しじみ
季節の食材のHOWTO 2016.03.14
3月の旬食材|しじみの基本|産地・種類・選び方
スーパーでよく見かける黒くて小さな貝、「しじみ」。日本ではなんと縄文時代から食べられ続けてきた食材です。しじみという名前は、「ちぢむ(縮む)」の古語「しじむ」に由来しているそう。
[しじみの旬の時期]
1年を通して食べられますが、旬は夏と冬。
夏は「土用しじみ」、冬は「寒しじみ」と呼ばれ親しまれてきました。特に、産卵をひかえた夏のしじみは、旨味がぎゅっとつまった一級品!別名「腹ぐすり」とも呼ばれ、江戸時代には、土用の丑の日はうなぎじゃなく土用しじみを食べる習慣があったそう。
[日本の主な産地]
主な産地は、千葉県・利根川河口、島根県・宍道湖のほか、青森県の十三湖や小川原湖、茨城県・涸沼川、北海道の網走湖やパンケ沼、三重県・木曽川河口、大阪府・淀川河口、島根県・神西湖など。最近は、中国や韓国、ロシア産などのしじみも増えています。
[しじみの種類]
普段、私たちが何気なく食べているしじみ。
しじみには大きく分けて3種類があります。
●やまとしじみ
一般的に「しじみ」と言えば「やまとしじみ」のこと。国内で出回っている99%がこの種類だと言われています。日本全国の淡水と海水が入り混じる汽水域(河口など)の底に生息する、大きさ2cm前後の貝です。
●ましじみ
淡水性のしじみで、本州、四国、九州に生息しています。昔は水田に近い小川でたくさん採れました。他のしじみに比べて平べったい形をしていて、殻にあまり艶がなく、殻色もやや明るいのが特徴。殻の内側も紫がかっていることが多く、大きさは3~4cmと大きめです。
●瀬田しじみ(せたしじみ)
滋賀県の琵琶湖が原産の淡水性しじみ。瀬田川でよく獲れたことから「瀬田しじみ」と呼ばれるようになりました。ふっくらとした厚みのある形で、成長すると殻頂が突き出てきます。表面がつやつやとしていて、殻の内面は紫色。大きさは2cmと小ぶりです。
[新鮮なしじみの見分け方]
水のきれいなところで育ったしじみは、つやつや光沢のある明るい茶色の殻で、表面の筋が細く、柄がはっきりと見えます。口が開いているものや殻の割れているものは避け、口がしっかり閉じられているものを選びましょう。水に入れたとき、すぐに水を飛ばす貝は新鮮な証拠!
[調理のポイント]
貝好きさんの中にも、「じゃりっとした砂の食感は嫌い」という人は多いはず。しじみをおいしく食べるためには、やっぱり砂抜きが大切! ここでは、砂抜きのコツをお教えします。
【STEP1】
まず流水でこすり合わせるように洗い、すべての貝が浸かるたっぷりの塩水(水に対して塩1パーセントの濃度)に浸けます。
※この時、しじみはザルに入れてから塩水の入ったボウルに浸けるのがポイント。貝は動かす時に砂を吸い込むため、底から浮かせておけば吐いた砂を再び吸い込みません。
【STEP2】
薄暗くすると貝がリラックスして砂を吐き出しやすくなるため、新聞紙をかけて夏は3時間、冬は5~6時間置くのがおすすめ。
【STEP3】
冷蔵庫ではなく常温に置きましょう。しじみは水から煮るとおいしいだしが出るので、弱火でコトコト煮て、旨味をじっくり引き出して。
[しじみの保存方法]
1回で使い切らない場合は、砂抜きしたあと水を切り、保存用の袋に入れて冷凍庫で保存を。貝が半開き状態で、触っても閉じない場合は死んでいるので捨てましょう。料理に使う時は、解凍せず凍ったまま加熱してOK。ただ、冷凍しじみは急激な加熱をしないと貝が開かないため、茹でる時はすでに沸騰した湯にしじみを入れます。
どこかで言いたい「しじみ」の雑学
●「しじみ」と「あさり」の違いは?
同じ二枚貝で、調理方法も似ている「しじみ」と「あさり」。でも実は、しじみはシジミ科、あさりはマルスダレガイ科に分類される、種類そのものが違う貝なのです。
生息する場所も異なり、しじみは淡水か、淡水と海水が混じった汽水の中で、あさりは海水の中。砂抜きの時、しじみは真水か濃度1%の塩水、あさりは海水と同じ濃度3%の塩水を使った方がいいのは、生息地の違いだったのです。
【参考文献】
「からだにおいしい野菜の便利帳」(高橋書店)
【参考サイト】
いつものおみそ汁人気商品ランキング
※ランキングは2022年12月~2023年11月の弊社流通出荷実績です。