ハマグリ
季節の食材のHOWTO 2024.11.07
プロに聞く!ハマグリのおいしい焼き方|ホイル焼きや網焼きの方法も!
身がぷりっとしていて、ちょっぴり贅沢な気分が味わえる「ハマグリ」。
お正月やお祝いの席はもちろんですが、バーベキューなどで焼いていただくのも、とってもおいしいですよね。
ただ、日常的に食べる機会が少ないため、新鮮なハマグリの見分け方や、おいしい焼き方がわからなかった、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は新鮮でおいしいハマグリの見分け方と焼き方のポイントをプロに伺いました!
バーベキューでおすすめの「網焼き」、ご自宅でもできる「ホイル焼き」それぞれをポイントとともに紹介するので、ぜひ試してみてくださいね。
教えていただいたのは、貝料理の専門店「焼貝あこや 日比谷」で料理長を務める林田さんです!
「焼貝あこや 日比谷」は全国から仕入れた新鮮な貝を常時15〜20種類揃えており、冷凍ものは一切使わない鮮度にこだわったお店。いろんな種類の貝を味わうことができる焼貝の盛り合わせやお刺身の盛り合わせが人気で、貝のおいしさに驚く方も多いそう!
では早速、新鮮なハマグリの見分け方から教えていただきましょう。
新鮮なハマグリの選び方
ハマグリは普段なかなか家庭で料理する機会が少ない分、いざ家庭で調理しようと思った時に、どれがおいしいハマグリなのか見分けがつかないものですよね。
ハマグリはとにかく鮮度が大切! 新鮮なハマグリを見分けるポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
・貝の口がしっかり閉じている
・口の間のひだに触れると動く
・においを嗅いでも臭くない
鮮度が落ちたハマグリは、貝柱の力が弱くなって口が開き、中の水分が抜けてヒダが消え隙間ができます。また死んでしまった貝はすぐに腐敗するので臭いを嗅ぐと極端に臭いのが特徴。スーパーの売り場で触ってみることは難しいかもしれませんが、見た目と臭いで判断して、新鮮なハマグリを選びましょう!
プロが実践するハマグリをおいしく焼くための3つのポイント
ハマグリの網焼きをおいしく作るには大きく3つのポイントがあります。
バーベキューなど網で焼くとき、ご自宅でフライパンで焼くとき共通のポイントなので、ぜひ押さえておきましょう。
1.火加減は中火に
ハマグリをおいしく焼く秘訣は、なんといっても火加減!火が強すぎると貝が開く前に身が焦げてしまったり、身が縮んで食感が固くなってしまうので気をつけてください。ハマグリを焼く時には、一貫して「中火」でゆっくり焼きましょう。
2.出汁で焼くこと
ハマグリの旨味がもっとも凝縮されているのが出汁です。焼く過程でハマグリから出る出汁を捨てるのは絶対にNG!プロは出汁を最大限に使って焼いていきます。出汁の取り方はこのあとの「網焼きの手順」でご紹介します!
3.味付けしないこと
ハマグリは塩や醤油で味付けるのもNG。ハマグリは出汁の塩気が最もおいしいのだそう。ふかふかとした食感、素材そのもののおいしさを味わってくださいね。
ハマグリをおいしく焼く方法
ここからは「網焼き」と「ホイル焼き」それぞれのおいしく焼く手順をご紹介します。
貝の砂抜き方法はこちら▼
プロに聞く! 「あさり・しじみ・はまぐり」の砂抜き・5分で砂抜きする裏ワザも検証
【バーベキューにおすすめ】ハマグリの「網焼き」の手順
作り方
キッチンバサミで蝶番(ちょうつがい)と呼ばれる貝の接合部分を切り落とし、中火で焼く。
<注意>
ハマグリは固いので、はさみで切る際は滑らないようにしっかりと押さえてください。指などを怪我しないよう、くれぐれも細心の注意をはらいましょう。
ご自宅での網焼き調理は難しいので、屋外でのバーベキューなどで調理するのがおすすめです。
POINT
林田さん:蝶番を外す理由は、おいしく焼くために欠かせない出汁をこぼさないためです。蝶番を外すことで焼いたときに貝がゆっくりと開くようになります。バーベキューでありがちな、貝が急に開くのを防ぐことができます。
ハマグリを中火で4分程度焼き、口が開いてきたら貝の出汁を容器に取り出す
※時間は貝の大きさにもよるため、あくまで目安とし、口が開いてきたら取り出しましょう。
身がついている方の貝殻を箸で押さえながら、キッチンバサミで身がついていない方の貝殻を切り離す
POINT
林田さん:上の貝を切り離すことでバランスが安定するので、一番の旨味であるハマグリの出汁がこぼれにくくなります。
先ほど取り出した出汁の半分をハマグリにかける
POINT
林田さん:ハマグリから出る出汁の旨味で焼くからおいしくなるんですよ。こぼさないように少しずつかけてくださいね。
キッチンバサミや箸で貝殻を抑えながら貝の身を裏返し、残りの出汁をかける
POINT
林田さん:貝は生でも焼いてもおいしく食べられますが、両者の味は違います。貝の身を裏返すことで、上面と下面の火の通りを均一にすることができます。出汁と一緒に最後まで焼くことがポイントです。
出汁がぐつぐつと沸いたら、火からおろして完成!
「ハマグリ網焼きは少し難しそう…」と感じたら、もっと気軽にできるホイル焼きを試してみてください。
【ご自宅のフライパンで♪】ハマグリの「ホイル焼き」の手順
作り方
ハマグリをアルミホイルで包む
POINT
林田さん:貝が開いたときのために少しゆとりをもたせておきましょう。
アルミホイルの上をしぼるように包むと後で開けやすくなりますよ。
フライパンに[1]を乗せ、中火で焼く。貝が開いてアルミホイルが大きく膨らみ、貝の出汁がじゅわじゅわと煮立つ音が聞こえたら火からおろす。
<注意>
・ご自宅で調理する場合はフライパンを使いましょう。ご自宅のコンロでの直火調理は危険なため、控えてください。
・加熱中はアルミホイルが熱くなっているので、素手で触らないようにしましょう。
POINT
林田さん:くつくつと小さな音が聞こえ、アルミホイルから湯気が出てきたら貝が開くまでもうすぐです。
味付けに塩や醤油を使う方が多いですが、網焼きとホイル焼きのどちらの焼き方も、味付けをしないでください。ハマグリの塩気だけで十分おいしくいただけます。
アルミホイルを開けば、焼きハマグリのできあがり!
POINT
林田さん:アルミホイルを開くときは、ミトンなどを使ってやけどをしないように気をつけましょう。
今回ご紹介した方法は、素材の味を引き出すプロ直伝の技。一手間を加えるだけで簡単においしく仕上げることができました。ご紹介したポイントを押さえて、旬のハマグリのおいしさを存分に楽しんでくださいね!
基本の「ハマグリの酒蒸し」の作り方と洋風アレンジ
旬のハマグリを手に入れたら、定番の「酒蒸し」を作りたいですよね。ハマグリの酒蒸しの作り方と酒蒸しの残り汁を活用した「ハマグリリゾット」のレシピを紹介します。
レシピはこちら▼
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【店舗情報】
焼貝あこや 日比谷
・住所:東京都千代田区内幸町1-7-1 日比谷OKUROJI-G25
・電話番号:03-6205-8085
・営業時間:
月~金 11:00~14:00、17:30~22:00(L.O 21:00)
土日祝 11:00~15:00、17:30~22:00(L.O 21:00)
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※新型コロナウイルスの影響により、営業時間や定休日が変更になることがあります。
(文/佐藤ゆうこ、写真/飯塚麻美)
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