読み物 2018.06.11
【第4回】炊き込みご飯の新常識。
アマノ食堂をご覧の皆さま、こんにちは。
劔樹人と申します。
日頃はバンド活動とマンガの執筆をしながら、主夫活動に勤しんでいます。
前回、洗濯物の生乾き臭に悩まされているということを書いたのですが、その原因がわかりました。
通常、ドラム式全自動洗濯機は、泡が立ちすぎるとそれを検知するセンサーが働き排水と給水を行うのですが、わが家の2013年製の洗濯機はいつからかそれが壊れていたようで、泡もないのに勝手にどんどん排水をしてしまい、入れた洗剤もただ流されてゆくだけという状態だったようです。
さらに乾燥フィルターの通路の詰まりも同時発生していて、乾燥機も役に立たないという満身創痍状態。つまりわが家族は数ヶ月の間、ほぼ水洗いしかしていない服を着ていたということになります。
きっと保育園の先生たちも、着替えの時間に不穏な香りを嗅ぎとっていたのではないかと思います。これは転園も視野に入ってくるレベルで恥ずかしいですよ!
結局、業者の方に来て頂いたら症状は一撃で改善しました。
今は本当に、洗濯機って最高だなと。
主夫として、家電の有り難さを再確認できたので良かったということにします。
さて、洗濯のプレッシャーから解放されたので、良い気分でお料理でも。
娘が1歳4ヶ月になり、だいぶ大人と同じものを食べられるようになってきたのですが、とにかく味の付いたご飯が大好きなんですね。
うちは夫婦揃って、いい年した今も味の濃い炭水化物が大好物で、加齢による代謝や健康の問題を度外視できるなら焼き飯みたいなものを延々と食べ続けたいということで意気投合しているので、娘もそうなりつつあるのは正当な伝承です。
そんなわけで、ここ最近は野菜や肉を加えた炊き込みご飯を幾度か作っていたのですが、先日母親が手伝いに来てくれた時に筍を持ってきて、豚肉と筍の炊き込みご飯を作ってくれたら、それが異常においしくて度肝を抜かれるという事件がありました。
何がうまいかというと、とにかく肉や筍の味がしっかりと濃い。
だいたい炊き込むことで味が馴染んで薄まってしまうものなのに。
どうしてこうなるのか聞いたところ、味を付けて炒めた筍と肉をご飯とは別に用意し、ご飯が炊ける直前の蒸らしている段階で上に乗せるかららしいのです。
これはどうやら、有名料理研究家によって広められ、料理好き主婦の間では最近のトレンドとなっている炊き込みご飯の手法のようです。さっそく私もやってみることにしました。
筍だと子どもが食べにくいので、材料はきのこと人参と豚肉。
炊ける直前に後乗せしているので、開けた瞬間の炊飯器は具で埋め尽くされ、これだけ見るとショッキングなビジュアルです。
ご飯と混ぜていただくと…これはうまい!!
豚肉はファミリーパックで買った安い肉にも関わらず蒸らされるせいかとても柔らかいし、肉の油が飛ばずにご飯になじむ。わが家の炊き込みご飯にイノベーションが起きました。
あんまりうまいので、犬山は大喜びでおかわりして食べてくれました。
ダイエットのために夜は炭水化物を抜くとかどうとかつい先日言っていたような気もしますが、申し訳ないけどいっぱいあるので明日の夜もこれを食べてください。
娘は、おにぎりにしてやると永遠に食べ続けます。
感想は、「プチャプチャ」とのことです。
(食べ過ぎたせいかこの夜は夜泣きしました)
劔樹人(漫画家・ミュージシャン)
[PROFILE]
男の墓場プロ所属。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト。著書に「あの頃。〜男子かしまし物語〜」(イースト・プレス)、「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻の方が稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)。「小説推理」、「みんなのごはん」、「MEETIA」などで連載中。
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おいしいんですよ、豚肉にしっかり味が付いてて。所々に濃い味があるとどんどん食べたくなるじゃないですか。あまりのうまさに私だけじゃなく、いつもわが家に遊びに来る友人もおかわりしていきましたから。
私、子ども、友人とみんながどんどんおかわりするものだから、つるちゃんも喜びを感じてくれたのか、わが家のご飯と言えば最近もっぱらこの料理です。
そして、最近子どもと同じメニューを食べられるようになったのもうれしい。でも正直に言うと子どもを大人側に寄せるだけじゃなくて、私も離乳食を食べたい(正気です)。
つるちゃんが作る離乳食、いつもおいしそうなんですよ。トマトと卵の炒め物だったり、納豆オムレツだったり、優しい味の野菜スープだったり……外食が多い私には魅力でしかないメニュー。
多めに作ってよと頼むのですが、なかなか有り付けない。流石に子どもの分を奪うのは忍びないのでやりませんが、子どもが残したりすると「こんなにおいしいのにもったいない」と言いながら私は笑顔でたいらげているのです。
犬山紙子(イラストエッセイスト)
[PROFILE]
大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。2017年1月に女児を出産。近著にさまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)
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