あおさ
季節の食材のHOWTO 2017.05.02
「あおさ・青のり・海苔」の違い・見分け方や料理の活用法も!
今月の旬の食材テーマは「あおさ」。あおさの存在は知られているものの、そもそもどういう海藻なのか、どう食べればいいのかはあまり知られていませんよね。例えば、同じ海藻類の「あおさと青のり」の違いをはっきりと答えられない人って、かなり多いのではないでしょうか!
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形状や香りが違う!あおさ・青のり、海苔の違い
海藻の種類はさまざま! 昆布・わかめ・ひじきなどメジャーなものをはじめ、もずくに代表される褐藻(かっそう)やいわゆる「海苔」や刺身の“つま”、海藻サラダの具として目にする紅藻(こうそう)など、普段目にする海藻だけでも色んな種類があります。
そのなかで、「あおさ」と「青のり」は緑藻(りょくそう)の仲間で、かつ同じグループに分類されるものなんです。
両者にどういう違いがあるかというと、“香りと形状”で、あおさは加工すると平べったくパラパラとしたフレーク状、青のりは粉状になります。
そしてお値段のほうはというと、青のりは香りがよく高級とされていて、あおさは比較的リーズナブル。「たこ焼きやお好み焼きなどにかかっているのは青のり!」というイメージが強いですが、実はあおさが多く含まれていることもあるそうですよ。
さてさて、ここで注目してほしいのは図右のヒトエグサという海藻。
図中のヒトエグサとアオサ属アオサ、アオノリは全くの別物。しかし、ヒトエグサは地域によって「あおさ」や「青のり」と呼ばれることがあります。そして、たこ焼きなどに使われるアオサ属アオサが「青のり」と呼ばれることも。つまり「あおさ」って、すごく紛らわしい…!
とにかく、“あおさは奥が深い!”ということだけでも知ってもらえれば、今日のところはOKでしょう(笑)。
ちなみに、佃煮には、主にヒトエグサが使われます。また、おにぎりや巻き寿司などに使われる四角い海苔は、紅藻のアマノリが原料なんだそうです。旅館の朝食などにでてくると嬉しいですよね。
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ポテトチップスの「のりしお味」は、あおさ?青のり?
さて!ここからが一番気になる今日の本題です。ポテトチップスの定番、のりしお味の“のり”。これ、ほとんどの人は「青のりオンリー」だと思っていませんか?
(色んな「のりしお味のポテトチップス」を比較)
パッケージ裏を見ると、メーカーによっては原材料に「あおさ」「青のり」の文字が!「青のり」のみもあれば、「あおさ・青のり」と両方が記載されているものも。それはどうやら、あおさ・青のりの2種類をブレンドしているよう。
ポテトチップスだけじゃありません!例えばおかきも。
これらもパッケージ裏を見ると、「青のり」だけであったり「あおさ・青のり」であったり…なかには「あおさ」のみ使用しているお菓子もありました。
ひとくちに「のりしお味」と言っても、青のりだけの場合もあるし、あおさと青のりをブレンドしていたり、あおさだけの場合もある。
「あおさには馴染みがない」と思っているあなた、知らず知らずのうちにあおさを食べている可能性大ですよ!今度のりしお味のお菓子を買ったら、パッケージ裏をぜひぜひチェックしてみてくださ~い。
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おみそ汁や磯辺揚げに!あおさと青のり、どう使い分ける?
お手頃価格なうえ食感も楽しめる「あおさ」は、おみそ汁やスープの具材にしたり、ご飯にまぶしたりと普段使い用に良いでしょう!
一方リッチかつ粉状の「青のり」は、その風味や磯の香りをふんだんに楽しみたいときにアクセントとして使うのがオススメです。磯辺揚げなど揚げものの衣に混ぜ込んだり、お茶漬けの仕上げにパラパラッと振りかけるだけで、青のりならではの風味を楽しむことができますよ。
見た目も味もよく似ている「あおさ」と「青のり」。それぞれの特徴を知って、毎日の食事に取り入れてみてください♪
参考文献:海藻ハンドブック(文一総合出版)、からだにおいしい魚の便利帳(高橋書店)