唐辛子
季節の食材のHOWTO 2017.08.23
夏に辛い料理が食べたくなるのはなぜ? スパイスマスターが教える唐辛子の豆知識
唐辛子は料理にピリッとアクセントを足してくれる、スパイス界の王様ともいうべき存在。そんな唐辛子について、アマノ食堂スタッフがふと気になったこんな疑問。
「夏になると、辛いものが食べたくなるのはなぜ?」
カレーやチゲ鍋など、暑い季節になると無性に辛い料理が食べたくなりませんか?その理由をスパイスコーディネーターの大平美弥さんにお聞きしました!
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夏になると無性に辛いものが食べたくなるのはなぜ?
その理由は、唐辛子をはじめとする辛味系スパイスの「発汗作用」が関係しているそう。
大平美弥さん:気温が高い夏は、汗をかくと体の熱が放出されて涼しく感じることがあります。なかでも、刺激的な辛みを持つ唐辛子は発汗作用を促すため、唐辛子をたっぷり使った料理は夏にぴったりで理にかなっているんです。
食欲がなくなるのも夏の特徴。冷たいものや汁ものばかりを食べたくなる夏は、食欲の刺激につながる唐辛子を自然と欲することもあるのだとか。また、大平さんいわく「夏の単調な料理に飽き、刺激を求めたくなるため辛いものが食べたくなる人も多い」のだそう。たしかに、そうめんなどさっぱりとした料理を食べ続けていると、無性に味の濃いものや辛いものを食べたくなりますね!
その他に、唐辛子にまつわるこんな疑問もぶつけてみました。
唐辛子など、辛いものを食べると胃がキリキリする理由は?
辛い料理を食べると舌がヒリヒリしたり、人によっては胃が痛くなったりもしますよね。その理由とは?
大平美弥さん:舌のヒリヒリ感は、トウガラシに含まれるカプサイシンという成分によるもの。そしてカプサイシンは口だけでなく、食道や胃腸の感覚神経にも刺激を与えてくれます。胃が刺激されてキリキリするのもカプサイシンの影響。カプサイシンの刺激は“暑さ”として脳の体温調節中枢に伝えられ、汗が出ます。辛い物を食べた後の“体ポカポカ現象”はこの産熱効果が影響しているんです。
ちなみに、世界で一番辛い唐辛子はキャロライナ・リーパー(Carolina Reaper)というものだそう。
(ハバネロの5倍辛いと言われるキャロライナ・リーパー。真っ赤な色がいかにも辛そう!)
大平美弥さん:唐辛子の辛さを計るスコヴィル値という単位 があるのですが、2013年にギネス世界記録で『世界で最も辛い唐辛子』に認定されています。その辛さは、激辛唐辛子として有名なハバネロの5倍とも言われているんですよ!
唐辛子を食べるなら「朝」!おすすめの食べ方
大平美弥さん:朝に余裕のある方は、朝ごはんに唐辛子をとり入れることで1日の活力になる場合も。一番簡単に唐辛子を摂取したいなら、おすすめ料理は「カレー」。カレーは必ず唐辛子を使っているので、どうやって調理しようかと悩む心配がありません。そして、お手軽なのは「おみそ汁に七味唐辛子をかける」という取り入れ方。おみそ汁にサッとひと振りするだけなので、ズボラさんや料理が苦手な方でも簡単に唐辛子を摂取することができますよ。
また、パウダーのほうが辛みを感じやすいため、ストレートな辛さが欲しいときはパウダータイプを選びましょう。逆に、辛みを抑えたいときはホールの唐辛子を使うのがおすすめです。ただし、煮込むほどに辛くなるので要注意!実として食べる場合は、生鮮を使うのがいいそう。
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知っていそうで知らない、唐辛子にまつわる色んなギモン。夏は唐辛子と相性バツグンな季節!普段の食事にぜひ取り入れてみてください♪
※唐辛子たっぷりのピリ辛スープも一緒にどうぞ♪
【教えてくれた人】
大平美弥さん
[PROFILE]
スパイスコーディネーター、スパイスライフアドバイザー、スパイスビューティー協会代表、「Miya Spice Salon」主宰。1976年東京都生まれ。スパイスの楽しさを広めようと講演、テレビ、ラジオ出演、レシピ作成、スパイス&ハーブティーの監修、レストランシェフとのコラボ企画や飲食店のメニュー開発及びコンサルティングなども行う。
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