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鯛(たい) 鯛(たい)

“めでたい(鯛)”献立とは? これだけは知っておきたい「お食い初め」のいろは

お食い初めの料理

赤ちゃんの幸せを願ってお祝いをする「お食い初め(おくいぞめ)」。行事は知っているものの、実際にお家でやるとなると、わからないことも多いのではないでしょうか?

そこで今回は、「お食い初め」に込められた意味や基本の献立などの、基礎知識をお伝えします。

 

お食い初めとは?

お食い初めをする赤ちゃん

お食い初めとは、赤ちゃんの生後100日〜120日目に行う日本の行事です。

 

生後100日を迎えられたことを祝うとともに、「一生食べ物に不自由しませんように」と願いを込めて儀式を行います。この時期、赤ちゃんはまだ固形物を食べられないため、食べさせる“まね”が儀式です。

 

生後100日を過ぎたころ赤ちゃんに歯が生え始めることからこの時期に儀式が行われることが多く、「百日(ももか)の祝い」「百花の節供(ももかのせっく)」などとも呼ばれます。

もともとは母乳を離れ自らの力で食べ物をとり始めるといった自立をお祝いする儀礼で、日本では平安時代から続くと言われています。

 

鯛の尾頭付きも!お食い初めに用意する献立5品

鯛の塩焼き

お食い初めの献立は「一汁三菜」が基本となります。

鯛(焼き魚)、お赤飯、お吸い物、煮物、香の物の5品を用意します。

 

1.鯛

めでたい食材として欠かせない「鯛」。お祝い用なので尾頭付きの塩焼きを出すことが一般的です。お食い初めが終わった後は、家族や親せきでおいしく食べましょう。

 

2.お赤飯

赤い色に魔除けの力があるとされ、お祝いごとや節目で食べられてきたお赤飯。もち米に小豆や“ささげ”で赤色をつけましょう。

 

3.お吸い物

「吸う力が強くなるように」と用意されるお吸い物。良縁の願いも込めて、縁起の良い「はまぐり」のお吸い物を用意するのが一般的です。

 

☆お湯を注ぐだけで完成する「鯛のお吸い物」のフリーズドライも手軽でおすすめ!

 

4.煮物

「紅白」を表せるにんじんと大根や「先を見通せる」と縁起の良い食材とされているれんこん、そして長寿を願って「亀の甲羅」を模して六角形に飾り切りした椎茸やかぼちゃを入れて筑前煮にするのが一般的。その他、旬の食材を入れてもOKです。

 

5.香の物

きゅうりやなすをさっぱりと漬けた香の物や、酢の物を準備します。「しわしわになるまで食べ物に不自由せず長生きできるように」と願いを込めて、梅干しを出す場合も。

 

☆縁起の良い食材はこちら

 

お食い初めの方法は?

お食い初めの料理

お食い初めには料理を赤ちゃんに食べさせる順番があります。(実際には食べさせる“まね”)

 

「お赤飯→お吸い物→お赤飯→鯛→お赤飯→お吸い物」の順を3回繰り返しましょう。

 

また、最後には赤ちゃんに丈夫な歯が生えることを願う「歯固めの儀式」を行います。儀式にはお宮参りの際に神社で授かる「歯固めの石」などを使いましょう。

 

まずはお箸を石に軽く当ててから、次にそのお箸を赤ちゃんの歯茎に優しく当てます。儀式が終わったら、感謝の気持ちを込めて神社に石をお返しするのが基本です。

神社で歯固めの石を扱っていない場合は、生まれた地域の丸みのある小さな石を使ったり、ベビー用品店や通販などで購入することもできます。

 

***

 

家族で赤ちゃんの幸せを願う行事「お食い初め」。

ここまで基礎知識をご紹介しましたが、お食い初めには決まった形式があるわけではなく地域や家によって方法はざまざまです。

何よりも大切なのは、「大切に祈りを込める気持ち」。ぜひ今回お伝えした基本を参考にしながら、家族で赤ちゃんをお祝いする素敵な時間を過ごしてくださいね。

 

 

(文/笹沼杏佳)

  • 教えてくれた人

    広田千悦子

    日本の行事・歳時記研究家/文筆家

    広田千悦子さん

    新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。 中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)をはじめ『七十二候で楽しむ日本の暮らし』(KADOKAWA)、『口福だより』(小学館)、『知っているとうれしいにほんの縁起もの』(徳間書店)など25冊。新刊は『鳩居堂の歳時記』(主婦の友社)。NHK文化センター講師。

    新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。 中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)をはじめ『七十二候で楽しむ日本の暮らし』(KADOKAWA)、『口福だより』(小学館)、『知っているとうれしいにほんの縁起もの』(徳間書店)など25冊。新刊は『鳩居堂の歳時記』(主婦の友社)。NHK文化センター講師。

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