レシピ 2022.01.25
朝食にもおやつにも!毎日の暮らしになじむ『カフェオレボウル』の多彩な使い方
コロンと丸いフォルムがかわいらしい、フランス生まれの器「カフェオレボウル」。その歴史は長く、色やデザインも豊富で日本でも根強い人気があります。
「日本での呼び名と違い、現地では『bol(ボル)』と呼ばれています。フランス留学時代にその魅力に惹かれ、帰国した今でも毎日使っています」と話してくれたのは、菓子・料理研究家の山本ゆりこさん。
山本さんはカフェオレボウル収集家としても知られており、多い時は400個近くものカフェオレボウルを所有していたんだとか!一冊まるごとカフェオレボウルを紹介する著書も出版している山本さんにその魅力を教えてもらいました。
『カフェオレボウル 新装版』(六耀社)
山本ゆりこさんがパリの蚤の市などで集めたカフェオレボウルの中から150点を紹介。絵柄の豊富さや形の可愛らしさだけでなく、ボウルにまつわる食文化史についてもまとめられている。
色、形、デザインが豊富!フランス・蚤の市で魅せられたカフェオレボウル
小学生でシュークリーム作りにトライするなど、幼い頃からお菓子作りや料理、が好きだった山本さん。いつしか憧れの料理家のような本を出版したいと思うようになったのだそう。
山本さん:「当時の料理研究家はフランスなどの海外で勉強をされた方が多かったんです。私も大学卒業後に渡仏し、リッツ・エスコフィエとル・コルドン・ブルーという2つの学校で製菓を学んでから、現地のホテルやレストラン、パティスリーなどで働きました」
パンがとびきりおいしいフランスで暮らすうちに、お菓子だけでなくパンにも詳しくなった山本さん。フランスを中心にヨーロッパを渡り歩いて現地の食文化を研究し、日本の出版社に企画を持ちこんで自身の本を出版する夢を叶えました。そこから現在まで、出版した本は30冊以上にものぼります。
山本さんとカフェオレボウルとの出会いは、パリの蚤の市。渡仏前からカフェオレボウルの存在は知っていましたが、現地で見るその多彩さにすっかり心を奪われてしまったのだそう。
蚤の市に並べられたカフェオレボウルの数々。カラフルでかわいらしいので、どのお店でも目を惹く位置に並べられています
山本さんが初めて購入したカフェオレボウル。ステンシルで機能がほどこされたもので、優しいグリーンが特長的
山本さん:「カフェオレボウルの一番の魅力は、今から100年ほど前からフランスの田舎で使われていた「雑器」なのに、形やデザインが素敵なこと。こんなかわいいものを作って使っていたなんて、想像するだけでわくわくするんです。新品はもちろんデッドストック品もあればユーズド品もあります。カフェオレボウルを集め始めた当初はカラフルなデザインがお気に入りでしたが、その後は真っ白のシンプルなものに興味が移りました。今は白地に小さく模様があるものを好んで使います。しみがあったり、少し欠けていたりしている方が、人の手を経て受け継がれてきた温かみが感じられて好きなんです」
最近のお気に入りというカフェオレボウル。今は5個ほどをローテーションで使用し、他は大切にコレクション中
そもそも、なぜカフェオレボウルにはマグカップのような取っ手がないのでしょうか?
山本さん:「パリのような都会的な雰囲気が印象的なフランスですが、本来は農業国。取っ手を付けるのはお金がかかるので、ティーカップのような器は貴族などのお金持ちくらいしか使えなかったそうなんです。なので家庭にコーヒーが普及すると、地方で農業を営んでいる人たちは、もともと使っていた取っ手のないスープボウルを小さくしたものを作り、カフェオレボウルとして使ったんです。それが今日でも受け継がれているのです 」
両手で支えるカフェオレボウルにはそんな背景があったのですね。ここからは山本さんに、カフェオレボウルの多彩な使い方についてお聞きしました。
調理道具にもなる!カフェオレボウル、ワザありの使い方
昼や夜にしっかり食べることが多いフランス人は、軽めの朝食が一般的。砂糖入りの甘いコーヒーやお茶(紅茶やフレーバーティーなど)、ショコラ(ココア)と一緒に、バターやジャムをのせたバゲットを食べるのが定番です。
カフェオレボウルは主にこの朝食で使われます。日本人にとってのお茶碗のように、フランスではひとりにひとつMYカフェオレボウルがあるそう。毎朝、自分のカフェオレボウルにお気に入りの飲み物を入れて飲むのが習慣です。
山本さんはカフェオレを入れるだけでなく、そのサイズ感を活かして、ミキシングボウルとしても使用するんだとか。今回は、普段から愛用している山本さんがオススメするカフェオレボウル活用法を教えていただきました。
カフェオレボウルの使い方
●ソースやディップ作りに
チキン南蛮やフライなどに欠かせないタルタルソースやワカモレなどのディップ類も、カフェオレボウルでそのまま調理。具材を合わせて食卓へ出せるので移し替える手間がいりません。
●グラノーラを入れておしゃれな朝食に
もちろん、器としても大活躍。こちらは山本さんも朝食に食べるというグラノーラ。好みのフルーツとヨーグルトをたっぷり加えてカラフルに!また、高台(テーブルに接する脚の部分)がしっかりしているので、底を持っても熱さが伝わりにくく、スープカップや寄せ鍋などの取り分け用器としてもぴったりなのだとか。
●お菓子やおつまみを入れておもてなしにも
焼き菓子などのおやつや、お酒のおつまみを入れるのもおすすめ。お気に入りのカフェオレボウルにフィンガーフードを入れたら、おやつの時間も楽しくなりそうです。
●ミニどんぶりの器に
カフェオレボウルはミニどんぶりの器にも◎!
今回はエビや白菜など7種の具材が入った「五目中華あんかけ」と、親子丼としても楽しめる「とろっと卵の親子煮」を、ご飯と一緒にカフェオレボウルに盛り付けていただきました。忙しい日のランチや、のんびり過ごしたい休日のごはんにもぴったりです!
現在、新著『レシピで習うフランス語(仮)』を製作中の山本さん。フランス滞在時、現地の方々から直接習い、今も大切に作り続けているレシピを掲載するそう。日本語とフランス語、2つの言葉で綴られており、料理を通じて言葉も学べます。
山本さん:「今はインターネットでフランスのレシピが気軽に見られるようになっています。翻訳機能を使うこともできますが『フランス語をご自身で読めるようになりたい』と思っている方の手助けになればいいなと考えています」
料理を通じてフランスの文化を教えてくれる山本さん。カフェオレボウルでフランスの雰囲気を楽しむのも、日本ならではの使い方を試しても楽しそう。まずはお気に入りのカフェオレボウルを探してみてはいかがでしょうか。
【愛用品の詳細】
カフェオレボウル(山本さんの私物)
【本日紹介した商品】
7種の食材を加えた具だくさんのお惣菜!ごま油の風味が食欲をそそります。そのままでも、そのままでお惣菜として、ご飯にのせて中華丼の具としてもおすすめです。
やわらかくジューシーな鶏肉と、和風だしをたっぷり加えたとろとろ卵を合わせたお惣菜。ふわっと香るだしの風味がほっとするおいしさです。そのままでお惣菜として、ご飯にのせて親子丼としてもお召しがありいただけます。
文/田窪 綾
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教えてくれた人
菓子・料理研究家、カフェオレボウル収集家
山本ゆりこさん
福岡市出身&在住。日本女子大学家政学部食物学科卒業後、97年にパリへ。2つの製菓学校でディプロムを取得後、現地にて修業にはげむ。2000年からフランスをはじめとするヨーロッパの食文化やライフスタイルについての執筆活動中心に。現在もパリで12年間暮らした経験を活かし、34冊目を執筆中。近著にパンラボ主宰池田浩明氏との共著『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)がある。
Instagram福岡市出身&在住。日本女子大学家政学部食物学科卒業後、97年にパリへ。2つの製菓学校でディプロムを取得後、現地にて修業にはげむ。2000年からフランスをはじめとするヨーロッパの食文化やライフスタイルについての執筆活動中心に。現在もパリで12年間暮らした経験を活かし、34冊目を執筆中。近著にパンラボ主宰池田浩明氏との共著『パンのトリセツ』(誠文堂新光社)がある。
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