レシピ 2021.12.21
軽い力でもラクラク! 『ザ・おろし』で作るベトナムの家庭料理「おろし長いもと豚ひき肉のスープ」
食材をしっかり握って、力を込めて前後にごしごし。調理工程の中でも“すりおろす”作業は意外と力仕事! 終わったあとはドッと疲れが…、なんてことありませんか?
そんなお悩みを解消するべく作られたのが、新考社の『ザ・おろし』です。切れ味の良い特殊な刃や、湾曲したちょっと変わったフォルムが特長。ベトナム料理研究家・伊藤忍さんも愛用者のひとりです。
日本での調理法と真逆! 今までの知識を捨てて取り組んだベトナム料理
ベトナム料理に魅せられおよそ20年。長年ベトナム料理の研究を続け、現地の食文化や郷土料理にも精通する伊藤忍さん。
かつてはフードコーディネーターとして約6年間、雑誌や広告などに掲載する料理のスタイリングや食品メーカー向けのメニュー開発などに携わっていたそうです。そこからなぜベトナム料理の研究の道に進んだのでしょうか?
伊藤さん「ベトナム旅行で訪れた現地の料理教室で、日本とはまったく違う料理の考え方に驚いたんです。例えば和食の煮物などは「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(しょう油)・そ(みそ)」というように、調味料を入れる順番が決まっていて、薄味から段々と味を調整していきますよね。でもベトナムでは先にすべて調味料を入れ、薄めながら味を整えていくんです。私は短大時代、家政科の調理科学研究室で「さしすせそ」の実証実験をしていたので『この作り方で本当にいいの?』とびっくりしました(笑)。自分の食の知識や経験が一切通用しない不思議なベトナム料理が気になり、旅行のたびに料理教室を訪れるようになりました」
ベトナム料理を覚えたいのに、今まで身につけた知識が邪魔をしてしまう。頭の中を白紙に戻し、自分でベトナム語を覚えてイチから学ぼう――。
そう考えた伊藤さんは仕事を辞め、自宅を引き払ってホーチミン市へ移住。現地で募集のあったカフェ兼料理教室の立ち上げに参加し、マネージャーとしてメニュー開発や料理教室の運営に携わるなど、およそ3年半を過ごしたそう。
伊藤さんの料理教室には、かわいらしいベトナム雑貨がたくさん!
コロナ禍前までは頻繁にベトナムに通い、常に知識をアップデートしてきた伊藤さん。今年で18年目を迎えるベトナム料理教室『an com (アンコム)』でのレパートリーは600種類以上! 手軽に作れるものからマニアックなものまで多種多様なベトナム料理を指南し、料理初心者から飲食店を経営している人まで幅広い生徒さんが学んでいます。
ワザありの形と刃の並び! ラクにおろせる新考社の『ザ・おろし』
特殊なステンレス刃と湾曲した形が特長。洗う時はおろし金を裏返し、サッと水で流すだけ。繊維も絡まずスッキリ取れます
料理教室で、タピオカの原料となるキャッサバを使うベトナムのケーキ『バイン ホアイ ミー ヌン(焼きタピオカ芋ケーキ)』を教えている伊藤さん。そのレッスンで欠かせないアイテムが、新考社の『ザ・おろし』です。
伊藤さん:「教室ではさつまいもを代用して作ります。固い生のさつまいもも、このおろし金で受け皿の傾斜に沿ってすりおろすと、スッと動かせて疲れないんです。穴と穴が交互に並び、あえて均一ではない刃、おろし面も湾曲しているというユニークなフォルム。この形のおかげで繊維の引っ掛かりが少ない上に、まんべんなく力が入ります。今までさまざまなおろし器を使いましたが、こちらが一番使いやすくて、もう6~7年愛用しています」
伊藤さんの料理教室で『ザ・おろし』を使用すると、その使い心地の良さにその場でスマホからポチッと購入する生徒さんが続出するのだとか(笑)。今回はこの『ザ・おろし』を使って作る、ベトナムの伝統的な家庭料理「おろし長いもと豚ひき肉のスープ」を教えていただきました。
なめらかな食感とコク深さ。素朴な味がホッとする「おろし長いもとひき肉のスープ」
「おろし長いもと豚ひき肉のスープ」のレシピ
(料理監修 / 伊藤忍)
- 材料(2人分)
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・長いも…150g前後
・細ねぎ…2本
・パクチー…適量
・干し海老…10g
・豚赤身ひき肉…100g
・米油…大さじ1 ※サラダ油でもOK
・水…2カップ
・コショウ…少々
<調味材 A>
・ヌックマム…大さじ1
・コショウ…少々
<調味材 B>
・ヌックマム…適量
・砂糖…ひとつまみ
30分
作り方
細ねぎは、上の青い部分と下の白い部分に切り分けます。青い部分は小口切りに、白い部分はみじん切りにします。パクチーも小さく刻んでおきます。
POINT
細ねぎの白い部分は、先に包丁の腹でつぶしてからみじん切りにするとグッと香りが引き立ちます。
干し海老はサッと洗ってから容器に入れ、干し海老を大さじ2の湯(分量外)で10分ほどもどします。やわらかくなったら、干し海老だけ取り出して包丁で小さく刻みます。戻し汁は後で使うので、捨てずに取っておきます。
POINT
干し海老の表面についた汚れなどを取り除くため、お湯に浸す前にサッと洗いましょう。
豚ひき肉に1の細ねぎの白い部分と<調味材 A>を加えます。練らないようにサクサクと混ぜたら、下味を付けるため5分程度置きます。
POINT
・脂が多いひき肉だと旨み成分少ないため、豚ひき肉は赤身を選びましょう。
・ポロポロ食感に仕上げるため、豚ひき肉は粘り気が出ないようさっくりと混ぜます。
鍋に米油と2の刻んだ干し海老を入れて弱火にかけます。ヘラで混ぜて炒め、干し海老の香りが立ってきたら3を入れてさらに炒めます。
豚ひき肉の表面に火が通ったら、2の戻し汁の全量と水を加えて強火にします。沸騰したら弱火に戻してアクを取り、6~7分煮ます。
POINT
・干し海老は焦がさないよう、鍋を温める前に入れます。
・豚ひき肉は塊があればほぐし、ポロポロの状態にしていきましょう。
豚ひき肉と干し海老から出汁が出たら、火を止め粗熱を取ります。長いもをすりおろしたら、鍋に入れゆっくりと混ぜましょう。全体的に混ざったら、再び火をつけ弱火で加熱しながら、<調味材 B>を入れます。
POINT
・スープが熱いうちにすりおろした長いもを入れると火が通って固まり、食感が変わってしまいます。粗熱が取れてから加えましょう。
・長いもは、変色を防ぐため、鍋に入れる直前にすりおろしましょう。
器に盛り、細ねぎの青い部分とパクチー、コショウを散らしたら完成!
豚肉の旨みと長いものトロトロ食感からなる滋味深い味わい。素朴なおいしさで、心がホッと落ち着きます。細ねぎとパクチーの香りとコショウの爽やかさもアクセントに。
伊藤さん:「この料理はベトナムの家庭料理のひとつで、ベトナム、特に南部の地域では紫の山芋がよく使われます。ベトナムの紫山芋は長いもに似ていてシャリシャリ&トロトロ食感。鮮やかな紫色でちょっとびっくりしますが、優しい味わいで長く親しまれているスープです。豚肉でだしを取る文化もベトナムならではですね。米食文化が根付いているベトナムでは、このスープをごはんにかけて食べるのが定番なんですよ」
日本ではフォーやバインミーがベトナム料理の有名ですが、実は家庭料理にこそベトナム料理の魅力が詰まっているんだとか。
気負わずに、思い立った時にサッと作れる「おろし長いもとひき肉のスープ」。伊藤さんが教えてくれるひと手間でグッと現地の味に近づきます。朝食や夜食に、テレワーク中のランチにも良さそうですね。
【愛用品の詳細】
新考社の「ザ・おろし」
2000円(税別)
※記事公開当時の情報のため、商品の名称や仕様、お取り扱い状況などが変更となっている場合がございます。
写真/パタヤナン・ワラット(vvpfoto)
文/田窪 綾
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教えてくれた人
ベトナム料理研究家
伊藤忍さん
神奈川県生まれ。短大の家政科を卒業後、フードコーディネーターとして活動。旅行をきっかけにベトナム料理に魅せられ、2000年から3年半にわたりベトナム・ホーチミンに移住。一般家庭やレストランなどさまざまな場所で現地の料理を学び、地方を含むベトナムの食文化研究に没頭する。帰国後、ベトナム料理教室「an com(アン コム)」を主宰するほか、書籍や雑誌など各種メディアでベトナム料理の奥深さを発信。近書に「ホーチミンのおいしい!がとまらない ベトナム食べ歩きガイド」(アノニマ・スタジオ/足立由美子さん、鈴木珠美さんとの共著)など。
HP / Instagram / Facebook神奈川県生まれ。短大の家政科を卒業後、フードコーディネーターとして活動。旅行をきっかけにベトナム料理に魅せられ、2000年から3年半にわたりベトナム・ホーチミンに移住。一般家庭やレストランなどさまざまな場所で現地の料理を学び、地方を含むベトナムの食文化研究に没頭する。帰国後、ベトナム料理教室「an com(アン コム)」を主宰するほか、書籍や雑誌など各種メディアでベトナム料理の奥深さを発信。近書に「ホーチミンのおいしい!がとまらない ベトナム食べ歩きガイド」(アノニマ・スタジオ/足立由美子さん、鈴木珠美さんとの共著)など。
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