レシピ 2021.11.24
薄くカットされた先端が返しやすい! 大久保ハウス木工舎の『木のへら』で作る「にんじんとディルのきんぴら」
炒めたり混ぜたりと、毎日の料理づくりに欠かせないのが「へら」。木製やゴム製など素材の違いがあり、形も多岐にわたりますが、自分の手にしっくり馴染むものを探すのはなかなか難しいですよね。
雑誌や広告など撮影現場へのケータリングを中心に活躍する料理家の濱守球維さんが「今はこれしか使っていない」と長年愛用しているのが、大久保ハウス木工舎の『木のへら』です。
今回はこのへらを使って「にんじんとディルのきんぴら」を作っていただき、その使い勝手の良さについて伺いました。
知人からの勧めがきっかけで小料理屋の店主に
レコードショップでのバイヤーからスタートし、その後レコード会社で制作宣伝と音楽業界に携わってきた濱守さん。料理の仕事を始めるきっかけは何だったのでしょうか。
濱守さん:「転職を考えていたある時期、知人に『小料理屋さんの仕事を手伝ってみない?』と声をかけられたんです。そのお店は渋谷の「のんべえ横丁」にあり、店主は大正生まれのおばあちゃんでした。最初は『歯にもの着せぬ言い方で厳しいな』と思っていたんですが、どの言葉にも嘘がない。私ももともと料理が好きでしたし、おばあちゃんの性格がわかってからは楽しく働いていました。でもしばらくして、そのおばあちゃんが亡くなってしまったんです。常連さんが多いお店だったので閉店してしまうのは忍びなくて…、その場所で店主として計7年勤めました」
そのうち、常連さんからのリクエストで料理を教えるようになり、また別の方からの依頼でケータリングも請けるように。濱守さんの料理が評判を呼び、仕事の幅がどんどん広がっていきました。
とある日のロケ弁。焼き魚をメインに野菜の彩が美しい!
現在は撮影現場へのロケ弁作りや、ケータリングを担当するほか、雑誌やメディアなどへのレシピ提供、料理教室「たまごはん©︎」の開催など多彩な活動を行っています。
鍋肌に添うカーブですくいやすい! 使い心地が良い『木のへら』
長野県松本市で、生活に密着した木の生活道具を製作している大久保ハウス木工舎。木工作家の大久保公太郎さんがひとつひとつ鉋(かんな)で削り、丁寧に仕上げています
へらマニアで、これまで数々のへらを使ってきたという濱守さん。7~8年前によく行く器屋さんでたまたま見つけたのが、大久保ハウス木工舎の『木のへら』です。
濱守さん:「持ち手が細くなっていて、ちょっと独特な形ですよね。右手と左手用があって、すごく握りやすい。また、一般的なへらよりも先が薄くなっていて、鍋肌にフィットする絶妙なカーブ。この薄さが食材を返しやすく、そしてすくいやすいんです。先端部分がカットされているのも、このへらの特徴。この部分はひき肉をほぐすのにとても便利です」
先端がカットされたユニークなフォルム
折に触れてやすりをかけ、オイルを塗り込み…と長年使い続けている木のへら。濵守さんは2本持っていますが、どちらもへらの先が削れて丸みを帯びるほど使い込まれています。
今回は、愛用のへらを使って、「にんじんとディルのきんぴら」を作っていただきました!
冷めてもおいしい! 作り置きにもぴったりな「にんじんとディルのきんぴら」
「にんじんとディルのきんぴら」のレシピ
(料理監修 / 濱守球維)
- 材料(2人分)
-
・にんじん…2本
・ディル…1パック
・新しょうが…1かけ
※一般的なしょうがを使う場合は新しょうがを使うより辛くなるので、少なめにしましょう。
・鷹の爪…1本
・米油…大さじ1(サラダ油でも代用可)
・ごま油…小さじ1
・砂糖…大さじ1
・しょう油…小さじ2(小さじ1ずつ、2回に分けて使います)
10分
作り方
にんじんはよく洗って皮を剥き、大きめのささがきにします。新しょうがは、にんじんによく絡むよう1㎝程度の粗みじん切りします。ディルは太い茎を切り落とし、みじん切りに。鷹の爪は種を取り、みじん切りにします。
POINT
・千切りにすることが多いきんぴらのにんじんは、大きめのささがきにすることで食べごたえアップ!
・鷹の爪は種が入っていると辛くなりすぎてしまうので、しっかり取り出しましょう。
温めたフライパンに米油をひき、強めの中火で熱したら、にんじんを入れて炒めます。油がなじんでツヤが出てきたら砂糖を振り入れ、さらに炒めます。
POINT
途中で砂糖を加えると、浸透圧で食材の水分が外に出てきます。充分に加熱して水分を蒸発させることで、その後加える調味料がしっかり入りやすくなります。
にんじんのふちが透き通ってきたら、しょう油を小さじ1入れて炒めます。全体に行き渡ったら新しょうが、鷹の爪を加えて炒めます。
POINT
しょう油は一度に加えてしまうと風味が飛んでしまうため、2回に分けて入れます。最初に入れるしょう油が味のベースになり、にんじんの甘さを引き出します。
残りのしょう油を入れ、香りが立ったらごま油を加えて炒めます。ごまを振り入れて炒め合わせたら火を止め、粗熱が取れてからディルを加えて完成。
POINT
ごまを加える時は指でひねりつぶしながら入れると香りが出ます。ディルは熱で黒く変色してしまうので、にんじんが少し冷めてから加えましょう。
色鮮やかに仕上がったきんぴらの横には、『まごころ一杯 定番こまつ菜と大根』を並べて。彩り豊かな組み合わせになりました。
ひと口食べるとにんじんの甘味がふんわり伝わってくるだけでなく、爽やかなディルの香りもアクセントに。優しい味わいと軽い食感が楽しくて、どんどん食べ進められてしまうおいしさです。
濱守さん:「ケータリングでよくキャロットラペを作るのですが、違うにんじん料理もレパートリーに加えたいなと考えたレシピです。にんじんは甘いので一度にしょう油を入れるとすべて吸い込んでしまい、しょう油のパンチが弱くなります。2回に分けて入れることで、にんじんの中だけでなくまわりにも味がのるんですね。さらに、しょう油の使いすぎも防ぐことができますよ」
サーモンのソテーなどで使われることが多いディルが、にんじんと合うのも驚きです。
濱守さん:「大葉と同じように、さまざまなハーブも手軽に使える存在。にんじんはパクチーも合いますが、ディルもおすすめです。ディルは他にもアジフライの衣に刻んで入れたり、タルタルソースに加えてみたりするのもいいですね。料理の可能性が広がりますよ」
そう聞くと、色々な料理に使ってみたくなりますね! ハーブを味方に付けて、いつもの料理を少し変えてみるのも楽しそうです。
大久保ハウス木工舎の『木のへら』
3960円(税込)
※記事公開当時の情報のため、商品の名称や仕様、お取り扱い状況などが変更となっている場合がございます。
撮影/佐藤 侑治
文/田窪 綾
本日の一品
味と香りが引き立つ重ねだし製法に、まろやかな十割糀みそをブレンドして使用。甘みのある大根と鮮やかな色味の小松菜で、ホッと和むひとときを過ごせます。
-
教えてくれた人
料理家。1972年生まれ、北海道出身。レコード会社で制作や宣伝を務めたのち料理業界へ。雑誌や広告撮影現場などへのケータリング「たまごはん©︎」を主宰するほか、雑誌やメディアなどへのレシピ提供、料理教室も実施。定番料理でも具材や調味料を変えるなど、自由な発想や解釈で生み出される料理が大人気で芸能界にもファンが多い。著書に「おつまみ便利帖」(幻冬舎)。
Instagram / HP
いつものおみそ汁人気商品ランキング
※ランキングは2022年12月~2023年11月の弊社流通出荷実績です。