対談 2015.11.25
レイザーラモンHGさん×ゴールドジム・鈴木雅さんの“肉体美を保つ秘訣” たくましくしなやかな肉体は「食」で作られる!
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- レイザーラモンHG
- 1975年、兵庫県生まれ。レイザーラモンRGとともに「レイザーラモン」として、テレビや舞台などでお笑い芸人として活躍。現在、ルミネtheよしもとに出演中。趣味はプロレス、大工、イラスト、マイナーものまね、野球。2015年9月に放送されたテレビ番組「アメトーーク!」に“ゴールドジム芸人”のひとりとして出演。
- 吉本興業
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- 鈴木雅
- 1980年生まれ。21歳でボディビルをはじめ、ボディビル競技歴2年で東京大会優勝。ボディビル界のゴールデンボーイと呼ばれ、2010年から15年まで日本選手権大会6連覇中。現在もゴールドジムでアドバンストレーナーとして勤務している。14年アーノルドアマチュア80kg級3位、15年世界選手権80㎏級3位。
- ゴールドジム
東京下町のとある街角にひっそりと佇むアマノ食堂。この店に訪れるお客さんの“おいしいお話”を毎週お届けしていきます。第8回のテーマは、「食事で鍛える!」。
しなやかでたくましく、美しい肉体を作るには、なんといっても食事が重要。いったいどんなものを、どのようにとればいいのでしょう!?
そこで今回のゲストには、よしもときってのスタイルの良さで、芸人と並行してファッションモデルも務めるレイザーラモンHGさんと、日本ボディビル選手権で、もはや国内では無敵の「6連覇」を達成した鈴木雅選手をお迎え! 「タンパク質はこまめにとって切らさない」「節制のため、ラーメンの味はもう忘れた」といった驚きの食事法の数々を語ってもらいました。
―お2人は、会うのが初めてではないそうですね。
はい、テレビで何度かご一緒させてもらいました。もともとは僕が3年前から、ボディビルダーの聖地とも呼ばれるフィットネスクラブ「ゴールドジム」に通っていて、ジムの中にゴールドジム所属トレーナーである鈴木選手の写真が貼ってあったりDVDが流れたりするので、雲の上の人という感じでした。
僕もHGさんのことはテレビでずっと観させてもらっていました。すごいいい体をしている芸人さんだなって。
僕と同じように春日選手も、あ、オードリーの春日俊彰です、もう選手ですよね(笑)、彼もゴールドジムに通っていて、鈴木選手と一緒にトレーニングをしたりもしているので、よく話を聞いていました。
鈴木選手が登場した瞬間、すぐ服を着たくなった(笑)
(レイザーラモンHGさん)
HGさんや春日さんとは、『ナカイの窓』のマッチョSPの回や、『アメトーーク!』のゴールドジム芸人の回でもご一緒させていただきました。
『ナカイの窓』では、僕とか春日、庄司智春なんかが調子に乗って裸でポージングしているところに、サプライズで突然鈴木選手が登場したんです。
そうでしたね。
もう、すぐ服を着たかったですね(笑)。鈴木選手が横にいると、自分が本当にガリガリに見えちゃうんで。ちなみに今日はトレーニングをしてきましたか?
はい、してきました。
僕ももちろんしてきました。とくに今日はして行かないと失礼だなと(笑)。
がんばったらそのまま体に返ってくる。
そのフィードバックが面白い
(鈴木雅さん)
―普段、どれくらいトレーニングをされているんですか?
私はだいたい1日に1時間半から2時間くらいですね。それを週5回ほどやっています。
僕も1時間半~2時間のトレーニングを週に4~5回しています。僕の場合、芸人が本業ではありますが、やっぱりトレーニングができないとちょっと気持ちが悪くなっちゃうんですよね。だから少しムリしてでも早起きしてジムに行ったり、仕事の後の深夜に行ったりして帳尻を合わせています。
なるほど。
ただ入る前は、ゴールドジムの敷居は高かったですねえ。やっぱりゴールドジムに行く人は相当カッコイイというか、ある程度鍛えてからじゃないと入っちゃいけないみたいなイメージがあったので。
入っちゃえばなんてことないんですけどね。入るまでは、そう思う方も多いみたいです。
入ってみて思ったのは、やっぱり硬派だなって。だって普通のフィットネスジムだとテレビが流れていたり、J-POPがかかっていたりするじゃないですか。でもゴールドジムだとトレーニングのDVDが流れているし、音楽も洋楽がかかっている。それもボン・ジョヴィとかのバリバリのロック(笑)。あれはテンション上がります。
そうですね(笑)。ただ支店にもよりますが、最近は普通に女性もいらっしゃって、男女の比率はだいたい7:3くらいになっています。男性だけでなく若い女性も体を鍛え出しているんだなというのを、ここ1~2年はすごく感じますね。ちょっとしたブームなのかなと。
ちなみに鈴木選手がボディビルを始めるきっかけは?
最初はボディビルをやろうとは思っていませんでしたが、身体をつくるのは好きだったので、ジムでトレーニングをしていたんです。そうしたら当時のボディビル日本チャンピオンで現在ゴールドジムの取締役をしている田代誠さんから、「おまえ、いい体しているんだから、大会出てみれば?」と言われたんです。
それが何年前ですか?
12~3年前ですね。もともとは野球をやっていたんです。
じゃあ筋肉のつき方が、今とは全然違いますね。
当時はすごく細くて、21才の頃は体重が51~52キロでした。で、そこから2年くらいで一気に75キロくらいまで増やし、そこからまた積み重ねていって、今は83キロくらいです。
ボディビルのどんなところにハマッたんですか?
なんか“理不尽”じゃないんですよね。食事もトレーニングも、一生懸命やればそのまま返ってくるし、逆に手を抜いてもそれがそのまま返ってくる。そういうフィードバックがおもしろかったんです。
ですよね、わかりますわー。僕はずっとサッカーをやっていて、大学で学生プロレスを始めたのを機にウェイトトレーニングを開始しました。その後、芸人と並行してプロレスをやっていた頃は、サイズをとにかく大きくして衝撃に耐えうる身体をつけようということで、最大で92キロくらいありました。当時は本当に食事は何も気にせずがんがん食べていましたね。ケガをしてプロレスをやめてからは身体を絞るようになって、今は72~73キロをキープしています。
体をつくるのは、トレーニング以上に「食事」!
(レイザーラモンHGさん)
―身体を作っていくうえで、どんな食生活を送っていますか?
やっぱりタンパク質をたくさんとるんですが、実は僕、牛肉が苦手なんです。胃腸が弱いので、くだしちゃうんですよ。だから鶏肉、魚、豆からとるようにしていて、プロテインも大豆からできているものを飲んでいます。
私は逆に、豆が合わないんですよ。豆だとお腹がちょっと痛くなってしまう。消化不良になっちゃうんでしょうね。むしろ牛肉はいくら食べても消化できます。
それはいいなあ。やっぱり人によって合う・合わないというのはすごくありますよね。日本人だと牛肉が苦手という人が多いんで、やっぱり鈴木選手は胃腸も“天性”のものがあるんですね。僕はもう焼き肉なんてしばらく行ってないし、牛乳も飲んでいません。飲むのは、無調整豆乳ですね。
僕は体重を増やすときも減らすときも、決してトレーニングを変えるわけではなく、全て食事でコントロールしていきます。だから食事というものがやっぱりすごく重要になります。体をつくるうえで、食事がトレーニング以上のウェイトを占めています。
そうなんですね。
とくに減量に関してはそうです。カロリーを落とすのはもちろんですが、逆に落としすぎずに食べながら減量するようにしています。炭水化物も全くとらないのではなく、ある程度とりながら減量するようにしているんです。
炭水化物は、何からとるんですか?
私は白米からとります。玄米があまり身体に合わないようで、お腹を悪くしてしまうんです。珍しいタイプなんですが。
へえ、豆と玄米がダメなんですね。
食物繊維がダメなんでしょうかね。あまり身体にたまらないんです。
欧米人っぽいですね(笑)。
そうですね(笑)。
よく炭水化物はダイエットの敵みたいにいわれるけど、やっぱり炭水化物も大事ですね。
そうですね。ある程度はとらないと。
とらないとパワーが出ないから、トレーニングもできませんし。
それと炭水化物をとらないと、身体が“しおれて”しまうんですよね。やっぱり肌や筋肉を張らせるのは炭水化物なんで。
だから寝る前にとったりしなければ、ちゃんととった方がいいのかなと。
そうですね、とり方をコントロールできていれば。
タンパク質はいかがですか?
タンパク質はやはり普通の人と比べて多くとりますが、一回でガバッととるのではなく、なるべくこまめにとるようにしています。食事の間にも、プロテインをこまめに飲んだりします。もう“つなぎ”みたいな感じですね(笑)。
そんな今もタンパク質をとりたいくらいじゃないですか? 時間的に。
そうですね。今日は前もってとってきました(笑)。
夜中に起きてプロテインを飲むこともあるんですか?
昔はやっていましたが、今はないですね。
人によっては、寝ている間にタンパク質が切れるのが怖いので、寝ても3時間くらいで起きて、タンパク質をとってからまた寝るみたいですね。
―ちょっと、すみません(笑)。“タンパク質が切れる”とは、どういうことですか?
タンパク質が消化されて血液の中にアミノ酸がなくなってくると、筋肉が分解されてしまうといわれているんです。だからなるべく分解されないように、タンパク質をこまめにとるようにしています。
焼き肉もラーメンも、もう3年くらい食べてない。
(鈴木雅さん)
食事はどんな感じですか?
おいしさより、栄養素を優先に考える感じですね。たとえばラーメンを食べに行くなら、ステーキを食べに行こうみたいな。食べたいものよりも、栄養素で食べるものを考えます。
ラーメンを食べたいなというときもあるんですか?
もうないですね。ずっと食べてないんで、味を忘れました(笑)。
なるほど、僕もそうですね。そりゃおいしいんでしょうけど、カロリーの高さや脂質の多さとかを考えると、それが習慣化しました。トレーニングを始めてかなり早い段階でそうなりましたね。
ラーメンは、もうどのくらい食べていませんか?
3年くらいじゃないですかね。焼き肉も同じくらい食べていないし、あとは中華料理も油をたくさん使っているということで食べなくなりました。半チャーハンセットとかあるじゃないですか、ああいうのは本当に恐ろしいですね。プロレスをやっていた頃は普通においしく食べていましたが。
やっぱり調理されているものはなるべく控えますね。食材がそのまま出てきて自分で焼いたりするのは全然OKなんですが。ただ揚げ物なんかも、つきあいで食べることはあります。一日くらいなら、後でしっかりやればどうってことないので。
―ちなみに大会前の体脂肪率って、どれくらいですか?
見た目が重要な競技なのであまり測らないんですが、それでもだいたい4~6%くらいだと思います。
それはすごいですね。僕はそこまではいかなくて、8%くらいです。
「ボディビルダーがどれだけスゴいか
世の中の人に知ってもらいたい!」
(レイザーラモンHGさん)
鈴木選手はボディビル日本選手権で6連覇されたばかりですが、この先の目標は?
やっぱり世界選手権でどこまで結果を出せるかですね。そこで結果を出すことが、ボディビルの普及に繋がると思うのでやはりこの競技の認知度を高めたいというのがすごくありますね。体づくりに対して正しい理解を深めたいなと。それが一応、私の役目だと思っています。(鈴木雅さんは、対談後の2015年11月に開かれた世界選手権で、自己最高である3位入賞を果たしました)
やっぱりアメリカなんかと比べると、認知度は低いですもんね。アメリカだとすごいメジャーなスポーツというか、それだけで食べていける選手もいますし。でも鈴木選手は、胃腸が欧米ですから。
はい。
僕はもう胃腸が弱いんで、全然ダメです。
―HGさんの目標は?
僕はなんといっても“面白くなりたい”というところなんですけど(笑)、やっぱり僕らがゴールドジムを紹介したり身体を鍛えてますというのを言うことで、ボディビル界が盛り上がればいいなと。ボディビルダーのスゴさが、まだまだ世の中に認知されてないと思うんですよね。ボディビルダーがあの身体をつくるために、ものすごく大変なことをしているんですよというのをもっと知ってもらいたい。
そうですね。
芸人仲間でいえば、なかやまきんに君もそうです。彼はキャラ的に、バカにされたりいじられたりする側じゃないですか。でもいざ自分もトレーニングをしてみると、きんに君のすごさがわかるんですよ。きんに君のあの筋肉量って、ヤバいんだなと。だからきんに君のことをバカにできなくなるんです(笑)。先輩の芸人さんでも、きんに君のことを「なんやねんその体、気持ち悪い」と言っていた人が、自分もトレーニングを始めたとたん「きんに君、すごいねんな…」となる(笑)。そんなふうに、トレーニングをする人が増えてボディビルダーのスゴさが伝わればいいなと思います。
―最後に本日の〆ということで、「粒こんにゃく入り とり雑炊(※販売終了)」をどうぞ。大きめの具材がたっぷり入っていながら1食あたり68キロカロリーという、トレーニング中の方にもうれしい1品です。
「食事をコントロールするからこそ
何を食べても本当においしい」
(鈴木雅さん)
これで68キロカロリーとは、ありがたいですね。すごくおいしいし、粒こんにゃくによってボリューム感があるのもいいですね。これを普通にごはんで作ったら、200~300キロカロリーはいってしまうでしょうから。
こういうものを普段食べ慣れてないというのもあって、すごく新鮮でおいしく感じます。
―日常生活で、“食べ物のパワー”を感じるときは?
僕は一度、ファスティングという断食のようなものをしたことがあるんです。酵素ドリンクだけを飲んで3日間を過ごした後、最初に食べたおかゆのおいしさったらなかったですね。最初はおかゆのうわずみだけをすすったんですが、うわずみだけなのに「めっちゃうまい!」って。だから節制をすると、食べ物をよりおいしく食べられるというのはありますよね。
私も、普段から食べるものはなんでもおいしいんですが、とくに減量中は味覚が敏感になっていることもあって本当においしく感じますね。
トレーニングをしていると、そういう幸せがありますよね。
そうですね。
食べ物がおいしく感じるというのは、非常にいいことだと思うんです。舌がキレイといいますか。やっぱりあまり濃いものを食べすぎると、舌もだんだん麻痺して感覚も鈍くなってくるので。普段から節制をしていると、やっぱり料理もおいしくなりますよね。
—貴重なトークをありがとうございました。またのご来店をお待ちしています!
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