りんご
季節の食材のHOWTO 2017.10.26
【りんごの種類】ふじ、つがる、紅玉… 代表5品種&変わり種の違いと特徴
実りの秋!この時季、旬を迎えるフルーツの定番「りんご」。
ふじ、王林、つがる…スーパーの果物売り場にはいろんな種類のりんごが並んでいますよね。でも、品種によってどんな違いがあるのか「正直、よくわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、数あるりんごのなかでも代表的な、ふじ、ジョナゴールド、つがる、王林、紅玉の5種類をアマノ食堂スタッフが実食!好みがわかれる“食感”から味の違いまで、感想も添えてレポートします!
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①味と食感のバランスが良い人気品種「ふじりんご」
日本で一番多く生産されている「ふじ」。
1939年に青森県藤崎町にあった園芸試験場東北支場にて生まれ、1962年に「ふじ」として品種登録されてから長く愛され、2001年には品種別の生産量で世界一にもなりました。また、ふじには突然変異(枝変わり)により、形・色合い・収穫時期など性質の異なる系統がたくさんあるそう。
ふじより1ヵ月早い10月初旬に収穫できる早熟系統の早生ふじ(ひろさきふじ、昂林、ほのかなど)や「赤色が濃い」「縞が入っている」といった色づきの良い系統があります。
青森県では、着色や色づきを良くするために有袋で栽培されたふじは10月下旬から、無袋で日光をいっぱい浴びて甘くなったサンふじは11月上旬から収穫されます。甘味・酸味・食感のバランスが良い人気品種です。
<見た目>
表皮は少し黄色が混ざっている赤色。「りんごは皮が赤いほどおいしい!」そんなイメージがありますが、赤いからといって必ずしも熟しているとは限らないそうです。今回、アマノ食堂のスタッフが選んだものは表面が少しつややかに光っていました。
<食感と味>
かじると「さくっ」、噛むと「しゃくしゃくっ」!
まさにりんごのイメージそのものの食感。味は、ほかの品種と比べて少し酸味を感じましたが「よく食べるりんご」からイメージされる味で、安心感があります。
②甘みたっぷり&酸味少なめ「ジョナゴールド」
ニューヨーク生まれの「ジョナゴールド」は、果汁たっぷりのりんご! 生食にも調理にも向いていて、甘味が十分にあるいっぽうで、まろやかな酸味も楽しめちゃいます。
青森県では10月中旬に収穫され始めます。しっかりと完熟したほうが甘味と酸味のバランスや口当たりもよく、熟期の10月下旬まで待てばよりおいしく食べられるかもしれません!
<見た目>
円形で豊満で、橙紅色。熟すにつれ果皮にロウ質物質が溶け出してべたつくようになります(※「油上がり」と呼ばれます)…が!それこそが熟して食べごろになった証なのだとか。
<食感と味>
かじると「しゃきっ」とした食感。
じゅわっと果汁が出てきて、甘味がたっぷり、酸味は少なめの味わい。りんご味のグミはジョナゴールドの味に近いかも!全体的に丸みのある優しい味です。
③食感柔らか。甘くてジューシー「つがる」
(つがる)
(サンつがる)
青森県発祥の「つがる」は、酸味が少なく、甘さとジューシーさが特徴。1930年に青森県りんご試験場(現:りんご研究所)で生まれ、1975年に品種登録されました。かつては「咳払いをするだけで枝から落ちてしまう」「色付きが良くない」などと言われたことがあり、品種登録までに時間がかかった!という説も。でも現在は早生りんごの中でも食味が良くなったそう!
芳明つがる、つがる姫、みすずつがるなどの着色の良いものも増えました。青森県で収穫は9月中旬〜中旬とほかの品種に比べると少し早めです。
<見た目>
赤い皮に黄味がかった斑点が少しあります。今回スタッフが選んだ「つがる」「サンつがる」はしっかりと熟しているようで、ジョナゴールド同様に油上がりを感じました!
<食感と味>
他のりんごに比べると食感は柔らかな印象です。
ジョナゴールド同様、口に入れた瞬間にじゅわっとするほど果汁は多め。桃にも近いようなとってもジューシーでやわらかい甘味。果実の断面は白く、うっとりするような甘~い香りを楽しめます♪
④甘みがあるのにさっぱり! りんごの王様「王林」
青みがかった「王林」は、1952年に「りんごの中の王様」の意味で王林と名付けられました。
ふじに続く国内2番手の生産量を誇っています。収穫期は10月から11月上旬。保存性が高く冷蔵管理されたものが翌年の春まで長期間販売される、ふじと並んで晩生種の代表的な品種であり、青りんごといえば「王林」を思い出す人が多いようです。
<見た目>
青みがかった皮に果点と呼ばれる点が多く見られます。
<食感と味>
かじると「ざくっ」と音がして、噛みごたえ満点!
今回集めた5種のなかでは一番酸味が少なく、主な印象として“甘み”を強く感じますが、サッパリとしているので口の中に甘さは残りません。一番味にクセがない品種です。
⑤アップルパイやジャムに! 料理に向いてる「紅玉」
1871年に日本にやってきた「紅玉」。青森県では10月中旬に収穫されます。一時は価格暴落によって減産した時期もありましたが、アップルパイやジャムなど“調理用”にも最適ということから、「紅玉」は根強い人気があります。
<見た目>
深い赤の表皮が印象的で、ほかの4種類よりも一回り小さなサイズです。
<食感と味>
「…酸っぱい!」と思わず言い放ってしまったほど強い酸味。
ただ噛み続けると、じわじわと甘味が感じられてきます。後味はとにかくすっきりさっぱり。スーパーの果物売り場に「皮をむかなくてもおいしい!」と紹介されていたのでさっそく試したところ、皮が柔らかくクセがないためとても食べやすかったです。
***
【豆知識①】「ふじ」と「サンふじ」の違いは?
「ふじ」と「サンふじ」、どちらも「ふじ」がついているけれど「きっとどこかが違うんだろうな~」と思いますよね?でも、実はまったく同じ品種!
違いは「栽培の方法」。ひと言でいうと、袋をかけて栽培したかどうか。有袋栽培で育てると「ふじ」、無袋栽培のものが「サンふじ」。ちなみに「サン」という名前の付いているりんごは他の品種にもありますが、どれも栽培方法の違いなんですって!
袋をかけずに栽培されるサンふじは、ふじに比べて太陽の光をたくさん浴びることができます。そのため甘味が強くなるのが特徴。
【豆知識②】ちょっと変わり種のりんご2種
最近じわじわと話題になっているりんごがあるのをご存じですか?スーパーで見かけることがほとんどない、ちょっと珍しいりんごたちを最後にご紹介しましょう!
●りんご飴でおなじみ!「ミニりんご」
姫りんごとも呼ばれる、手のひらにすっぽり収まるサイズのりんご。
赤や黄色のりんごが実るこの品種、栽培が比較的簡単なためか、観賞用としておうちで育てる人もいるのだそう。ただ、酸味が強いので生食にはあまり向きません。コンポートやりんご飴のほか、りんご酒などに加工することでおいしく食べられます。
●イギリス生まれの料理用りんご「ブラムリー」
近年注目が集まっている、料理用のりんご「ブラムリー」。
イギリスでは国内生産の45%ほどがこのブラムリーで、ポピュラーな品種なのだとか。見た目は、普段スーパーで目にする青りんごよりもより青みがかっています。
「ミニりんご」同様、生食では酸味が強烈のため料理で活用するのがベター。また、煮溶けるのが早いことも特徴で、豚肉のパイやソテーなどの肉料理にもぴったりです。焼きりんごをはじめ、料理のソースに大活躍ですよ!
日本では“料理用のりんご”はあまり馴染みがありませんが、最近はテレビ番組でも取り上げられるなど、注目されている品種なんですよ♪
ひとくちにりんごと言えど、見た目も味も千差万別~!たくさんの種類のりんごが旬を迎える秋。この時期だからこその旬のおいしさをぜひ楽しんでみて♪
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【参考資料】
・「青森県のりんご―市販の品種とりんごの話題」(北の街社)著者:杉山芬・雍、発行:青森県りんご協会
【参考ページ】
・JA全農あおもり|りんごの主な品種紹介
りんごを使ったおすすめのレシピ
漫画家の小林 潤奈さんが教えてくれた「りんごの豚肉巻き」のレシピ。
ちょっぴり意外な組み合わせですが、ジューシーな豚バラの旨みとりんごの甘みがぎゅっと詰まった一皿です。
りんごの豚肉巻きの隣に添えたいのが、フリーズドライの「彩り野菜のクリームシチュー」。
甘さと塩気のバランスがおいしいりんごの豚肉巻きには、濃厚で奥深い味わいのクリームシチューを合わせて。彩りの良いブロッコリーとにんじんなどの具材がごろっと入った食べ応え満点のスープです。
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