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夏生さえり×伊佐知美さん|【第2回】自分らしく働ける環境は、自分でつくる。“好き”を仕事にする秘訣

夏生さえりと伊佐知美
  • 夏生さえり
    夏生さえり
    フリーライター。山口県生まれ。大学卒業後、出版社に入社。その後はWeb編集者として勤務し、2016年4月に独立。Twitterの恋愛妄想ツイートが話題となり、フォロワー数は合計15万人を突破。難しいことをやわらかく表現すること、人の心の動きを描きだすこと、何気ない日常にストーリーを生み出すことが得意。2017年8月9日(水)に、アマノ食堂の人気連載『口説き文句は決めている』(kraken)がついに書籍化!
  • 伊佐知美
    伊佐知美
    WEBメディア『灯台もと暮らし』編集長、フォトグラファー。1986年新潟県生まれ。横浜市立大学卒。三井住友VISAカード、講談社勤務を経て㈱Waseiに入社。どうしても書き仕事がしたくて、1本500円の兼業ライターからキャリアを開始。2016年は世界一周しながらのリモートワークに挑戦。これまで旅をしたのは国内47都道府県・海外30カ国以上。著書に『移住女子』(新潮社)。
夏生さえり伊佐知美

旬なあの人の“おいしいお話”をお届けする「お客さん対談」。今回のテーマは、「食と恋」。アマノ食堂の人気連載『ティファニーで朝食を食べられなかった私たち』の書籍化を記念して、いま話題のライター・夏生さえりさんと、WEBメディア『灯台もと暮らし』編集長・伊佐知美さんによるスペシャルインタビューをお届けします!

恋にまつわる甘酸っぱいトークが繰り広げられた前回に続き、後編となる今回は、ともに文章を武器に活動するお2人の働き方や人生観、そして今後の目標を教えてもらいました!

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—昨年からフリーライターとして活躍するさえりさん、執筆活動をしながら世界中を旅する伊佐さん。この1年を振り返って、環境や気持ちに変化はありましたか?
夏生さえり

いろんな変化があった1年。

自分に合った働き方を見つけた

(夏生さえりさん)

この1年、環境も働き方もいろんな変化がありました。フリーになって会社に通わなくなったので、毎日声をかけあえる存在がいないことに寂しさを感じることもあります。でも、今の働き方が自分に合ってると思います。フリーで仕事をするのも、チームで仕事をするのも、両方に魅力があるから、ないものねだりになってしまうのは仕方ないですね。

そうですね。私も一時期フリーで活動していたけど、今は㈱Waseiに属していて 『灯台もと暮らし』編集部のメンバーとチームで作り上げる楽しさを感じてます。他でもないこの仲間だからこそ、今の働き方ができていると思う。

伊佐さんたちの働き方はちょっと変わっていますよね。一般的な会社員のイメージとは少し違うというか。

そうそう。会社だけど固定のオフィスを持っていないから、基本的に全員リモートワーク。ちょうど昨年も、夢だった世界一周の旅をしながら『移住女子』(新潮社)を執筆していたんです。個人のやりたいことをしながら、会社の一員としてチームでも仕事できている環境はありがたいですね。

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【写真・左】8月9日(火)発売、さえりさんのエッセイ集『口説き文句は決めている』(kraken)、【写真・右】地域に寄り添い生きる移住女子の暮らしを紹介する伊佐さんの著書『移住女子』(新潮社)

伊佐さんが今一番書きたいことはなんですか?

「旅の記録」かな。やっぱりこれからも旅は続けたいし、すでに国内外の多拠点で働いているので、「現在進行形の旅」について書きたいですね。さえりさんは?

私もものすごく記録魔なので、何気ない日常について書き留めていたい。別にまとめるほどのものじゃないかもしれないですけど…(笑)。

確かに“言葉で残しておく”って大切ですよね。

自分の頭で考えるのも良いけど、実態のない状態を記録して可視化しておきたいんです。文章にすることで気付くこともありますし。後になって読み返すと、それが自分への教訓になったりもします。

 

—お2人のワークスタイルに憧れを持つ方もきっと多いはず!その働き方はロールモデルがいないように感じます。新たな第一歩を踏み出したい人に向けて、アドバイスがあれば教えてください。

さえりさんは、これまでに「この人みたいになりたい!」ってくらい、影響を受けた人はいますか?

考えてみるといないかもしれません。もちろん書くことは楽しいけど、「この先どうなるのかな…」って不安に思うこともあります。周りにもうまく説明ができないし、自分でも想像がつかない。

伊佐知美

そんなことないでしょ〜(笑)。

基本、心配性なので。考え方が世の中に対して常に“ファイティングポーズ系”なんですよ。

“世の中と戦っている”ってこと?

いやいや!「何かやってやるぜ!」っていう意味ではないです(笑)。防御する側ですね。なにかを怖がって、冒険ができないというか。

どうしてそんなに謙虚なんですか!でも、自由だからこそ「どこに進んだらいいんだろう?」って不安になることは私もあるから、分かる気がする。

夏生さえり

踏み出したい強い気持ちがあるなら

焦らずに、たくさん悩んでいい。

(夏生さえりさん)

今はSNSもあってフリーで働くライター同士のつながりや情報の共有もできるので、助け合ったり刺激を受けることも多いです。

「私もさえりさんみたいになりたい!」って相談をされることも多そう。

学生さんやフリーライターを目指している方からそう言っていただく機会は増えましたね。でも私もすごく悩んだ時期があったし、いろんな人に相談をして「本当にフリーでやっていく覚悟があるの?」って強く言われると、「大丈夫かな…」って戸惑っちゃうことも結構あったんですよ。でも、踏み出したいって強い想いがある人は、行動せずにはいられなくなるタイミングがきっと訪れる。その時に、迷わず行動すればいい。なので、焦る必要もないし、たくさん悩んでいいんだよって伝えたいですね。

 

—伊佐さんはどのようにして、「好きなこと×仕事」の働き方を実現したのでしょうか?
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自分らしく働ける環境は、自分でつくる

(伊佐知美さん)

もともとは週5日で会社に通っていて。だんだんと週の1日は家で仕事をする時間を長くしてしみたり、出張先の地方の大自然の中で原稿を書いてみたりしました。少しずつ自分らしく働ける環境にスライドさせていった感じです。もちろんそれは、仲間たちの理解があったからこそですけどね。

思い切って行動してみることで、自信もついてきますよね。

小さくてもいいから、まずはやってみることが大事なのかも。原体験としては18歳の頃に、バイトが終わってから急に旅がしたいって思い立って、そのまま友達と切符を買って京都まで行ったんです。その時に「時間とお金さえあれば、どこへでも行けるじゃん!」って思ったんです。やりたいことがあるなら行動したほうがいいというのは、その時に強く感じましたね。その延長が「世界一周の旅」でもあります。

行動力ありますね〜!

いやいや。昔は旅に出るとき、合計90Lくらいの荷物を持っていってたんですけど、仕事の拠点をいくつか持つと“身軽に移動できるかどうか“を意識するようになるので、今は30Lサイズのスーツケースだけで移動するようになりました。海外だけじゃなく、日本にいてもあちこちに移動しているので常に身軽でいたいと思っています。

すごいなぁ。私、1年前に当時住んでいた家を引き払ってから2ヶ月ほどスペインを旅してたんですよ。その時に荷物を最小限にまとめて旅に出る大切さをを学んだはずが、今では結構増えてしまって。伊佐さんの身軽さとフットワークの軽さ、見習いたいです。

 

—最後に、お2人が働く上で大切にしていること、今後の目標を聞いてみましょう!
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今は大人になることが楽しい!

すぐに叶わなくても、夢は持ち続けるもの

(夏生さえりさん)

最近は、大人になることがすごく楽しい。昔のほうが、いろいろ難しく考えて悩みが多かった気がします。すぐに叶えられなくても、夢を持っておくことはすごく大切。

最近、夢が叶った出来事ってあります?

学生時代にディズニーランドでアルバイトをするほどディズニー好きで、“いつか仕事でディズニーランドに行く”ことが目標のひとつでした。今年、その夢が叶ってディズニーシー・ランドを取材させていただいたんですよ。嬉しかったな〜。

素敵!ライターって大変なこともあるけど、夢のある仕事でもありますよね。

伊佐さんはどうですか?

旅に関する仕事や、海外取材がしたかったので、実際にでき始めているのはうれしい。あとは、最近、ニューヨーク在住のライター・佐久間裕美子さんに取材する機会があったことかな。佐久間さんの著書『ピンヒールははかない』(幻冬舎)、すごく好きなんですよ。働く女性の1人としてすごく勇気をもらった1冊で。女性だけじゃなく男性の心にも響く内容だから、色んな人に読んでほしい。

そういえば、最近どんどん女性的な観点を持った男性が増えているような気がします。

さえりさんのフォロワーの方も意外と男性が多いですよね。

そうなんですよ。自分でも意外で。

さえりさんの連載コラムを読んでいても、自分に置き換えて妄想できるし。性別を問わず共感できますもん。特に第2話の『口説き文句は決めている』が好きです。

嬉しい…!実は私の周りでもその回が一番反響が多かったんですよ。本の編集を担当してくださった方(男性)も、「この話が一番好き」とおっしゃってくれていて。書籍化するにあたって、タイトルを『口説き文句は決めている』にしたのも、そういう声をたくさんいただいたからというのも一つありますね。ちなみにこの物語に登場する男性が2人いるんですけど、恥ずかしくて書籍になることをまだ伝えられていないんです…どうしようかな(笑)。

そうなんだ!知ったらきっと驚くでしょうね。「え、これ、俺のこと!?」みたいな(笑)。

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(アマノ食堂の読者の方に日頃の感謝を込めて…。さえりさんにサインを書いて頂きました!)

妄想を書く時は、日常で実際で起こりそうで起こらないような、その絶妙なラインを意識しています。たまに「彼氏に同じようなことをされました…!」「今日似たようなセリフを彼女に言ってみました〜!」とか、コメントを頂くこともあったりして、それがすごく嬉しい。なので、『口説き文句は決めている』(kraken)も女性はもちろん、男性にもぜひ読んでもらいたいですね。

 

— さて、そろそろ〆のお時間。最後に、お2人がこれから挑戦してみたいことを聞きました。

今後は作詞や映像(ドラマや映画)の脚本も書いてみたいです。一番は、勉強したい欲が強くて。もっといろんなことを吸収して、学びの機会も増やしていきたい。

学びたいという心意気!いいですね〜。

毎年、自分の誕生日に1年の目標を決めることにしているんです。2016年は「飛躍」、2017年は「着実に生きる」という目標を立てました。なので、今年はできることをコツコツと、しっかりと次につなげていきたいです。

伊佐知美

これから先もずっと旅を続けていく

海外にも働く拠点を持ちたい

(伊佐知美さん)

それでいうと、私の2016年の目標は「できるだけ遠くへ」、2017年は「自分の軸をつくる」かな。旅や文章と同じくらいカメラも好きなので、今年の後半はがんばって自分の雑誌をつくってみようと思っています。あとは、海外にも働く拠点を持ちたい。季節ごとに拠点を変えてみるのも面白いかも。春から秋は日本にいて、冬に行ったら暖かい国に行くとか。国内だったら桜前線を追いかけて移動するとか(笑)。

それ、新しいですね!面白い。

あ、そうだ!ごめんなさい、唐突なんですけど…これ、今日さえりさんに会ったら直接渡そうと思ってたんです。傘といえばさえりさんしかいない!と思って。よかったら受け取ってください。

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(伊佐さんが今年3月に訪れたスペイン・バルセロナで購入した「傘のピアス」。現地の作家さんの手作りだそう)

傘のピアス!かわいい〜!!嬉しいです。私、雨が大好きなんです。

さえりさんの名刺の裏にも“雨と傘”のイラスト、入ってますもんね。

心に余裕がないと出かける予定がなくても「今日は雨か…、憂鬱だな」って思うじゃないですか。でも、余裕があると、紅茶とか飲みながら「今日は部屋でゆっくりしよう〜」って億劫にならない。そういう心持ちを大切にしてこれからも過ごしたいな。

さえりさん、これは雨関連の仕事もきますよ(笑)。今日は楽しかったです!なんだかインタビュー取材ってことを忘れて、ただ2人でランチしにきた感覚でした。

私もです!また色々お話しましょうね〜♪

—素敵なトークをありがとうございました!またのご来店をお待ちしております。
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information
夏生さえり『口説き文句は決めている』発売記念トーク&サイン会
〜概要〜
【日時】2017年8月21日(月) 19:00~20:30 ※開場18:45
【定員】60名
【開催場所】二子玉川 蔦屋家電 2F ダイニング(東京都世田谷区玉川1丁目14番1号二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット)
【主催】二子玉川 蔦屋家電 BOOK
【URL】http://real.tsite.jp/futakotamagawa/event/2017/07/post-452.html

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