出版しています。
なかでも興味深いのは、2021年5月に発売された『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)。パンの研究所「パンラボ」を主宰する池田浩明さんとの共著で、食パンやバゲット、ベーグルなど12種類もの食事パンについて深く掘り下げています。それぞれのパンが生まれた国での食べ方のほかに、切り方や焼き方、味わい方まで! まさに“パンの取扱説明書”です。
例えば「切り方によってキャラを変える」と題した食パンのページでは、4枚切りから12枚切りまで、スライスの厚さによって変わる風味や食感の違いなどが詳しく解説されています。
その他、角食と山食の違いに始まり、個性豊かな食パンの持ち味を示すグラフ、焼き方、アレンジ方法…と情報が盛りだくさん! パンの入門書として必携の1冊です。
池田さんの一声で誕生したレンチン「卵サンド」
今回教えてくださる「卵サンド」も『パンのトリセツ』から生まれたレシピなのだとか。
山本さん:「この卵サンドは書籍の制作当時、池田さんに『ぜひ加えたい』と言われて開発したレシピです。関西で主流の厚焼き卵タイプの卵サンドは出汁巻き卵がベースになっているものが多いですが、ふわふわのプレーンオムレツにしてみたくて、牛乳と少量の砂糖を加えて作っています。ポイントは味にアクセントをつけるために塗る辛子マヨネーズ。ピリッとした和辛子の風味が、卵の甘みをグッと引き立てるんです」
確かにオムレツタイプの卵サンドはあまり見かけたことがないですね。またサンドイッチといえば、水分が出てベチャッとなってしまったり、うまく切れなかったりと難しい点も多いもの。上手に作るコツはあるのでしょうか?
山本さん:「サンドイッチは水分が大敵。まずは油脂で膜を張るイメージで、パンにバターを綺麗に塗ってガードしましょう。具材の水分もキッチンペーパーなどでしっかり拭き取ります。また、具材を挟んだパンを切るときですが、挟んですぐ切るのでなく、ラップで包んだら具材とパンがなじむまで10分ほど置くのがコツです。その後、ラップで包んだまま切るのがおすすめです。包丁もあらかじめ研(と)いでおくのがいいですね」
では、お聞きしたコツを踏まえて「基本の卵サンド」を作ってみましょう!
火を使わないで作る「基本の卵サンド」
「電子レンジで作る基本の卵サンド」のレシピ
(料理監修 / 山本ゆりこ)
- 材料
-
角食パン(6枚切り)…2枚
バター(室温に戻す)…5g
<厚焼き卵用>
卵…3個
牛乳…50ml
塩…小さじ1/5
砂糖…小さじ1 ※お好みで少し減らしてもOK
マヨネーズ…大さじ1
<辛子マヨネーズ用>
マヨネーズ…大さじ1
和辛子…小さじ1/4
20分
作り方
厚焼き卵を作ります。耐熱ボウルに牛乳、塩、砂糖を入れ、電子レンジ(500W)で30秒加熱し、よく混ぜます。別のボウルに卵を割り入れ、お箸でしっかり溶きほぐし、ザルで漉(こ)します。
POINT
漉すことで卵黄と卵白がきれいに混ざり合い、きれいな卵サンドになります。見た目を気にしない場合は漉さなくてもOK!
卵白がザルに残ってしまいがちなので、ゴムべらできれいに漉し出しましょう。
牛乳を温めたボウルにとき卵を入れたら、マヨネーズも加えてよく混ぜ、卵液を作ります。底面が食パンと同じ程度の大きさ(少し小さくてもOK)の保存容器に卵液を流し入れます。
POINT
マヨネーズは完全に混ざらなくてもOK。写真のように米粒くらいになるまでを目安にしてください。
ここから2の卵液を大きく3回に分けて電子レンジで加熱します。
1回目はラップを軽くかけてから電子レンジ(500W)で1分30秒加熱し、お箸でよくかき混ぜます。
2回目はラップを軽くかけ直し、電子レンジ(500W)で30秒加熱します。その後、お箸をジグザグの方向に動かしながらよくかき混ぜます。
3回目はラップを軽くかけ直し、電子レンジ(500W)で20秒加熱します。加熱時間は季節で多少異なるので、固まるまで20秒ずつ加熱していきましょう。
POINT
1回目の加熱では、保存容器の四隅が先に固まります。マヨネーズのかたまりと一緒に、きれいな卵液になるまで丁寧にほぐしていきましょう。
2回目の加熱後は、全体的に固まり、卵液が少し流れ出るくらいを目安にしてください。
保存容器と卵の間にゴムべらなどを差し込み、卵を外します。広げたラップの上に3をひっくり返し、ラップでしっかり覆ってからパンの大きさに合うように形を整えます。
POINT
出来立ては熱いので、ミトンなど使用すると◎。
辛子マヨネーズを作ります。小さいボウルにマヨネーズと辛子を入れ、よく混ぜます。パンの片面にバターを塗り、もう1枚の片面に辛子マヨネーズを塗ります。
広げたラップの上に、バターを塗ったパン、卵の順にのせます。もう1枚のパンではさんでから全体をラップで覆って包み、室温(または冷蔵庫)で最低10分置きます。
室温(または冷蔵庫)で寝かせたら、ラップごとパンの耳を切り落とします。その後、ラップを外し2つの対角線で切って4等分にし、お皿に盛り付けたら完成です。
POINT
保存容器のふたを押さえと定規代わりにし、こまめに包丁を動かすと上手に切れます。
フライパンを使わず、電子レンジだけで作れる卵サンド。ふわふわの食感と、優しい甘みが口の中に広がり、すっきりした酸味のある「Theうまみ 揚げなすの完熟トマトスープ」とも相性ぴったり。
卵にボリュームがあるので、食パンは8枚切りではなく厚みのある6枚切りを使うことでバランスよくなるのだとか。フライパンを使わず、電子レンジだけで厚焼き卵が作れてしまうことも驚きです。
山本さん:「電子レンジは熱が一点に集中するため、ずっと加熱すると卵が固くなってしまいます。短時間加熱して混ぜることを繰り返し、熱を分散させることが加熱ムラをなくすコツです」
喫茶店で味わうような、しっとり&ふわふわの卵サンドが手軽に楽しめます!身近な材料で作れるので、ぜひ試してみてくださいね。
文/田窪 綾
本日の一品
具材に注目した、あふれる「うまみ」の揚げなすのスープです。とろっとした食感が楽しめる揚げなすを使用し、相性の良い完熟グリルトマトと完熟トマトペーストで濃厚な味わいの一杯に仕上げました。
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教えてくれた人
菓子・料理研究家、カフェオレボウル収集家
山本ゆりこさん
福岡市出身&在住。日本女子大学家政学部食物学科卒業後、97年にパリへ。2つの製菓学校でディプロムを取得後、現地にて修業にはげむ。2000年からフランスをはじめとするヨーロッパの食文化やライフスタイルについての執筆活動中心に。現在もパリで12年間暮らした経験を活かし、34冊目を執筆中。近著にパンラボ主宰池田浩明氏との共著『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)がある。
Instagram福岡市出身&在住。日本女子大学家政学部食物学科卒業後、97年にパリへ。2つの製菓学校でディプロムを取得後、現地にて修業にはげむ。2000年からフランスをはじめとするヨーロッパの食文化やライフスタイルについての執筆活動中心に。現在もパリで12年間暮らした経験を活かし、34冊目を執筆中。近著にパンラボ主宰池田浩明氏との共著『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)がある。
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