読み物 2018.11.15
【第9回】得意料理をダイエット仕様に。
アマノ食堂をご覧の皆さま、こんにちは。
劔樹人と申します。
日頃はバンド活動とマンガの執筆をしながら、主夫活動に勤しんでいます。
夫婦揃って肉体改造に勤しんでいるわが家ですが、この10月は犬山の仕事がかなり忙しかったんですよ。犬山が忙しいという事は、僕も必然的に育児を請け負う時間が増えて忙しくなるということで、多少筋トレの出来る日数が少なくなってしまっていたように思います。
犬山の方はそれがもっと顕著で、さらにしばらく風邪で寝込んだ日もあったため、ジムも行けていませんでした。
そのためか、ついに今日の朝、いつものようにプロテインを飲みながら、
「私…トレーニングもしてないのになんでこんなの飲んでるんだろう」
そんなことを言い出したんですよ。
こないだまで「筋肉は裏切らない!」とかドヤ顔で言ってたのに!
そんな感じで、今ちょっとモチベーションは下がり気味なのですが、ここでやめるわけにはいきません。今日も糖質を抑えたメニューを用意しようと思います。
こんなときだからこそ、犬山の好きなものにしようと、クレープを作ることにしました。
犬山はハムやチーズの入ったいわゆるおかずクレープが大好きで、外でも売っていればよく食べるし、家でも結婚前から度々作っていました。
今回は、ちょうど糖質50%オフのホットケーキミックスを買っていたので、これを使って作ろうかと。牛乳も低脂肪乳を、マヨネーズもコレステロールオフのものを選びます。
ホットケーキミックスと牛乳、卵を混ぜた生地を焼き、ハム、チーズ、レタス、マヨネーズを挟んで出来上がり。
いつもクレープを作るときはクレープミックスを使っていました。フライパンの上でおたまをクルクルと使うことでとても薄く伸ばせてきれいに焼けるし、妻の好きなカリカリっとした皮の部分を仕上げる加減もよく理解している。
なのでクレープの皮を焼くのは結構自分得意だな、くらいに思っていたのですが、ホットケーキミックスだと薄く伸ばしていてもそれなりに膨らんでしまうんですよね。厚みが出てしまうことで、しっとり部分とカリカリ部分の加減が難しく、クレープ皮を巻くと見てくれはやや悪くなってしまいました。
きれいに焼くのがすごく難しく感じたのですが、ちょっと感覚が違ったのは糖質オフの粉だというのもあってかもしれません。ホットケーキミックスを使ってクレープを作るのは、決して珍しいことではないので。
でも食べてみたら、ちゃんとおいしかったです。いつもの味でした。
犬山もしっかり満足してくれたようです。
僕は甘いものが好きなので、おかずクレープより生クリームとフルーツの甘いおやつクレープの方が好みなのですが、冷やしながら延々と混ぜ続けて生クリームを作るのが面倒なんですよね。
だから家で作る分には、妻のリクエストのおかずクレープがちょうどよい塩梅です。
娘にはマヨネーズを抜いて、小さいクレープを作ってあげました。
感想は、「チー、パー、チョチュチュムムー!」とのことです。何を言っているのかさっぱりわかりません。
(結局、大好きなトマトとコーンばかり食べていました)
娘がクレープの味をわかるようになったら、きっと何度も作ることになるんだろうなあなんてことを想像しています。
***
普段の私の飽きっぽさゆえつるちゃんは勘違いしたようですが、あれはモチベーションが下がったわけではなく、むしろ悲しみの一言でした。
風邪をひき、そして首の左側を痛め整骨院行って、次の日は右の首と腰までなぜか痛めているという……そんな感じで体がボロボロ、2週間も休みたくないのにジムを休んでいるんですよ。
まだ初めて2ヶ月、筋肉が定着する前にこの休みはキツい。これまでの頑張りがほろほろと流れ行くことを思い、ものすごく悲しいのです。サンタよ、今年は私に筋肉をください。
クレープは思い出の味です。私は小学生の頃毎週テストを受けさせられていたのですが、その帰りにお母さんがクレープを買ってくれたんです。
それがおいしくておいしくて、幼少期に食べて大好きだったものってこうやってずーっと飽きずに好きでいるものですねえ。
つるちゃんの作ってくれるクレープは文句なしにおいしくて、感謝の気持ちがブワッとわきます。このクレープが娘のまた大好きな味になったりするのだろうか。
ああ、それにしても筋肉つけたい!!!!
劔樹人(漫画家・ミュージシャン)
[PROFILE]
男の墓場プロ所属。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト。著書に「あの頃。〜男子かしまし物語〜」(イースト・プレス)、「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻の方が稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)。「小説推理」、「みんなのごはん」、「MEETIA」などで連載中。
犬山紙子(イラストエッセイスト)
[PROFILE]
大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。2017年1月に女児を出産。近著にさまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)
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