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【第18回】労働、深夜の一杯とつまみ。

和風カルパッチョ

アマノ食堂をご覧の皆さま、ごきげんいかがですか(つばきファクトリー風に)。

劔樹人と申します。

 

日頃はバンド活動とマンガの執筆をしながら、主夫活動に勤しんでいます。

 

先日、娘を連れて新幹線に乗って2人で実家に帰省した時、事件は起こりました。

2歳半になる娘はイヤイヤ期真っただ中。この日もそう、はじめは静かに寝ていたのですが目が覚めると娘はぐずりだし、次第に声も激しくなり…とうとう泣きだしてしまいました。新幹線のデッキへ移動するとさらにヒートアップ……そして誘拐犯に間違われて通報されたのです。

 

図らずもそれがその日、インターネットで最も注目されたニュースとなってしまい、テレビでも流れたりしたので、目にした方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

あれ、私です。

 

大変お騒がせしましたが、この通り何も変わらず元気に、家事に育児に仕事に打ち込んでいます。

 

 

今夜は妻が、夜遅い時間の生放送でした。

 

遅い時間に疲れて帰ってきて、ちょっと何か食べたいと言います。

 

これは、わが家ではよくあることで。

夜なのでなるべく食べたくはないみたいなんですが、ちょっと食べるのに都合のいいものがなく、本当に我慢できないと、カップラーメンや冷凍食品を食べてしまいます。

 

それは、実は避けたいようで。

避けたいようなんですが、うちの妻は常人の10分の1程度しか「我慢する」ということができないんですよ。

 

今夜はちょうどよく、買ってあった鯛のサクがありました。

 

鯛のサクを切る様子

結婚前によく読んでいた、夜のつまみ用レシピ本を参考に、柴漬けを使った和風カルパッチョを作ることにしました。

 

作り方は簡単です。

 

サクを薄く切り、柴漬けも包丁で刻みます。

 

刻んだ柴漬け

並べた鯛の上に、オリーブオイルとめんつゆをかけます。

レシピでは醤油になっていたんですが、私は出汁の風味が強いのが好きなので、めんつゆにしました。

 

あとはネギと刻んだ柴漬けをまぶし、すだちを添えてできあがり。

 

鯛の和風カルパッチョ

私が作った料理にしては、見た目もいい塩梅ですね。

 

鯛の和風カルパッチョを食べる犬山紙子さん

妻もこれなら夜食べることに抵抗がないと、白ワインを開けて喜んでくれました。

 

すだちを絞った、鯛の和風カルパッチョ

すだちの酸味と柴漬けの塩辛さが、想像以上によく合います。

 

娘はもう寝ているので、起きていた時の、食後のおやつの様子を。

最近はこういうひと口ゼリーがお気に入りです。

 

ゼリーを食べる娘

「ゼリ、もっと食べたい〜」

 

もう無いのに、もっと欲しいとぐずりだしました!

 

お願いだから泣き叫ばないで! 通報されるから!

 

***

 

 

鯛の和風カルパッチョを食べて by妻・犬山紙子

鯛のカルパッチョに柴漬けをのせる。

天才ですね…私には「これにこれを合わせたらおいしいんじゃないか」という発想が皆無なので、こういう新しい組み合わせを生み出す人は神だと思っています。神の才能にあやからせてもらっているわけです。

 

ワイン合わせた時点で深夜でも罪悪感がないとは言い切れませんが、我慢しすぎる方が私はよくないと思っているのでね。

 

私のこと、我慢力を人の10分の1と言いましたが、これには異議ありですね。むしろ夫は放っておくとすぐ我慢我慢我慢の日々を過ごす。キャパ以上の我慢は、きっと体にも影響ありますからね。だから私が常に「夫が頑張りすぎていないか」目を光らせるわけです。真面目すぎるんですよね。

 

たっぷり寝たあとも「あ〜いっぱい体休めた、よかった」と思うのか「うわ…寝てしまった…」と自分を責めるのか。私は前者で夫は後者なわけですが、こういう後者のような真面目な人ほどしんどい世の中だと思うんですよ。

 

夫には自分のこともっと甘やかしてほしいな〜なんて思います。…私はちょっと自分を甘やかしすぎのきらいがあるのでもうちょっと真面目になろう。

 

劔樹人

劔樹人(漫画家・ミュージシャン)

[PROFILE]
男の墓場プロ所属。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のベーシスト。著書に「あの頃。〜男子かしまし物語〜」(イースト・プレス)、「高校生のブルース」(太田出版)、「今日も妻のくつ下は、片方ない。 妻の方が稼ぐので僕が主夫になりました」(双葉社)。「小説推理」、「みんなのごはん」、「MEETIA」などで連載中。

犬山紙子

犬山紙子(イラストエッセイスト)

[PROFILE]
大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。2017年1月に女児を出産。近著にさまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)

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