対談 2018.07.20
水野仁輔さん×村田倫子さん|【第2回】あの食材が隠し味に?自宅でおいしいカレーを作るコツ
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- 水野仁輔
- 1974年、静岡県浜松市生まれ。AIR SPICE代表。1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」を立ち上げて以来、カレー専門の出張料理人として全国各地で活動。「カレーの教科書」(NHK出版)、「わたしだけのおいしいカレーを作るために」(PIE INTERNATIONAL)などカレーに関する著書は50冊ほど。「カレーの学校」で講師を務めている。現在は、本格カレーのレシピつきスパイスセットを定期頒布するサービス「AIR SPICE」を運営中。
- AIR SPICE
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- 村田倫子
- 1992年、千葉県生まれ。モデル。ファッション雑誌をはじめ、テレビ・ラジオ・広告・ファッションショーへの出演など幅広く活動する一方、カレー業界では有名なカレーマニア。好きが講じて始まった連載『カレーときどき村田倫子』では、店選びから取材執筆までトータルにこなす。また、お酒大好きモデルの顔ももち、食べログマガジンにて『呑み屋パトロール』と題した外飲み連載も話題。
- 村田倫子Twitter
アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けする「お客さん対談」。今回の対談テーマは「カレーの圧倒的な魅力」について。
カレー愛好家のお2人にカレーの魅力をたっぷりと伺った前回に引き続き、後編では自宅で「究極のカレー」を作る秘訣を教えてもらいました♪ なんと意外なあの食材が隠し味に…!? すぐに役立つヒントも盛りだくさんです。
自宅でおいしい「カレー」を作るコツ
―おうちごはんとしても大人気メニューの「カレー」。自宅でおいしく作るコツを教えてください。
隠し味に
慣れ親しんだ「ルー」を
(水野仁輔さん)
本当に初歩的なものでいえば、にんにく・生姜・玉ねぎ・トマトを炒めて、水分を飛ばすと、ぺースト状のベースができます。そこに4種類の基本のスパイス(※1)、お肉を加えて煮込むだけで、おいしくなるんです。これはぜひ、試してみてほしいですね。
※1 前編にも登場した基本のスパイス。ターメリック、クミン、コリアンダー、チリペッパーの4種類。
それなら私にもできそうです!
玉ねぎはみじん切りじゃなく、ざっくりと切るだけでOK。とにかくしっかりと炒めるのがポイントです。それで30分煮込めばおいしいカレーができるはず!実際に食べてみて、「あれ?」って思った時は、カレーのルーをほんの少しだけ加えるのをおすすめしています。
ルーを隠し味に使うんですね!
そう。自分が小さい頃から知っているカレーのエッセンスが入ることで、納得のいく味に着地するんですよ。
困った時の隠し味を知っておくと、なんだか冒険できそうですね。
それを尺度にするといいかもね。そのうち自分の腕が上がってきて、ルーに頼らなくてもおいしく作れるようになる。ルーを卒業したら、そこからはより楽しい日々が待ってますよ~(笑)。
基本を覚えておけば、「今度はあれを入れてみよう」とかアレンジも広がりそう。私、最初の頃はターメリックを大量に入れてたんですけど、それをカレー屋さんに言ったら、「ターメリックは意外と少なくていいんだよ!」と言われて衝撃でした。
今はスパイスに手を出しやすくなったし、本当良い時代になったよねぇ。基本の4つのスパイスなんて、大学時代の僕にも誰か教えてよ!って感じ(笑)。納得のいく味にたどり着くまで何回失敗したか……。
あと僕、最近通販でスパイスセットを届けるサービスをしているんです。今日は村田さんにお渡ししようと思って持ってきました!
水野さんがコンセプト・商品・レシピ開発のすべてを手がける「AIR SPICE」。レシピ付きスパイスセットをお届けする本格的なカレースパイス。
これはスゴイですね〜! 早く作ってみたいです!ちなみにこれはどう作られているんですか?
えっと、まず配合を僕が決めて、
インドから!?
はい。
同封されているレシピに、スパイスは何グラムとか詳しく書いてありますけど…こんなに公にしちゃっても良いんですか?
僕はおいしいと思ったら、みんなにもどんどん試してほしいので。ある程度の量がわかっていたら、「もう少しクミンが強い方が好きだな」とか自分でもアレンジできるでしょ? そこで自信をつけて、これをベースに自分好みの味に近づいたらいいなって。
水野さん、カレーの神様みたい…! これは嬉しいなぁ。どんどん自分の好きなカレーを追求していきたいです。
カレー作りで大切なこと
―カレーの魅力を知り尽くしているお2人に質問です!おいしいカレーを作るための秘訣やコツはありますか?
どの業界も同じだと思うんですけど、「(味の)ゴールを具体的にイメージしてから作る」ことが大切ですよね。自分の好きなお店の“味や香り”を頭に思い浮かべて台所に立つだけでも変わってくると思いますよ。
そう言われてみると、カレーを作るときはゴールを描いて作っているかも…。モデルのお仕事でも、どんなイメージを求められているかを考えて撮影しているので、その感覚と似ていますね。
村田さんのように、いろんなお店を訪れてカレーを食べ歩くのも、自分で作る時に役立ついいイメトレになっていると思いますよ。
なるほど〜。まだまだ頑張ります(笑)
カレーは最高のコミュニケーションツール!
(村田倫子)
カレーって、老若男女みんなが好きじゃないですか。だから「あのカレー屋さんがおいしくて〜…」と話題にすると初対面の方とでも盛り上がれるんです。カレーは会話のきっかけにもなる最高のコミュニケーションツールだなって感じています。
その感覚、わかるなぁ。僕ね、もともと「東京カリ〜番長(※2)」という集団を立ち上げて活動をしていたんですよ。人が集まる場所でライブクッキングすると、みんなで盛り上がれてすごく楽しくて。
※2 水野さんが19年前に立ち上げた出張料理を行う集団。現在は12名のメンバーが参加している。
カレーには人を集める力がありますよね…!
カレーは「音楽」と似ていて
人を楽しませる力がある
(水野仁輔さん)
カレーって音楽とよく似ているんですよ。「東京カリ〜番長」は、もともとクラブでDJをやっていた4人が集まったユニットだったんです。
DJがアナログレコード持ってきて、曲をかけると現場が盛り上がる。それと同じように、僕らはスパイス持って行ってカレー作ると盛り上がる(笑)。フロア全体がスパイスの香りに包まれてさ!
カレーの香りで盛り上がるなんて、最高ですね!
でしょ?みんな知っている曲がかかるとフロアが盛り上がるのと同じで、「あれ? カレーの匂いがするぞ」みたいな感じでね(笑)。そのくらい、カレーにはその場の空気を変えてしまう魅力が詰まっているんです。
自分1人だけじゃなく、みんなでも楽しめる。やっぱりカレーは人を幸せにする素晴らしい料理ですね!
ー “カレートーク”の途中ですが、本日はカレーつながり!ということでアマノフーズ自慢のカレーを試食してもらいました♪
水野さんには「ひきわり豆のトマトカレー&キーマカレー」、村田さんには「野菜と鶏肉のカレー&タコライス(カレーじゃないですが…)」を、相がけでご試食いただきました! ちなみに、キーマカレーとタコライスは、「アマノ食堂」の企画から生まれた新商品です。
※キーマカレーとタコライスは現在販売終了
『これはフリーズドライだとは思えない。具材の食感もしっかりしていてびっくり!』(by水野仁輔さん)
『タコライスに入ってるフリーズドライお肉(!?)も食べ応えがあってすごいです!!』(by村田倫子さん)
最初から最後まで大盛り上がりのカレートークにカレーづくしの休憩タイム。さて、このあと水野さんが教えてくれたカレーの隠し味をまだまだご紹介しますよ~!
〜おまけ〜
まだまだある! カレーの意外な隠し味
水野さんが自宅でカレーを作る時に、「マンネリ化させないためのコツ」はありますか?
隠し味的なものはたくさんありますよ! わかりやすいのはヨーグルトやバター。あとトッピングで粉チーズとか。乳製品系はおすすめです。
乳製品はカレーと相性が良いですよね。
発酵調味料を加えるのも個人的に好きですね。醤油やお味噌を少し入れるだけで、グッとおいしくなるんです。さっぱりした味が好きならジャムや蜂蜜もおすすめ。
ジャムですか! 試したことなかったけどおいしそう…。
牛肉に合わせるならブルーベリー、鶏肉だったらママレード。オレンジやレモンとか、柑橘系と合わせるのもいいですよ。
わ〜それも夏っぽくていいですね♪
村田さんは南インドやスリランカ系のカレーがお好みのようだから、ココナッツミルクを入れたのも好きだと思うな。お水の量の半分をココナッツミルクに変えてみたりね。
それ、早速今度やってみます!
【Information】
水野さん初の料理エッセイ『わたしだけのおいしいカレーを作るために(パイインターナショナル)』が好評発売中!調理のヒントやコツ・スパイスの使い方・カレー店の魅力など、カレーにまつわる知識が満載。「自分にとっていちばんおいしいカレーとは?」の答えが見つかる1冊です。
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