対談 2016.07.29
伊原剛志さん×板谷由夏さん|話題のドラマ『ヤッさん』発!長年愛される「築地」の魅力とは?
-
- 伊原剛志
- 1963年11月生まれ。福岡県北九州市生まれの大阪府育ち。83年、「真夜中のパーティ」で舞台デビュー。翌年、「コータロー・まかりとおる!」で映画初出演。以来、大河ドラマをはじめ、数々の映画、ドラマ、舞台に出演。現在、テレビ東京で放送中の金曜8時のドラマ『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』では、宿無し一文無しの 食の天才「ヤッさん」役を演じる。
- ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
-
- 板谷由夏
- 1975年生まれ。近年の主な出演作に「ファースト・クラス」(フジテレビ系)、 「同窓生~人は、三度、恋をする~」(TBS系)など。 現在、映画の魅力を語りつくす「映画工房」(WOWOW)ではMCを、 「NEWS ZERO」(日本テレビ系)ではキャスターを務めている。現在、テレビ東京で放送中の金曜8時のドラマ『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』では、情が深く、世話好きな韓国料理店の女店主「オモニ」役を演じる。
- 板谷由夏 オフィシャルサイト
アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けします。第24回の対談テーマは、80年以上日本一の台所として親しまれてきた「築地」。
ゲストは、話題の夏ドラマ『ヤッさん〜築地発!おいしい事件簿〜(テレビ東京)』に出演中!宿ナシ無一文でありながら食の天才『ヤッさん』役を演じる伊原剛志さんと、情に厚く世話好きな韓国料理店の女店主『オモニ』役を演じる板谷由夏さん。今年の11月に移転を控える「築地」の魅力と、その築地を舞台に繰り広げられるドラマの見どころを語っていただきました!
—7月22日(金)よりテレビ東京で放送中の金曜ドラマ『ヤッさん〜築地発!おいしい事件簿〜』に出演中のお2人。まずお互いの印象について教えてください。
板谷さんとの共演は今回で2回目なんですけど、以前の役柄や関係性とは全く違って。このドラマでは、またひと味違う板谷由夏の顔を見ることができるので、僕自身もとても楽しみですね。
伊原さんと一緒にお芝居をするのはとっても楽しいです。すごく信頼しているので、本当にただそれに尽きますね。
— 今回のドラマでは“腐れ縁”という間柄だそうですが…それぞれの役柄を教えてください。
僕の演じる「ヤッさん」は、宿ナシ無一文でありながら食の天才。いつもTシャツ姿で、筋トレは毎日欠かさず腹筋100回、常に走って移動するという設定なんです。そんな役どころでお腹がたるんでいたら説得力がないし、体作りが絶対に必要だろうってことで、この役を演じるにあたって2ヶ月間で7.5kg減量しました。
すごい…!私が演じる「オモニ」という役は、そのヤッさんになにかと世話を焼く韓国料理店の女店主。見た目がすごく派手なんですけど、私こんな派手な女性を演じるのって初めてなんですよ(笑)。でも、それを衣装部さんやメイクさんと話し合って、色々こだわりながら楽しんでいますね。伊原さん演じる「ヤッさん」の女版を目指したいなって思っています。面倒見が良くて、人情深い。そういうオモニの人柄も、この作品を通して出していけたらいいな。
板谷さんは、普段はかっこいい印象が強いんですけど、今回演じている役柄は、とてもかわいらしくて。だから僕も同じシーンで演じていると、すごく居心地が良いんです。そういう雰囲気は、ドラマ内でのヤッサンとオモニのやりとりからも感じ取ってもらえるんじゃないかな。ドラマの中で、それぞれがどういう過去を経てきたのか、人間模様も描かれているのでその辺りも楽しみにしてほしいですね。現場もとにかく笑いが耐えなくて、すごくアットホームなんですよ。
うん。良い現場!すごく明るくて楽しいです。
—ドラマの中で登場する数々の名店や「食」にまつわるうんちくも見どころのひとつだとか。お2人が普段の食事でこだわっていることはありますか?
集中力を高めたい日こそ、
赤身の牛肉!
(板谷由夏さん)
自宅の庭でトマトやハーブを育てています。あと、最近気付いたんですけど、お肉を食べると集中力が高まるというか…。夜眠れなくなるんですよね(笑)
覚醒する、みたいな感じ?
そう。言葉で伝えにくいんだけど…良い意味でグワッ〜ってなる感覚。だから、いざという時はお肉を食べるようにしているんですよ。特に、赤身の牛肉がおすすめ!
ちょっと野生的になってきたんじゃない?この間、夜に外で撮影していた時も、「伊原さん、満月だよ〜!!」ってテンション上がってたよね?このまま狼になっちゃうんじゃないの…って冗談を言い合ったりして(笑)
そうそう。でも、お肉を食べると元気が出る気がして。
なるほどね。僕は、今まで和食やお寿司が好きでよく食べていたんだけど、体を作る2ヶ月間くらいは炭水化物をほとんど抜いていたから、我慢した後に好きなものを食べることが快感になってて。最近では、減量期間が終わって久々に肉を食べられる!ってことで、すぐに焼き鳥を食べに行ったなぁ。僕ね、焼き鳥がとにかく好きなんですよ。
我慢した後だと、なおさら嬉しいでしょうね。焼き鳥屋さんにはよく行くんですか?
海外でも食べてるくらい。この間もロスに行った時に友達と食事をしたんだけど、「焼き鳥でいい?」って。もう、ロスの焼き鳥屋はだいたい行き尽くしたんじゃないかな(笑)。ちょうど昨日も、夕方から焼き鳥を食べに行って。渋谷・のんべえ横丁にある『鳥福』ってお店なんだけど、ここ最近食べた中で一番おいしかった。
偶然通りかかったのんべえ横丁
『鳥福』の焼き鳥に感動
(伊原剛志さん)
いいな〜!そういえば、のんべえ横丁に昔からやっている焼き鳥のおいしいお店があるって聞いたことがあります。
のんべえ横丁って戦後すぐの頃からあるんだよね。その『鳥福』も60年近くやっていて、界隈では一番古いお店なんだって。いろんな所から取り寄せた鶏肉があって…。たまたま通りかかってふらっと入ったんだけど、あまりのおいしさにみんなが感動しちゃうくらいだったな。
ラッキーでしたね。今まで我慢してたから、良いお店と巡り合えたのかも。
そうかも。にしても、この数年間で食べた焼き鳥の中でベストだったね。
行きたい〜!私ものんべえ横丁の『やさいや』というお店は行ったことがあって。おばんざいや鴨鍋があって…。そこもおいしいですよ。
昔から続くいろんなお店があって面白いんだよね。『鳥福』は2代目のご主人が食鳥処理免許(食鳥処理衛生管理者資格)を持っているから、店内でさばいて下処理までやってるんだよ。焼き鳥もだけど…肉厚のレバーがまた絶品なんだよ。
お腹空いてきた…(笑)。 伊原さんって、おいしいお店を探すの得意でしょ?
得意かどうかはわからないけど、ふらっと入った店が“当たり”なことは多いかも。何となくおいしいそうとか、雰囲気が良さそうだなぁとか…感覚だけどね。店に入った瞬間、料理を食べているお客さんの表情を見て「ここは絶対おいしい!」ってわかることは結構ある。
あれ?ドラマの中のヤっさんと、同じようなセリフを言ってる…(笑)。
いやいや。本当に!ネットで調べて実際お店に行ってみても、ちょっとのぞいて「あ〜何か違うなぁ…・」って思うこともあるしね。そこで、違うかも…って思ったら入らない。
確かに実際に行ってみないとわからないよね。私は最近、あまり外食しなくなっちゃって…。
でも、板谷さん料理うまいでしょ?
家族や友人と食卓を囲んで食べるごはんが一番
(板谷由夏さん)
家で誰も作ってくれないんだもん。作るのは凝ったものじゃなくて、家庭料理って感じですけどね。
でもさ、魚も自分でさばけるんでしょ?前に、僕が「釣りに行って鯛とかたくさん釣れたけど、さばくのが大変だった」って話をしたら、板谷さんが「刺身包丁は自宅にあるよ」って。すごいよねぇ。
そう、自宅にあるんですよ。家族で食べるのはもちろん、人を自宅に招くのも好きなので。週末に友達を呼んで飲んだりするのが楽しくて。喜んで食べてもらえることが一番嬉しいかな。たまに、1時間かけて作った料理を息子が10分くらいであっ!という間に食べ終わったりすると、少しシュンってなることはありますけど…。
それほど、板谷さんの手料理がおいしいってことじゃない。うちもそうだよ。俺も息子も食べるのが早いから、もっと味わってゆっくり食べようよ!って、奥さんに言われることあるな。
たしかに、もっとゆっくりとおしゃべりしながら食べようよ〜って思うことはある。本当に男の子は食べるのが早いから。でも、とにかく「おいしい!」って食べてもらえるのは嬉しいですね。
— さて今回のテーマは「築地」ということで…ドラマの舞台である「築地」の魅力について教えてください。お2人は移転前の魚河岸でも撮影を行ったそうですね。
築地でしか味わえない
独特のワクワク感が心地良い
(板谷由夏さん)
私、プライベートでもフラっと築地に行くことがあるんです。子供が産まれる前、夜中にオリンピックの中継を見ていて「うわ〜!」って興奮しちゃって…そのまま早朝の築地にお寿司を食べに行ってたり。朝からラーメンのために行列したこともあります。築地には、おいしいお店がたくさん集まっていて、新鮮な食材や野菜もいっぱい。ただ歩いているだけで楽しいんですよ。ここでしか味わえない独特のワクワク感がたまらなく好きですね。長年愛されてきた分、移転は寂しいですけど…またこれから新しく親しまれるスポットになると思うので、個人的にもとても興味がありますね。
日本でも、いろんな所に市場や魚市場ってありますけど、食べ物やお店はもちろん、やっぱりあの風景や空気感は築地でしか味わえないものだなって思います。
撮影中に、築地のお店で玉子焼きを作ったんでしょ?
築地はやっぱり活気がすごい
粋の良い人が集まる
唯一無二の場所
(伊原剛志さん)
そう!築地にある玉子焼きのお店『山長』で焼き方を教えてもらったの。いや〜完全に玉子焼きをなめてたね。何事もそうだけど、簡単に見えるものほど奥が深い。実は最初、軽くパッとひっくり返せば良いんでしょくらいに思っていたんだけど…。本当に難しい。まず、玉子焼き専用の四角いフライパンが重い。卵もちゃんと計ってから作るんだけど、すごく分厚くて!それを真っすぐひっくり返さないと、きれいな形に仕上がらないんだよね。ちょっとでも形がゆがんでいると、串にさしてもボロッて落ちちゃう。けん玉と一緒でバランスが大切なんだなと思ったね。
なるほど。全体のバランスだ!
ドラマの中で実際に玉子焼きを作るシーンがあるから、うまく作れないことがショックで…。監督に「無理かも!できない」って言いながらも、撮影の合間や自宅でずっと練習してたんだよ。それでもうまくいかないから「あと1日だけ時間をください」ってお願いして。もう1回『山長』さんの厨房で練習させてもらいに行ったら、早朝にもかかわらずもうお客さんがたくさん並んでいて。
やっぱり朝から並んでるんだ!
そう。朝7時なのにたくさん!そしたら店の職人さんが「伊原さん、焼いてみな!」って言ってくれて。やってみたら、ちゃんと綺麗にひっくり返って…。練習の成果が出て本当に嬉しかったね。その、自分で作った玉子焼きを並んでいたお客さんが食べてくれて。その日は40人くらい並んでいたんだけど、自分は焼くことに必死だったから、代わりにお店の人が「金曜20時からテレビ東京で『ヤッさん〜築地発!おいしい事件簿〜』っていうドラマが始まるよ〜」って宣伝してくれて(笑)。築地って働いている人達の活気がすごいんだよね。“粋の良い人”が集まってる。
築地のお店って、そういった人と人の触れ合いを楽しめることも魅力ですよね。
そうなんだよね。ドラマの中でも色んなおいしい食べ物が出てくるから、役を通して「食」に対してさらに興味が出て。今回、里見浩太朗さんが老舗蕎麦屋「はし田」の店主を演じているでしょ。その蕎麦の指導に来て頂いている先生が現場で教室を開いていて、蕎麦打ちを習いに行ったんだよ。それがもう、すごく楽しくて。打った蕎麦を家族に食べてもらって、おいしいって言ってもらえたのがまた嬉しかった。
玉子焼きも作れて、蕎麦も打てるようになるなんて最高じゃないですか。
でしょ。あと、撮影の次の日がオフだったりすると、スタッフみんなで食事に行ったりするんだけどさ。オンもオフも、この作品に関わるなかで「食」を通じたコミュニケーションが増えたのは素直に嬉しいね。
—撮影を通して、食の楽しみや築地の魅力を再確認したと語るお2人。最後に、今回のドラマの見どころについてお聞きしました。
土曜の家族団らんのきっかけに
なれたら嬉しい
(板谷由夏さん)
とても痛快で、ほっこりとする温かい作品です。おいしいそうなものがたくさん出てくるドラマなので、見ているだけでお腹が空いちゃうこと間違いなしです。食は、お腹を満たすだけじゃなく人をつなぐ力があると思っています。放送は金曜の夜8時からなので、家族で見ながら食べ物の話をしたり…翌日みんなでおいしいごはんを食べに行ったり。このドラマが、家族で団らんしながら土曜日を過ごすきっかけになったら嬉しいですね。
本当に幅広い世代で楽しめるドラマなんですよね。僕も先に映像を頂いて、子供と一緒に観たんですよ。自宅で1人で観ようとしていたら、息子が「一緒に観る!」って言ってくれて。隣で息子のリアクションを見て、自分の狙ったところで笑ってるって嬉しくなりました。
素敵。バッチリじゃないですか!
今年中学3年になるんだけど、一緒にドラマを観るのってすごく久々だったんだよね。
私も中学2年の子供と観ましたよ。そういう家族のコミュニケーションにもひと役買ってくれたらいいですね。
長年愛されてきた移転前の
「築地」がたくさんの人の
楽しい記憶になるように
(伊原剛志さん)
本当に家族みんなで楽しめるドラマです。長年“日本の台所”としてたくさんの方に愛されてきた場所が移転するってとても大きなことだと思うんです。だから、移転前の「築地」での撮影ということで、そんな築地をドラマの中で映像に残せる喜びも感じています。そこで生きている人間の粋の良い物語をたっぷり味わって、楽しく観て頂けたら嬉しいですね。
—さて、お話は尽きませんが、そろそろ〆のお時間!本日の〆の一品は、殻付きしじみの豊かな旨みと香りが堪能できる「まごころ一杯 しじみ汁」です。
うわ〜しじみに殻がちゃんとついてる。一緒にフリーズドライされてるんですね。
僕、アマノフーズのおみそ汁よく食べてますよ。ちょうど今朝も、家に誰もいなくてご飯と細切り昆布と梅干しがあったから「これにはおみそ汁だ!」ってことで、『えのき汁』をいただいてきました。
これ、忙しい時にも良いですね。
うん、味もしっかりしていておいしい!
ごちそうさまでした。
—本日は楽しいトークをありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
撮影協力/鳥とも
関連記事
RELATED ARTICLES