対談 2016.10.24
辛酸なめ子さん×まつゆう*さん | 【第1回】 映画好き女子が選ぶ!今、観るべき映画とは?
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- 辛酸なめ子
- 漫画家・コラムニスト。1974年、東京都生まれ。埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『絶対霊度』(学研)、『辛酸なめ子の世界恋愛文学全集』(祥伝社)など。
- 辛酸 なめ子<次元上昇日記>
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- まつゆう*
- 東京生まれ、渋谷育ち。1998年からmedia iconとして、独自の“可愛いカルチャー”情報をウェブで発信している。TwitterやLINE、instagram等を紹介する著書や全編iPhoneで撮影された写真集を発表する一方で、国内外で影響力の高いmedia iconとして数多くのメゾンやブランドをクライアントに持ち、ウェブ、ブログやSNS、TVや雑誌など多方面のメディアで活躍中。
- matsu-you* personal media-tokyo kawaii life
アマノ食堂に訪れる、お客さんの“おいしいお話”をお届けする「今週のお客さん」。今回の対談テーマは、「映画」について。
ゲストは、独自の視点と鋭い観察眼でおなじみの漫画家、コラムニスト・辛酸なめ子さんと、「可愛いカルチャー」を発信し、多方面で活躍中のmedia icon・まつゆう*さん。ともに生粋の映画好きとして知られるお2人のアツい映画トーク、全3回でお届けします!
さて今回は、いい映画に出会うコツと、絶対に観るべきおすすめ映画を教えていただきました。
—まず、お2人が映画を観るようになったきっかけを教えてください。
辛酸さんは、月に何本くらい映画を観ますか?
4〜5本くらいですかね。
私も、最近は月に多くても5本〜10本ですね。多い時期だと1日最低1〜3本くらい観ていた時期もありました。
1日1本はすごいですね。映画にハマったきっかけは何だったんですか?
19歳の時に付き合っていたボーイフレンドが、すごく映画好きな人で。当時、彼が下北沢に住んでいて、近所に「DORAMA」というビデオ屋さんがあったんです。そこで借りてきた映画を一緒に観るのが楽しくて。そこから、映画をたくさん観る癖がついたって感じですね。
その彼は、今は映画関係のお仕事をされているんですか?
いや、それはわからないんですが…どうやら別れた後にタイへ傷心旅行に行ったらしくて(笑)。
もしかしたら、タイで映画を観ているかもしれませんね。
今はタイで幸せに暮らしているという噂を。タイ映画界を支えているのかもしれません(笑)。辛酸さんはどういうきっかけで映画を観るようになったんですか?
映画を観始めたきっかけは「現実逃避」!
(辛酸なめ子さん)
私は、中高生の時期に現実逃避みたいな感じで観るようになりました。その当時、印象に残っているのが、フランス、イギリス合作の恋愛映画『愛人 ラ・マン』だったんですけど、ああいう男性を翻弄する魔性の女になりたいという憧れを抱いて。とはいえ全然男性との接点はなかったんですけど、真似して三つ編みにしたりしてました(笑)。
わかります。映画のヒロインに憧れて、かわいい子が映ると私も真似したくなってました!
観ていてテンションが上がるんですよね。
ストーリーの内容がよくわからないものでも、ヒロインが可愛いだけで観たいって思っちゃうタイプなんですけど、辛酸さんはどうですか?
そうですね。何回も観ないとわからない作品もありますね。
私は『ひなぎく』がそうでした(笑)。
私も『ひなぎく』なんとなく観ちゃいましたね。あと、『スプリング・ブレイカーズ』は、内容はあまり感情移入できないんですけど、あのビキニ姿の若い女子たちが戯れている現実逃避感がおもしろくて。結構、周りにも勧めたんですけど…「なにあれ!」みたいな微妙な反応でした(笑)。
—映画の中の主人公に憧れ、登場人物に思わず感情移入してしまう。特に、女性なら誰しもそんな経験があるのかもしれませんね。お2人が最近印象に残っている作品と、お気に入りの映画に出会うコツを教えてください。
5人姉妹を演じる少女たちが
印象的な『裸足の季節』
(辛酸なめ子さん)
最近でいうと、トルコを舞台にした『裸足の季節』はすごく良かったですね。まず、5人姉妹を演じる少女たちが可愛くて。古い慣習のある親戚の家に預けられて、一切の外出も禁止になってしまう。自由を取り戻すために、脱出を試みたりとかして。
ソフィア・コッポラの『ヴァージン・スーサイズ』も美しい5人姉妹が登場しますが、少し近いでしょうか?
そうですね、映像の感じはすごく似ているかも。内容は、『裸足の季節』のほうがもう少しタフな感じですね。男性を利用して車を借りたりして…。実際、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督がトルコ出身で、作品と割と近い環境に育ったそうでリアリティがあるんです。女子が男子に肩車されたことで怒られるシーンがあるんですけど、それも実体験に基づいているとか…。
1役123人が話題の韓国映画
『ビューティー・インサイド』
(まつゆう*さん)
私が最近印象深かったのは『ビューティー・インサイド』という韓国映画ですね。日本の映画館では公開されてないんですけど。
韓国映画ですか。どんなストーリーなんですか?
男の子が18歳の誕生日を迎えた日から、朝目覚めるたびに、国籍や性別も違う人に入れ替わってしまうというお話です。ある日、家具屋さんで接客してくれる女の子に恋をして。自分の姿は変わってしまうから、毎日初めて来たお客さんのようにお店に通うんですよ。自分がどんな姿でも、全然対応が変わらなかった。その心に恋をしちゃうんです。
本人は変身しても、もとの記憶は失わず、自分で「違う人になっている」ということを自覚しているんですか?
そうです。朝起きるたびに、「あ、今日はおじさんか…」とか。子供や日本人になる時もあって。日本人の時は、上野樹里さんが出演してたんですよ。29歳になるまで毎朝変わってしまう自分の姿に合わせて、クローゼットの中身も揃っていて…。
設定を聞くだけでも面白そうですね。
おもしろいんです!だって、1役を123人のキャストが演じるんですよ(笑)。
ひえ〜衣装を揃えるだけでも大変そう。
ヒロインの女の子もすごく可愛いくて。“自分がどう変わっても、絶対見つけてね”っていうテーマがあるんです。変わらない愛を感じることができて、相手の大切さが改めてわかるので、おすすめですよ。喧嘩中のカップルや別れそうなカップルにこそ、ぜひ観てほしい(笑)。
時空がいつズレてもいいようにね。
おしゃれなフランス映画でよくある淡い雰囲気ってあるじゃないですか。映像はそれに近いです。韓国の街並みがすごくキレイで、全体的に映像はファンタジー的ですね。だからストーリーはもちろん、ビジュアルも十分楽しめると思います。
韓国映画ってすごく発展してるんですよね。
はい、素敵な映画でしたね。
どうやって観る映画を見つけているんですか?
(映画のチラシを集めることも好きだというお2人。今回、辛酸さんがご自身で集めているチラシ&パンフレットを持ってきて頂きました!)
Apple TVにつないで、iTunes Storeでレンタルすることが多いです。プレスリリースの予告編をひたすら観て、気になる作品はリストに入れておいて、映画を観たくなったらその日の気分で選ぶ。 『ビューティー・インサイド』も予告編を観て気になっていたんです。実際に借りてみたら、すごくいい映画でした。辛酸さんは普段どうやって選んでいるんですか?
私もNetflixやアマゾンの会員にはなってるんですけど、パソコンが古くて読み込みが遅いし途中で切れちゃったりするから、オンラインより映画館やDVDで観るほうが個人的には好きで。でも、レンタルサービスも便利になりましたよね。予告編を観るなんて、以前はできなかったから。
そうですね。DVDのパッケージを見て、自分で想像しながら借りてましたよね。
そうそう。あとはチラシを見ながら、ストーリーや設定とか、こういうの好きかなって考えてみたり…。
私も映画のチラシが好きで、よく集めてます。
取っておきたくなりますよね。アクションやホラーはほとんど観ないから、そういうジャンルのものはいつも除いてしまいますけど。
ホラー苦手なんですか?
ホラー映画を観ちゃうと、次の日廃人みたいになっちゃうというか…なぜか体調が悪くなるんですよね。気のせいかもしれませんけど(笑)。
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撮影協力 / 池尻セレクトハウス(和光建物株式会社)
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