チーズ
季節の食材のHOWTO 2019.12.18
【チーズの種類と特徴】プロに聞く! タイプ別の味や食感の違い
そのままでも、お料理のアクセントとしても…。濃厚でクリーミーな味わいが子どもから大人まで大人気の「チーズ」。チーズにはたくさんの種類があり、原料の違いや、味や風味、食感の特徴も様々です。
そこで今回は、代表的なチーズの特徴をそれぞれご紹介します。自宅でおしゃれに楽しめるチーズプレートの簡単盛り付けテクもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください!
チーズは大きく分けると2種類!
まず、チーズは大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに分類できます。
ナチュラルチーズ
ナチュラルチーズは、乳を原料としたチーズです。乳を乳酸菌や酵素の力で固めて水分(ホエイ)を抜いたもの。
酵素や微生物の働きで、できあがってからも風味が変化していくのが特徴です。ナチュラルチーズには、「フレッシュ」「白カビ」「青カビ」「シェーブル」「ウォッシュ」「セミハード」「ハード」といった様々なタイプのものがあります。
プロセスチーズ
一方、プロセスチーズは、チェダーやゴーダなどのナチュラルチーズを粉砕し、乳化剤とともに溶かして乳化してから、様々な形に成形したあと、殺菌状態で包装したもの。つまり、ナチュラルチーズを原料としたチーズです。
加熱によって発酵や熟成が止まるので、できあがってからの風味が一定し、保存性を高めることができます。
熟成方法によって変わる! 代表的なナチュラルチーズのタイプ別解説
上記の説明にもあるとおり、ナチュラルチーズには様々なタイプがあります。ここからは、代表的なタイプの特徴をそれぞれご紹介! チーズ選びの参考にしてみてくださいね。
・フレッシュタイプ
…乳を固め、水分(ホエイ)を抜いたらすぐに食べられる熟成されていないチーズのこと。
水分が多く、柔らかいものが主流で、ヨーグルトのように容器に入った状態でお店に並ぶ姿がよく見られます。クリームチーズやマスカルポーネチーズ、カッテージチーズなどもこのタイプ。
成形されたモッツアレラチーズなどでも、熟成させていないチーズはフレッシュタイプと呼びます。
・白カビタイプ
…チーズの表面に白カビを吹き付けてから熟成させるチーズのこと。
熟成とともに外側から中心にかけて柔らかく変化し、風味も濃厚になっていきます。
代表的なものは「カマンベールチーズ」。最近では、クリームを加えて脂肪分を高めたリッチな「白カビチーズ」などもあります。
・青カビタイプ
…チーズの内部に青カビを繁殖させて熟成させるチーズで、いわゆる「ブルーチーズ」のこと。
青カビの脂肪分解作用によって独特な香りと風味が作り出されます。原料乳は主に牛のミルクですが、フランスを代表するブルーチーズ「ロックフォール」は羊のミルクで作られます。
・ウォッシュタイプ
…表面を、塩水やお酒(ブランデーやビール)で洗いながら熟成させたチーズのこと。
香りが強い個性的なチーズが多く、オレンジや黄色、薄いピンク色の表皮が特徴です。
チーズ通の間で人気の季節限定チーズ「モンドール」(毎年8月15日〜翌年3月15日までしか生産されない、フランスおよびスイスの伝統的なチーズ)はこのタイプ。
・シェーブルタイプ
…「シェーブル」とはフランス語で「山羊乳から造られるチーズ」のこと。
日本ではフランス以外の国の山羊乳製チーズも「シェーブルタイプ」と呼ばれています。
爽やかな酸味を持つものが多く、山羊特有の個性的な風味も特徴です。比較的小さめで、ユニークな形のものが多く見られます。
・セミハード/ハードタイプ
…長期熟成向きに造られたチーズで、チーズの水分量によって「セミハードタイプ」「ハードタイプ」に分けられます。チェダーチーズなどもこちらのタイプ。
セミハードタイプの熟成期間は1ヶ月から6ヶ月程度のものが多く、穏やかな風味が特徴。
一方でハードタイプは熟成期間が長く、3年熟成のものなどもあります。
熟成により濃厚な旨味を持っており、薄くスライスしたり、細かく削って食べられることが多いです。
簡単!おしゃれなチーズプレートを楽しむ3つのポイント
様々な種類のチーズを楽しめる「チーズプレート」。カッティングボードや平皿に、きれいに盛られたプレートは、フランス語で「チーズプラトー」とも呼ばれています。
ポイントをおさえれば、自宅でもお店のようにおしゃれな盛り付けを楽しむことができます。家族や友達と集まることの増えるこれからの季節、ぜひお家で本格チーズを存分に楽しんでみませんか?
ここからは、チーズプレートをおしゃれに楽しむための簡単テクニックをご紹介します。
1.チーズの切り方
円形のチーズはおいしさを均等に分けるためにも、ケーキのように外側から内側に向かって小さく三角形に切るのがおすすめ!
2.お皿の選び方
おすすめの食器は、無地の丸皿、角皿や木製ボード。シンプルなお皿に盛り付けることで、バリエーション豊かなチーズの彩りがよく映えます。
3.盛り付け方
先にチーズをお皿に配置してから、余白の部分に副食材(ナッツ、ドライフルーツ、旬の野菜や果物など)を配置するとバランスよく仕上がります。
はちみつやジャムでラインを引いてもおしゃれ! チーズと組み合わせて食べたい副食材は、隣に配置しましょう。身近な副食材と一緒に盛り付けることで、3種類ほどのチーズでも華やかなプレートになりますよ。
+αでこんな楽しみ方も!
ハードタイプのチーズを棒状に切り、ベビーリーフ、スティック野菜(赤、黄パプリカ)と一緒に生ハムで束ねれば、見た目も華やかなブーケサラダのできあがり! チーズプレートの脇に添えてもおしゃれです♪ 彩りもアップするだけでなく、野菜をプラスすることでチーズに足りない栄養も補えますよ。
おつまみとしての1品や、様々なお料理の材料として活躍してくれるチーズ。今年の冬は、個性豊かなチーズの味わいを、そのまま存分に楽しんでみてはいかがでしょうか? おしゃれなチーズプレートの簡単盛り付けテクも、ぜひ実践してみてくださいね。
(取材・執筆/笹沼杏佳、写真/飯塚麻美)
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教えてくれた人
チーズプロフェッショナル
丹下慶子さん
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル(チーズ検定講師)/日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー/漢方養生指導士。ラジオ局勤務後、飲食店の新規店舗開発、大手料理教室の運営業務を経て、現在はパンと野菜&チーズ料理の教室「さくらキッチン」を都内で主宰する。ショップチャンネル出演や企業のレシピ開発など、多方面で活躍。
NPO法人チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル(チーズ検定講師)/日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー/漢方養生指導士。ラジオ局勤務後、飲食店の新規店舗開発、大手料理教室の運営業務を経て、現在はパンと野菜&チーズ料理の教室「さくらキッチン」を都内で主宰する。ショップチャンネル出演や企業のレシピ開発など、多方面で活躍。
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