対談 2017.12.28
黒川勇人さん×ソーメン二郎さん|【第2回】缶詰×そうめんの絶品コラボレーション!達人のおすすめレシピからアレンジ術まで必見
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- 黒川勇人
- 缶詰研究家、タレント。物心ついたときから缶詰に魅了され、2004年から缶詰ブログを開始。マニアックで缶詰愛溢れるブログが話題を呼び、メディア出演をはじめ著書も多数出版。近著に『レジェンド缶詰究極の逸品36(講談社)』、春風亭昇太さんと共著の『旬缶クッキング(ビーナイス)』など。雑誌「一個人」で缶詰コラム連載中。
- 缶詰blog
- 黒川勇人 Twitter|@hayatino
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- ソーメン二郎
- そうめん研究家。そうめん発祥の地と言われている奈良県桜井市生まれ。さらに本家が三輪そうめん製麺所であることから、生まれたときからそうめんと深い関わりをもっている。現代人のそうめん離れを嘆き、テレビやラジオ、雑誌といったメディアを通してそうめんの魅力やレシピを伝え“復権活動”に勤しんでいる。『簡単! 極旨! そうめんレシピ(扶桑社ムック)』が絶賛発売中。
- 「そうめん道」ブログ
- ソーメン二郎 Twitter| @somenjiro
アマノ食堂に訪れるゲストの“おいしいお話”をお届けする「お客さん対談」。今回の対談テーマは、「缶詰」と「そうめん」。物心ついたときから缶詰に魅了され、ブログが話題の缶詰研究家・黒川勇人さんと、本家が三輪そうめん製麺所という(!!)という、生まれながら深い関わりを持つそうめん研究家・ソーメン二郎さん。
意外な共通点を持ち合わせている「缶詰」と「そうめん」の魅力を伺った前回に続き、今回は年末年始のパーティーシーズンにぴったりな、究極の「缶詰×そうめんコラボレシピ」を教えてもらいました!聞けば聞くほど奥深い世界にきっとハマってしまうはず♪
—ソーメン次郎さんと対談するこの日のために、黒川さんがぴったりの缶詰をチョイスしてそうめんコラボのオリジナルレシピを考案してくれました。その名も『めんツナカルボナーラ』…!“缶詰×そうめん”の意外すぎるコラボレーションが実現。これからのパーティーシーズンにぴったりなものができそうな予感です…。
今回作るのは、『めんツナカルボナーラ』。使う缶詰は、博多明太子メーカー「ふくや」が作っている缶詰『めんツナかんかん』。そうめんは、宮城県白石市名物の『白石温麺(うーめん)』を使います。
『めんツナカルボナーラ』の作り方
【材料】
・そうめん…1束
・青ねぎ…1/4
・黒こしょう…適量
[A]
・めんツナかんかん…1缶
・全卵…1個
・卵黄…1個
・粉チーズ…大さじ1
・塩…適量(ややたっぷり加えるのがおすすめ!)
【作り方】
1.青ねぎを細かく輪切りにして、皿に取り分けておく。
2.[A]を混ぜ合わせて、ソースを作る。
『めんツナかんかん』は、明太子味仕立てのビンナガマグロの油漬けです。フレーク状なんですけど、ゴロっと入っているからごちそう感があるんですよ。ピリっとした辛味と、クセのない大豆油で仕上げた味わいがちょうどいい。
いいですね〜。そうめんと魚って、すごく合いますよね。ツナ缶やサバ缶とか。そういえば、今日使う『白石温麺』って、名前の由来も温かくて。創業者の娘さんが、喉と胃の調子が悪いお父さんのために、食べやすくて油を使わないようにして作った“家族想い”のそうめんなんですよ。
「白石温麺」は、麺の長さが9cmと通常のそうめんと比べて短いのが特徴的!
3.お湯が沸騰したら、そうめんを入れて3分ほど茹でる。
そうめんを茹でる時は、1束に対して水2Lが目安。鍋に入れた後、軽く混ぜて、そうめんがぐるぐると勝手に“踊る”状態をつくるのがポイントです!そうすることで熱が均一に広がり、ムラがなくなりおいしく仕上がります。
4.ザルにあげ、冷水で揉み洗いする。
冷水で揉み洗いした後に、氷水で冷やすと麺が引き締まってコシが出ます。そうめんには手延べそうめんと機械麺の2種類があるんです。手延べそうめんはコシがしっかりとしているのに比べて、機械麺は生地を圧延し、切り出して作るのでコシがない。なので、茹でる時に梅干しを一緒に入れると、ギュッと引き締まっておいしくなるので試してみてください。味わいが一気にグレードアップしますよ!
5.そうめんの水を切り、熱湯につけて軽く温め、ソースとよく混ぜ合わせる。
お皿に盛り付けて、青ねぎと黒胡椒をかけたら、できあがり!
—“缶詰×そうめん”レシピというとシンプルですが、ともに“厳選した素材”を使うことで、こんな豪華でおいしい一品に大変身!缶詰とそうめん、合う!他にも、自宅で挑戦できるおすすめのアレンジ術はありますか?
滋賀県の郷土料理の「焼き鯖そうめん」(焼き鯖を甘辛く煮て、その煮汁でそうめんを茹でた料理)は、缶詰を使うと簡単にできますよ。
焼き鯖そうめんだったら、おすすめは『旬・鯖味噌煮』(SSKセールス)。安くはないけど、味付けがものすごく良いんですよ!味噌煮って普通は砂糖と味噌で煮るんですけど、少し酢が入っているので、コク深さがクセになってしまう。絶対そうめんにも合うと思うな〜。
宮城・仙台名物「白石温麺」は
サラダやお弁当にもぴったり!
(ソーメン二郎さん)
『白石温麺』のようなハーフサイズ(麺の長さが9cm)のそうめんって、サイズ感がちょうどよくて使い勝手が本当にいいんです。サラダやお弁当にも使えますし。
いいよね〜。そうめんは肉系とも結構合うよね。肉だったら『缶つまレストラン・マテ茶鳥のオリーブオイル漬け』(国分グループ本社)もおすすめ。使われているオリーブオイルが良質で鶏のうまみも出てるから、そのオイルもたっぷりかけたい。
うわ〜永遠に食べていられそう(笑)。包丁やめんつゆいらずで簡単に作れるし、かつ味もおいしいなんて素晴らしい。
そうめんってさ、アレンジ次第でレパートリー広がるよね。
そうなんです!でもそうめんって、レパートリーが少ないイメージがあるじゃないですか。特に夏とか、家庭では「またそうめんか〜」って言われる存在になってる気がします。
そのイメージはあるかもね〜。
実はめんつゆだけでもかつおだし・あごだし・しいたけだし・えびだし…と種類も豊富で、それぞれの味わいの違いも楽しめる。アレンジの組み合わせは無限なんです。
調味料で味変するなら、僕はそうめんにごま油やラー油を入れて食べるのも好きだな。
いいですね!「小豆島そうめん」(日本三大そうめんの一つ)は、麺づくりでごま油を使用してますからね。オリーブオイル以外だと塩もおすすめですよ。岩塩やマジックソルトとか、味比べするのもホームパーティーで絶対に盛り上がります。
缶詰をおもてなしに使うコツって、ありますか?
彩りに旬の野菜を添えるようにしてるな〜。缶詰は基本的に茶色いから、葉物野菜の緑、トマトの赤やチーズの白、という感じで彩りをプラスすると見栄えがぐっと華やかになるでしょ。
見た目のおいしさは大事ですよね。
あと単純だけど、自分の気に入った器に盛り付けるよ。あ、でも焼き鳥だけは別なんだよね!
ん、どういうことですか?
缶ごと湯煎すると、ホワっと湯気が立ってさ。で、缶からそのまま焼き鳥を食べるのがまたいいんだよね〜。
—知れば知るほど、奥深い“缶詰とそうめん”。最後にそれぞれの魅力を教えてもらいました。
缶詰から世界の食文化が見える
(黒川勇人さん)
缶詰は、開けてすぐに食べられるという手軽さはもちろん、世界中の料理を数百円で楽しめるのが最大の魅力。外国に行くと基本的にその国で食べられている料理しか缶詰にされていないけど、日本はいろんな国の料理が缶詰になって再現されてる。
確かに日本で販売されている缶詰は種類が豊富ですよね。日本人って世界中の料理を食べるから、そういった多様な食文化が缶詰事情に反映されているんでしょうね。
だから、究極の目標は“缶詰を世界平和に繋げること”。アラビア文字で書いてあるパッケージを見て、「中東の人はこういう料理を食べるんだ…!」とか新たな発見があると楽しいでしょう?それだけで他国の文化を知る一つのきっかけになると思うんです。
そうめんは食を超えた
コミュニケーションツール
(ソーメン二郎さん)
そうめんも似ているところがあります!昔はよく、そうめんをお中元やお歳暮などのギフトとして贈っていましたよね。大事な節目で人との縁を繋ぐ、“コミュニケーションツール”のような存在。 そういった意味でも、うどん・ラーメン・蕎麦・パスタにはない不思議な魅力が詰まっています。
コミュニケーションツールか。たしかにね!そうめんと缶詰の話だけでこうやってずっと喋っていられるわけだから(笑)、今日それが証明されたね。
—対談後は、先ほどお2人に作って頂いた『めんツナカルボナーラ』に、アマノフーズの「にゅうめん」をあえて合わせてダブル麺ランチ。ソーメン次郎さんとは“そうめんつながり”、黒川さんとは“保存食つながり”ということで(笑)
奈良にあるソーメン二郎さんのご実家を訪れたり、一緒に“缶詰×そうめん”のイベントを行うなど、公私ともに仲の良いお2人の、ほのぼのランチ風景。
『お湯ですぐに作れるにゅうめんですか、便利』(byソーメン二郎さん)
『にゅうめんは、〆のメニューにぴったりだね〜』(黒川勇人さん)
と、ご満足いただけたようです♪
缶詰とそうめん、そしてフリーズドライ食品も、手軽に作れておいしく食べられるというのが共通点。奥深い“缶詰×そうめん”、組み合わせやアレンジ次第でメニューのレパートリーも無限に広がるはず。ぜひ、年末年始の“おもてなし料理”の参考にしてくださいね!
—黒川さん&ソーメン二郎さん、楽しいトークをありがとうございました。それでは、またのご来店をお待ちしております!
[第1回]生粋のマニアに聞く「缶詰とそうめん」の超絶魅力的な世界。実はこんなに奥深かった!
[第2回]缶詰×そうめんの絶品コラボレーション!達人のおすすめレシピからアレンジ術まで必見
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