読み物 2019.06.25
【第16回】パスタ、時々カレー
アマノ食堂をご覧の皆さま、ごきげんいかがですか(つばきファクトリー風に)。
劔樹人と申します。
日頃はバンド活動とマンガの執筆をしながら、主夫活動に勤しんでいます。
最近、わが家では、妻が特別忙しく働いています。
平日の夜はラジオの生放送のレギュラー番組が始まり、それがない日は名古屋や大阪でテレビの生放送。
夕食を家族3人で食べられる機会が以前よりだいぶ少なくなってしまいました。
まあ、私も妻も、明日どうなるかもわからないような仕事ですので、今はそういう感じなのですが、しばらくしたらまた状況も変わっているでしょう。
だからそんなに悲観はしていません。
それより、一緒にいられる時間は、娘には2人で驚異的な愛情を与えるように努めております。
この日も、妻は夕方からラジオの仕事に出かけるということで、早めに夕食を作ることにしました。
冷蔵庫にあった野菜と、冷凍していたひき肉を使って、ミートソースのパスタができそうです。
娘は、ナポリタンやミートソースなど、トマト香るパスタが好きです。
どうも、酸っぱいものが好きなのかもしれないという疑惑があります。
果物は甘いものより、多少酸っぱい方が喜んで食べる気がするし、ヨーグルトも無糖で食べます。
何より、砂糖も果物も一切使っていない、トマトベースの野菜ジュースが好きで毎日飲みたがるので、ベータカロテンの摂りすぎでちょっと手足が黄色くなってきている気も…。
私も子どもの頃は、みかんの食べ過ぎで手足が黄色くなっていました。
こういうのを「柑皮症」というらしいですが、害があるわけでは無いとのことです。
玉ねぎを炒め、ひき肉とホールトマト。そこに、ざっくり切ったにんじんやアスパラも放り込みます。
妻が“ゴロゴロ野菜の何がし”みたいなものが好きなのでこうしてみたのですが、野菜が柔らかくなるのを待っていたら、妻が出かけなければならない時間になってしまいました!
痛恨のミスジャッジ!!
仕方がないので、家事のお手伝いに来て下さる、シルバー人材センターのNさんからいただいた、カレーの残りを温めて食べてもらうことにしました。
「うめえ! あー酒が飲みたい」
仕事の前はやめてくださいね。
パスタは、残しておくので、明日食べてください。
というわけで、妻は急いで出かけて行きました。
じっくり煮て、できあがったパスタを娘と食べましょう。
娘の分をテーブルの上に置いて自分の準備をしていたら、大人の椅子に座って勝手に食べ出しました。
最近はぼちぼち自分で食べてくれるので、楽になりましたね。
でも、保育園ではもっと上手に食べるらしいです。
なんで自宅では本気を出してくれないのか…。
そんなことを思いながら、私もできあがったパスタをいただきます。
味はまあ普通でしょうかね…だいぶよく煮たので、にんじんが甘くて柔らかいです。
すると娘が、「ピカ!」と、全部きれいに食べたよのアピール!
ほんとだ、ちゃんと全部食べたね。
と思ったら、めちゃくちゃこぼしてるし!
***
仕事量のバランスを考えようとしても、フリーランスの宿命といいますか、仕事を断るの、もったいなくてなかなかできません。仕事したくても何もないニート期間を長く経験しておりますし。
ああ本音を言うと、これからどうせ暇なタイミングもくるだろうから、そこに今の仕事を振って平均化したい。でも波があるのがフリーですものね……。
また、もともとニートなのでゴロゴロするのがデフォ、ですのでちょっとの仕事で忙しぶるという特性もあります。
それでもなんとか家族に負担がかからぬよう、ない知恵絞ってやっております。
フリーは働けば働くほど収入は増えるのでそのお金を、シルバー人材センターのNさんやシッターさんなどに使うことにしました。私なりの役割分担ですね。
さて、今私は新幹線で夜ごはんを取ることが多くなりました。それに伴い「家のごはんが恋しい」病も発症。
だからもう、つるちゃんが作ってくれた野菜ゴロゴロパスタなんか嬉しくて泣きながら食べるんですよ。
最近元気がなく食欲もなくなっていたのですが、つるちゃんの料理で完全に食欲戻りました。メンタルケアまでこなすつるちゃん手料理であります。
劔樹人(漫画家・ミュージシャン)
[PROFILE]
男の墓場プロ所属。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト。著書に「あの頃。〜男子かしまし物語〜」(イースト・プレス)、「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻の方が稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)。「小説推理」、「みんなのごはん」、「MEETIA」などで連載中。
犬山紙子(イラストエッセイスト)
[PROFILE]
大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。2017年1月に女児を出産。近著にさまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)
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